レオナルド・ディカプリオが出演するも打ち切りになったシットコムシリーズとは?

ハリウッドスターとして眩い魅力を放つレオ様ことレオナルド・ディカプリオ。そのレオ様でさえ、打ち切りを防ぐことができなかったシットコムがあることをご存じだっただろうか?

ディカプリオがホームレスの青年役で出演

1980年代にトレンドだった男性が家庭に入るスタイルのシットコム。そのトレンドを生み出したのは1983年に公開されたマイケル・キートン主演映画『ミスター・マム』で、突然一時解雇された夫が、慣れない家事と二人の子育てに奮闘する主夫の健闘ぶりが視聴者に刺さり大ヒット。これを受けてテレビでもこうした作品が増えるようになったが、そのひとつに1985年から1992年にかけて放送されたシットコム『愉快なシーバー家』がある。全7シーズン放送され、根強い支持を獲得していたが、最終的にはディカプリオさえ救えない事態に陥ってしまい、打ち切りになってしまった。

ニューヨーク州ロング・アイランド島のハンティントンに住むシーバー家を描く本作。精神科医のジェイソンは地元の新聞社で記者として仕事復帰する妻マギーを支えるべく、3人の子供の面倒を見るために在宅で仕事をすることに。典型的な女好きで反抗期のマイク、そんな兄とよく対立する成績優秀で知性派のキャロル、そして末っ子のベンという子供たちに加えて、シーズン4では4人目の子供クリッシーも仲間入り。料理や家事、育児まですることになったジェイソンを追う各エピソードは、毎度教訓があり、理想的な家族向けシリーズとして人気を獲得していた。

米ABCの『愉快なシーバー家』のほかにも、トニー・ダンザ演じる元メジャーリーグ選手が家事代行の仕事を受けることになる『Who's the Boss?(原題)』など、主夫を主人公にした作品が数多く製作されていた当時。どのシリーズもはじめは成功を収めていたものの、視聴者も同じようなものを見るのに疲れてしまったのか、時代の変化のせいか、次第に人気が低迷。『愉快なシーバー家』はシーズン3時点ではニールセンランキングで5位を獲得していたにも関わらず、ファイナルシーズンでは75位で終わる結果に。若い視聴者層を獲得するためにプロデューサーたちは、レオナルドを起用したものの、方向転換するには遅すぎたようで、その年に終わりを迎えてしまう。

親も子供もそれぞれ登場人物に共感できるファミリードラマとしても楽しまれ、放送開始初期は絶大な支持を獲得していた本作。当然、出演者の知名度もうなぎ上りになり、特に長男マイク役のカーク・キャメロンのブレイクは凄まじかった。カークが人気を楽しんでいた一方で、キャロル役のトレイシー・ゴールドは人気番組に出演し、その見た目をキープしなければいけないというプレッシャーに悩むことに。1988年の撮影休止期間中に体重が増えた彼女は、脚本にそのジョークを盛り込まれたほか、作中の兄弟たちからも体重についてからかわれ、さらにストレスを感じるようになってしまう。11歳で神経性食欲不振症と診断され『愉快なシーバー家』に出演しながら何年も拒食症と闘った彼女だが、ファイナルシーズンでは健康状態悪化のため休む必要に迫られてしまった。キャロルのように人気キャラクターを失うことはシリーズにとって大きな痛手であることは言うまでもない。

加えてシーズン半ばでキリスト教信者になったカークの変化も、大きな打撃に。新たに見出したキリスト教的道徳観から、自身が演じるキャラクターを変えたくなったカークは、脚本家たちにマイクの描写を変えるよう何度も説得。最終的にキャラクターに変更がなされたものの、もう出演したくないとカークが認めたことがファイナルシーズンに与えた影響は大きい。

こうした舞台裏の事実もあって、1991年までには悲惨な状況に陥っていた『愉快なシーバー家』。プロデューサーは新キャラクタールーク・バウアー役でレオナルドを投入。若い女性からの視聴率を上げることを見込んでいた。シーバー家の一員として引き取ってもらうことになったホームレスの青年という役どころで、瞬く間にファンの心を射止めたものの、沈みゆく船を救うには足りなかった。

しかしレオナルドのキャリアはこれを機に勢いづくことに。『ロミオ+ジュリエット』や『タイタニック』に始まり、最近では『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』でもタッグを組んだ名監督マーティン・スコセッシとも数々の名作を生み出してきた。

悲しい終わりを迎えた『愉快なシーバー家』だが、多くの人々の共感を呼んだ家族ドラマとして、そして現代において最も偉大な俳優のキャリアをスタートさせたドラマとして、ファンの記憶に残り続けていくはずだ。

(海外ドラマNAVI)

参考元:Collier

Photo:© babiradpicture/F.Altmann