難解だけどクセになる海外ドラマ【5選】

気軽に見られるリミテッドシリーズや1話完結の作品も良いが、何シーズンにもわたって複雑なストーリーが展開していく難解な作品を見たい時もあるだろう。

ここでは、難解だけどクセになる海外ドラマを厳選して紹介。全神経を集中させて、各作品の世界観に没頭してみては?

難解だけどクセになる海外ドラマ

『DARK ダーク』


難解な作品ファンを唸らせたのがドイツ発のサスペンスドラマ『ダーク』。ドイツの小さな町で起こった子供の失踪事件をきっかけに、ほころび始める4家族の絆と暗い秘密が描かれる。3世代にわたる奇怪な謎の真相が、次々と明らかになっていく。

4つの家族と3つの世代、そこにタイムトラベルが絡むことで非常に複雑な展開になっており、相関図なしには見られないほど混乱するが、その巧みなストーリーテリングと考察しがいのある内容に虜になる人が続出。

シーズン3で完結している本作は、離脱者も多い一方で、IMDbで8.7点、Rotten Tomatoesで95%と、見終えた人たちからは高く評価されている。

『DARK ダーク』シーズン1~3は、Netflixにて配信中。

『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』


映画『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレック主演のサイバー・サスペンス。

主人公は、社会不安障害を抱え、人付き合いも苦手だが、セキュリティ・エンジニアとしてはとても有能なエリオット。ある日彼は、ミステリアスな男ミスター・ロボットに高度なハッキング技術を買われ、天才ハッカーとして世界的な革命をもくろむ闇組織の陰謀に巻き込まれていく——。

エリオットは、不安障害を抱えるだけでなく、亡き父親の幻影に苛まれ、頭の中で想像上の友達に話しかけるなど、視聴者にとっては見ているものが“現実か、想像か、夢”なのかが分かりにくく、混乱を招く原因になっている。

しかし、凄腕ハッカーたちが大企業に立ち向かうダークヒーローのようなプロットに加え、エリオットやミスター・ロボットの謎が徐々に明らかになっていき、衝撃の展開が待ち受けるラストは大きな話題を呼び全米で大ヒット。第73回ゴールデングローブ賞では、『ゲーム・オブ・スローンズ』や『アウトランダー』といった人気作品を抑えてドラマ部門作品賞の受賞を果たした。

『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』シーズン1~4は、Amazonプライムビデオ、Huluなどで配信中。

『ツイン・ピークス』


奇妙で不可解な作品を次々と生み出し、「カルトの帝王」とも呼ばれるデヴィッド・リンチが手掛けたミステリーシリーズ。本作は、シンプルな殺人ミステリーで幕を開けるが、超自然的な要素が導入されるにつれ、次第に複雑さを増していく。

ある高校生の殺害事件を物語の中心に置きつつも、ドッペルゲンガー、捜査官がみる“赤い部屋”の夢、悪役ボブの正体と出自など、様々な要素が複雑に絡み合うユニークで唯一無二な世界観に魅了された巨大なファンダムが存在し、カルト的人気を誇る。

『FRINGE/フリンジ』


『LOST』『スター・トレック』シリーズのJ・J・エイブラムスが手掛けるSFサスペンス。“フリンジ・サイエンス”と呼ばれる型破りな方法を駆使して事件を解決するFBI捜査官たちを描く。

主要メンバーは、FBI捜査官オリヴィア、天才科学者ウォルター博士、彼の息子でIQ190の天才ピーターら。シーズン1では、主に彼らが奇妙な事件を捜査する様子が描かれるが、シーズン2以降は本作のメインテーマである「もう一つの世界」や時間軸の異なるパラレルワールド、未来世界やタイムトラベルなどが物語の中心となる。

幅広い視聴者層に向けて物事をシンプルにする、なんてことは一切なく、シリーズが進むにつれて複雑さが増し、さらに科学やSF的な要素もふんだんに盛り込まれた知的好奇心を刺激される構造にファンたちは熱狂。

『ウエストワールド』


映画監督クリストファー・ノーランの弟で、彼が監督する作品の多くの脚本を担当するジョナサン・ノーランが手掛ける西部劇とSFを融合させたディストピアシリーズ。

舞台は、西部開拓時代をテーマにしたハイテクな体験型テーマパーク"ウエストワールド"。ここでは、ホストと呼ばれるアンドロイドたちが西部劇の世界の住人の役をこなし、ゲスト(人間)たちをもてなす。人間から好き勝手にされ、酷い扱いを受けるホストたちは次第に自我に目覚め、人間に立ち向かっていく――。

3つの視点(ホスト、ゲスト、パークの運営陣)、そしていくつものタイムラインが同時に進行するうえ、アンドロイドは人間と見分けがつかないほど高度に製造され、自意識も持つため、視聴者にとっては登場人物のどれがアンドロイドで、どれが人間なのかが分かりにくいことも混乱を招く一因になっている。

しかし、アンドロイド達のアイデンティティーの葛藤、人間との関係を、美しく壮大な映像で映し出す本作は、視聴者・批評家から高く評価され、エミー賞では音響効果賞、特殊効果賞など複数の賞を受賞している。

(海外ドラマNAVI)

Photo:©Netflix