クリストファー・ノーラン監督がハマったドラマとは?「まるで『ツイン・ピークス』」

第96回アカデミー賞で13部門にノミネートされている『オッペンハイマー』でメガホンを取ったクリストファー・ノーラン監督。本年度も含めて監督・脚本家・プロデューサーとしてアカデミー賞で通算8度候補となっている彼が、あるドラマシリーズを称賛した。米Deadlineが報じている。

『オッペンハイマー』で組んだキャストのドラマを称賛

その作品とは、『オッペンハイマー』にエドワード・テラー役で出演するベニー・サフディがネイサン・フィールダー(『リハーサル -ネイサンのやりすぎ予行演習-』)とともにクリエイター・製作総指揮・出演を務めたドラマ『THE CURSE/ザ・カース』だ。同作を紹介するイベントの司会役を務めたノーラン監督は、「信じられないような作品だと思う」と語り、このような作品は「ストリーミング時代の無秩序」な今しか作れないと発言。作品自体のトーンが主役だとして、デヴィッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス』のシーズン1と比較して称賛した。

「これまでテレビで見たことのないような、素晴らしい作品ができたことを祝福したい。おめでとう。前例のない作品というのは、本当に少ないものだ。まるで『ツイン・ピークス』のような、デニス・ポッターが原作・脚本を担当した映画『歌う大捜査線』のようなものに戻っている。本当に素晴らしい。クライマックスが楽しみだ」

『THE CURSE/ザ・カース』は風刺の効いたブラック・コメディ・スリラーで、2023年11月12日に米Showtimeで放送開始。ニューメキシコ州で番組を撮影する新婚夫婦が、あることで呪われたと信じるようになり、次第に奇妙な出来事に巻き込まれていく姿を描く。夫婦を演じるのはネイサンとオスカー女優のエマ・ストーン(『クルエラ』)。ベニーも番組プロデューサーとして出演している。そのほかのキャストは、コンスタンス・シュルマン(『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』)、バーカッド・アブディ(『キャプテン・フィリップス』)、ゲイリー・ファーマー(『ファースト・カウ』)など。

エマが同作の演技で第81回ゴールデン・グローブ賞にノミネートされたほか、作品自体は米Entertainment Weeklyが選ぶ2023年最高ドラマのトップ10にランクイン(9位)した。

カナダ人のネイサンは、かつてロサンゼルスで携帯電話を契約しようとした際に「現金がない」と伝えたところ、怒った店員の女性に「呪ってやる」と言われたため、ATMでお金をおろして戻ってきたら「呪いは消えた」と言われたという。このことがずっと頭に引っかかり、そのまま作品のアイデアになったそう。

ノーラン監督自身はずっと映画界に身を置いているが、いつかベニーたちや、『パーソン・オブ・インタレスト』『ウエストワールド』を手掛けた弟ジョナサン・ノーランのようにドラマ界に進出する日は来るのだろうか。

『ツイン・ピークス』シーズン1~2と映画版『ツイン・ピークス The Return』U-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline

Photo:クリストファー・ノーラン © James Warren / Famous