『SATC』原作者、Netflixとの契約でロイヤリティなし!「男性たちによる投資詐欺」

続編ドラマ『AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章』も製作され、長きにわたって熱狂的なファンに支持され続けている『SEX AND THE CITY』(以下『SATC』)。Netflixが同作を配信する権利を獲得したが、その契約は原作者にロイヤリティが支払われない内容になっているようで、原作者のキャンディス・ブシュネルが「男性たちによる投資詐欺だ」と非難している。

Netflixの新たな戦略は原作者に還元されない?

放送で親しまれた作品が、大手の動画配信プラットフォームで配信されることで再ブームとなることも多い昨今。2010年代の人気ドラマ『SUITS/スーツ』がその代表例で、2023年6月からNetflixで配信されたことをきっかけに新たなスピンオフ企画が実現したほどだ。こうした流れを受けてNetflixは非オリジナルシリーズの強化を図っているようだが、その一環として新たに目を付けたのが2000年代に社会現象を巻き起こした米HBOの大ヒットドラマ『SEX AND THE CITY』。Netflixは全6シーズンを配信する契約を新たに結んだが、原作者ブシュネルへ支払われるロイヤリティはない。

ブシュネルは当初、自身の小説の映像化権としてHBOから10万ドルを受け取り、これによって1998年から2004年まで放送されたドラマが誕生。その人気は凄まじく、ドラマ終了後も映画2本や前日譚ドラマ、続編ドラマが作られ、今では数億ドルの価値があるフランチャイズ作品へと成長した。そんなシリーズの生みの親であるブシュネルは、新たな契約に対する率直な意見を英Times紙に次のように述べている。

「物事を指揮している人たちはみな、金儲けのためにカードを動かし続けているだけで、カードを動かすたびに誰かが不正を働いている。男たちのビジネスのやり方は、ポンジ・スキームよ」と、投資詐欺の名前を出して非難した。

「女性の割合はわずか1%で、そのうち自分でお金を稼いだ割合は約3.5%。これは衝撃的」と続けて非難したブシュネル。最近では舞台での仕事に方向転換していて、ワンマンショー『True Tales of Success and Sex and the City(原題)』をスタートさせたそう。逸話と回顧録を基にしているこのステージでは、かつて親交のあったドナルド・トランプの話も盛り込んでいるようで、「当時、ニューヨークで一番の髪だった。彼は自分が望めばとてもチャーミングな人にもなれる。そうやって今の地位に辿り着いたのは明らかだけど」と話している。

原作者の権利を尊重した映像化の体制作りは世界規模の課題と言えそうだ。

日本では『SATC』とその続編『AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章』はU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline

Photo:『セックス・アンド・ザ・シティ』HBO® and related service marks are the property of Home Box Office, Inc. © 2023 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved.