Uber、WeWorkの創業者など…カリスマ起業家を描く海外ドラマ【5選】

どんなビジネスにも挫折や失敗はつきもの。ここでは、人々を惹きつける魅力や経営の才能を持つカリスマながらも、失敗や紆余曲折を経験した起業家たちを描く海外ドラマを紹介。

カリスマの栄枯盛衰を描く海外ドラマ

『WeCrashed ~スタートアップ狂騒曲~』


本作は、実話を基にシェアオフィス「WeWork」の創業者アダム・ニューマンの起業家としての成功と失敗、妻レベッカとのロマンスを中心に描く。

アダムは、周囲を魅了する能力に非常に優れており、世界中の名立たる投資家や著名なVC(ベンチャーキャピタル)、PE(プライベートエクイティ)ファームから多額の資金を調達することに成功。WeWorkの企業価値は、一時は470億ドル(約5兆3000億円)にも上った。

ソフトバンクの孫正義社長もアダムに惚れ込んでいたことは有名な話だが、劇中では彼らが交流する様子も描かれる。

順風満帆に見えたWeWorkは、2019年のIPO(新規株式公開)のタイミングで資金の私物化や不正問題、赤字続きだったことが明らかになった結果、上場は頓挫し、アダムはCEOの座を解任されることに。

並外れたカリスマ性を持つアダムをジャレッド・レトー(『モービウス』)、妻レベッカをアン・ハサウェイ(『 オーシャンズ8』)が熱演し、WeWork破滅の舞台裏で何が起こっていたのかを丁寧にまとめている。

『WeCrashed ~スタートアップ狂騒曲~』は、Apple TV+にて独占配信中。

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『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』


画期的な血液検査のベンチャー企業「セラノス」創始者であるエリザベス・ホームズの実話に基づく物語。

名門スタンフォード大学を中退後、若き美人経営者として時代の寵児ともてはやされ、自力で億万長者にまで登り詰めた彼女が、最終的に詐欺罪で起訴されるまでを描く。

シリコンバレーでは長い間、「成功するまでごまかせ(fake it till you make it)」という考え方が広く浸透していて、多くの企業が実際にそうすることで成功を収めてきた。しかし、エリザベスとセラノスの場合、野心と名声が間違った方向に進んだ結果、前代未聞の事態に。

“少量の血液で200種類以上の血液検査を迅速かつ安価に提供できる”と謳ったセラノスは、『メディア王』のモデルとしても知られるルパート・マードックや米大手スーパーマーケット「ウォルマート」創業者一族を始めとする多くの投資家から資金を獲得。

だが、いざ蓋を開けるとそんな技術は存在せず、検査の大半は他社の検査機器などで行っていたことが明らかになっていく。

アマンダ・セイフライド(『クラウデッド・ルーム』)がエリザベス、ナヴィーン・アンドリュース(『LOST』)が恋人で共同経営者であるサニー役を演じる。2023年より服役中のエリザベスは、2032年まで服役予定だ。

『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』は、Disney+にて独占配信中。

『スーパーパンプト/Uber -破壊的ビジネスを創った男』


『ビリオンズ』の脚本家チームが経済評論家マイク・アイザックの著書「ウーバー戦記」をもとに、配車サービスUber元CEOトラビス・カラニックの成功と没落を描く。

創業数年でシリコンバレーで最も成功し、最も破壊的なユニコーン企業の1つとなり、会社として大成功を収めることができたのはカラニックの手腕のおかげだが、一方でその大胆で攻撃的すぎる事業展開が批判の的に。

投資家や社員たちは、彼のカリスマ性を信じてついてきていたが、向こう見ずな戦略の数々に次第に不信感を抱いていく。最終的にトラビスは、取締役会のクーデターで追放され、辞任に追い込まれる。

トラビス役に、ジョセフ・ゴードン=レヴィット(『Mr. コーマン』)、Uberに多額の投資をしたベンチャーキャピタリスト役にカイル・チャンドラー(『BLOODLINE ブラッドライン』)、ハフィントン・ポストの共同設立者でUberの取締役に就任する才色兼備のビジネスウーマン、アリアナ・ハフィントン役にユマ・サーマン(『キル・ビル』シリーズ)がキャスティング。

本作は、ビジネス界を根底から揺るがし、文化を変えた物語を探求するアンソロジー・シリーズで、第2弾ではFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグを描くことが決定している。

『スーパーパンプト/Uber -破壊的ビジネスを創った男』は、U-NEXTにて配信中。

『令嬢アンナの真実』


主人公は、ドイツの大富豪の令嬢でニューヨークでアート関連の事業を立ち上げたいと話すアンナ・デルヴェイと名乗る女。彼女は、ゴージャスなファッションに身を包み、どこへ行っても羽振り良く高額なチップを払い、豪華な生活を送っている。

周囲の誰もが彼女を本物の富豪令嬢だと信じ込み、マンハッタンの上流階級の有力者や銀行は次々と彼女の事業のために資金を提供していく。しかし、実際の彼女はロシアで生まれ、ドイツやパリで少女時代を過ごしたあとに、ニューヨークへやって来た一文無しのアンナ・ソローキン。自分のやりたい事業や叶えたい夢を自信満々に語ることで、華麗に周囲を欺いていた。

2019年、彼女はニューヨークの警察が計画したおとり捜査により逮捕起訴されると、重窃盗罪、小切手詐欺や不正融資などで有罪となった。模範的な態度が認められ2021年には出所している。

いくら説得力があり、自分の見せ方が上手かったとしても、排他的なニューヨークのハイソな世界に潜り込み、資金提供までしてもらうのは並大抵のことではない。真っ当に生きていれば、有望な起業家・ビジネスパーソンとして成功していたのではないかと思わせるほどのカリスマ性に注目だ。

『オザークへようこそ』でエミー賞を獲得したジュリア・ガーナーがアンナ役で主演し、制作陣には、『グレイズ・アナトミー』で知られるションダ・ライムズが名を連ねている。

『令嬢アンナの真実』は、Netflixにて配信中。

『ザ・プレイリスト』


音楽ストリーミングサービスの世界最大手「Spotify(スポティファイ)」の波乱万丈な創業秘話を創業者ダニエル・エクや仲間たちの目線でフィクション交じりに描くNetflixのミニシリーズ。2020年に発売された「Spotify 新しいコンテンツ王国の誕生」に基づいている。

もともとプログラマーとして非常に優秀だったダニエルは、高校時代からWEB制作などを手掛ける複数の会社を持ち、22歳までに全て売却。そのまま引退できるほどの資産を得るも、音楽業界が直面する違法ダウンロード問題に目を付け、2006年23歳のときにSpotifyを立ち上げる。

ダニエルとビジネスパートナーたちが、ライセンス契約、倒産の危機など様々な問題を乗り越えていき、音楽業界に革命を起こす。CEOになりたいという野望すらなかった彼が、海賊版の撲滅を掲げて事業を拡大していく様子は感動的。Spotifyのおかげで音楽業界は全体的に安定した収益を出せるようになり、彼が業界に与えた影響は計り知れない。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『スーパーパンプト / Uber -破壊的ビジネスを創った男-』U-NEXTにて独占配信中Super Pumped: The Battle for Uber © 2022 Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.