『グッド・ファイト』クリスティーン・バランスキー(ダイアン・ロックハート役)インタビュー「台本にガッカリしたことは一度もありません」

日本や韓国でもリメイクされた人気ドラマ『グッド・ワイフ』のスピンオフとして、2017年に誕生した『グッド・ファイト』の最終となるシーズン6が、4月17日(水)よりスーパー!ドラマTV #海外ドラマ☆エンタメにて日本独占初放送。同作より、クリスティーン・バランスキー(ダイアン・ロックハート役)のインタビューをお届けしよう。

ダイアンといえば、『グッド・ワイフ』シーズン1開始当初から登場していたキャラクター。同作を合わせて10年以上、200話超にわたって演じてきたクリスティーンが、これまでの軌跡や最終シーズンで待ち受ける新たな展開などについて語っている。

追悼会でダイアンの笑い声が使われる?

グッド・ファイト

――これまで『グッド・ワイフ』全7シーズンと『グッド・ファイト』全6シーズンでダイアン・ロックハートを演じてきていかがでしたか?

何度も言っているのですが、『グッド・ファイト』が終了することについて、実はまだ処理しきれていません。このような作品を急に失うことを、どう処理したらよいのか分からないのです。とても悲しいです。しかし、キャストやスタッフの皆にも言いましたが、見方を変えて、悲しみや後悔や怒りの気持ちではなく、私たちがこれまで長い間、この作品と過ごしてきたという事実に、深い感謝の気持ちを持って、理解しようと努めています。素晴らしい製作陣と、質の高い脚本を備えたこのような知的な作品で13年もの間、一人のキャラクターを演じることができたのですから。私が参加した『グッド・ワイフ』と『グッド・ファイト』の全エピソードは、どれもとても面白いものでした。台本を読んでガッカリしたことは一度もありません。素晴らしく独創的なエピソードもありましたし、ほとんどが驚くほどに知的でした。

俳優として参加している作品が家のような存在になってきて、それが当然のようにずっとあり続けるものだと思っていたのですが、そうではありませんでしたね(苦笑)

グッド・ファイト

――『グッド・ファイト』シーズン6開始時のダイアンの状況を教えてください。

ダイアンはイタリアでの休暇から帰国します。家に一人でいる時、街路に何か分からない明かりが見え、騒音が聞こえます。テレビを見ると抗議運動の様子が放送されていて、それを見て脅威を感じます。時差ボケで混乱もしています。

職場に復帰すると、下の階のオフィスに移動することになります。マリッサが荷解きを手伝うシーンは、まるでシリーズの最初の方の状況と似ています。『グッド・ファイト』はダイアンが全財産を失い、小さなオフィスでやり直すところから始まりましたから、彼女はまた同じことをしているような気持ちになります。自分や女性たちは、今まで何度も戦ってきたのに、今もまだ戦い続けていて、何も進歩をしていないかのように感じるのです。そして彼女は助けを求めに行きます。ケタミン治療のような、幻覚治療を受けるのです。私自身はそのような治療を受けたことがないのですが、治療によって、世界は悪い状態でただ回り続けているだけだという感覚や、不安が和らいでいくようです。新しい人間関係を築き、安らぎを見いだし、彼女の明るい一面も見ることができます。それは喜ばしいことです。彼女の心は解放されるのです。

グッド・ファイト

――ダイアンがその治療を通して知り合うライル・ベッテンコート医師との関係を教えてください。

ダイアンはベッテンコート医師の治療を受けます。彼はモーツァルトの曲を聴くようアドバイスをくれたりします。その後二人は、あるイベントで偶然会ったり、大惨事に遭ったりしたりもしますが、絆は深まっていきます。彼は文学や楽劇「トリスタンとイゾルデ」の話や、いろいろなことに言及してくれます。ダイアンにとっては、夫のカートとはできない話がベッテンコートとはできて、とても楽しいのです。カートは物静かで自制心があり、彼女はそんな彼を愛していますが、一方で博士はとても刺激的で魅惑的です。この関係性が、彼女にどのような影響をもたらすのかも見どころです。

――ダイアンの笑い声はとても独特ですが、それがどれほどの“感染力”を持つかご存知ですか?

(大笑いしながら)知らなかったです。『グッド・ワイフ』のあるエピソードのラストシーンで、私はテレビに映ったあるものを見て、面白くてゲラゲラ笑ってしまいました。するとスタッフに「そのまま笑い続けて」と言われたので指示に従ったのですが、その私の笑い声は、そのままエンドクレジットが流れる時にも使われました。

私自身の追悼会の時にもその笑い声を使うかもしれません。出棺の時に、私の笑い声が聞けると思います。それがダイアンらしいというか、私なりのユーモアです。

グッド・ファイト

――ダイアンを演じることは、あなたにとってどんな意味がありましたか?

