エミー賞ほぼ独占『メディア王』スピンオフの可能性は?キャストが語る

第75回エミー賞で作品賞を含む主要4部門に輝いた米HBOの人気ドラマ『メディア王 ~華麗なる一族~』。シーズン4をもって昨年終了した同作のスピンオフの可能性についてキャストが言及している。米Deadlineが伝えた。

クリエイター続投ならグレッグ主人公のスピンオフも?

今月15日(月)に米ロサンゼルスで開催された授賞式には、『メディア王』のキャスト、スタッフが一堂に集結。ドラマの主要部門をほぼ独占した。人気・評価ともに高いこの作品が今後スピンオフとして続く可能性があるかどうか気になるところだが、グレッグ役のニコラス・ブラウンとトム役のマシュー・マクファディンがそれぞれの考えを明かしている。

コナー役のアラン・ラック、ルーカス・マットソン役のアレキサンダー・スカルスガルドらとともに助演男優賞にノミネートされていたが、マシューが受賞したことで惜しくもトロフィーを逃したニコラス。授賞式前のレッドカーペットでスピンオフについて質問され、「一度も聞いたことがないよ。それを求めている人がいるなんて知らなかった!」と言うも、「冗談だよ」とすぐに撤回。「(スピンオフについて)100回くらいは聞いた」と多くの人が待ちわびていることは知っていると明かし、自身が演じたグレッグが主人公のスピンオフが製作された場合は「やりたい」と発言。

とはいえ、無条件にというわけではなく、クリエイターのジェシー・アームストロングが関わることが重要だと考えている。「もしジェシーがやりたければ、僕もやる。そうでなければ、やらない。もし彼が僕の人生で何かしてほしいと求めることがあれば、何だってやるよ」と話した。なんとも期待が高まる発言だが「ジェシーがその視点を持っているとは思わない」と素直な気持ちを白状。「ジェシーは作品をとてもうまく締めくくった。だから、何か違うものに変えたいとは思わないよね」と、新たな作品が作られる可能性は低いと見ているようだ。

そんなニコラスらを押さえてトロフィーを手にしたマシューも、「絶対にないとは言わないけれど、可能性はものすごく低そう」とコメント。「すべてはジェシー・アームストロングがやりたいかどうか次第」とニコラスと同じ見解を示し、「ジェシーの直感と僕たちの直感では、正しい形で終わりを迎えたと思っている。完全に閉じてしまうのではなく、奇妙で恐ろしい世界で生き続けるように、ただ残してきた」と結末に満足していることを示した。「もう一度みんなと一緒に仕事ができたら素敵なことだけど、スピンオフをやるとなったら変だと感じるだろう。でも先のことは誰にも分からないからね」

そのアームストロング本人はスピンオフに関して言及していないものの、作品に対する思い入れの深さをエミー賞授賞式のスピーチで改めて語った。「当初、この作品への出演をオファーするのは必ずしも簡単なことではなかった」と話した後、「彼を中心に作品は展開してきた」とローガン役のブライアン・コックスをはじめとしたキャストに感謝している。アームストロングはまた、本国で最終話がお披露目された際にも「信じられないほど意味のある作品だったから、ストーリーにオチを付けるのは非常に邪道な気がした」と述べている。その際に、「キャリアの中で最も幸せな時間のいくつか」はこの作品のライターズルームで起きたと語る一方、「僕が本当に厳しくなれる数少ないことの一つは、作品とその誠実さを守ることだと思う」と話しており、その誠実さを貫く方法としてこのまま終わらせる形を選ぶ可能性も高い。しかし時としてファンの声は新たな作品を生み出してきたため、賞レースでの好調さもあり、スピンオフを待ち望む声は当面絶えなさそうだ。

『メディア王 ~華麗なる一族~』全4シーズンはU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline米Deadline米Deadline

Photo:『メディア王 ~華麗なる一族~』© 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO ® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.