チャック・ロリーが脚本を手掛けた2つのコメディ作品に出演しましたが、『Cybill(原題)』のマリアンのようなそれまでにない独創的なキャラクター、そして偉大な作品として語り継がれる『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』の象徴的なキャラクターであるビバリー(レナードの母親)を演じられたのは、いずれも夢のようでした。そして、キャリアを積み重ねた私の人生のこの時期に、知性、優雅さ、理性や深みのあるダイアンのような女性を演じられるなんて、これ以上ない喜ばしいことです。こんなにも暗い世の中で、この仕事に誇りを持てることに、とても感謝しています。この世は汚いことだらけですし、果てしなく愚かなことがたくさんあります。特にインターネット上はクレイジーなことであふれています。ですから、表面的に聞こえるかもしれませんが、このような機会に恵まれたことに深く感謝しています。

私は(本作のクリエイターである)キング夫婦と仕事がしたかったので、「脚本が完成してなくても、あなたたちと仕事がしたい」と言って待ちました。その数ヵ月後にようやく脚本が完成し、出来上がったのが『グッド・ファイト』でした。本当に良かったです。彼らの才能に気づいた私は賢いと思います。私は彼らに賭けたのです。

グッド・ファイト

――なぜこれほど多くの人たちがこの作品との別れを惜しんでいると思いますか?

この6年間は決して楽なものではありませんでした。パイロット版の撮影はドナルド・トランプ氏の(大統領)選挙が実施された直後に行われ、さらには新型コロナウイルスの影響を受けました。この作品は6年間、私たちのクレイジーな現実に、キャラクターを登場させてきました。だから、人々は登場人物を通して、この世界でリアルに生きているんだと感じたんだと思います。とてもスマートで想像力豊かな作品だったので、その時代で最も興味深く、説得力のある番組として語り継がれると思います。

――『グッド・ファイト』のファンにメッセージをお願いします。

言葉では言い表せない気持ちです。この作品を応援してくれる方々や、パワフルで教養があり、思慮深く、繊細で、世界をより良い場所にしようとしている多くの女性の代表のようなダイアンという女性をテレビで描いたことに、感謝してくれている方々がいます。それは世の中にとってポジティブなことです。ダイアンを愛し、感謝するということは、すべての戦う女性を愛し、感謝するということだと思います。ありがとうございます。

グッド・ファイト

1ヵ月のバケーションを終えてデモ隊が混乱を巻き起こすシカゴの街に戻ってきたダイアン。代表パートナーを辞した彼女が下の階のオフィスに移る一方、親会社STRローリーが任命した新しい代表パートナー、リシャード・レインが意気揚々と事務所に乗り込んできたことで、リズは警戒心を露わにする。一方、弁護士資格試験に合格したマリッサは張り切って仕事を始めるが、なぜかうまく言葉が出てこない症状に悩まされることに。また、麻薬王リビの窮地を救った手腕を認められたカルメンは新たなクライアントを得るが、彼から依頼されたのは汚れ仕事だった。

『グッド・ファイト』ファイナル・シーズン 放送情報

スーパー!ドラマTVにて4月17日(水)22:00より放送。
【二ヵ国語版】毎週水曜日22:00~ ほか
【字幕版】毎週水曜日24:00~ ほか

また、最終シーズンお披露目に先駆けて、過去5シーズンも字幕版・二ヵ国語版で放送される。

・シーズン1…4月1日(月)スタート(2話連続)
 【字幕版】7:00~ 【二ヵ国語版】25:00~

・シーズン2…4月8日(月)スタート(2話連続)
 【字幕版】7:00~ 【二ヵ国語版】25:00~

・シーズン3…4月16日(火)スタート(2話連続)
 【字幕版】7:00~ 【二ヵ国語版】25:00~
 ※4月16日(火)のみ【字幕版】8:00~ 【二ヵ国語版】26:00~

・シーズン4…4月23日(火)スタート(2話連続)
 【字幕版】7:00~ 【二ヵ国語版】25:00~
※4月23日(火)のみ【字幕版】8:00~ 【二ヵ国語版】26:00~

・シーズン5…4月29日(月)スタート(2話連続)
 【字幕版】7:00~ 【二ヵ国語版】25:00~

(海外ドラマNAVI)

Photo:『グッド・ファイト』ファイナル・シーズン © Paramount+, Inc. All Rights Reserved.