本格アクション&極上ドラマ『エコー』前代未聞の傑作クライムドラマ誕生!【レビュー】

1月10日(水)よりディズニープラスで一挙配信される新作ハードアクションドラマ『エコー』。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品ながら、これまでに見たことのない過激作として話題を呼んでいる本作をいち早くレビュー! 裏社会で育った耳が聞こえない義足の主人公マヤの物語は、ハードなアクションだけではなく重厚な人間ドラマも楽しめる良作で、海外ドラマファンにこそおすすめしたい一作だ。

『エコー』レビュー

<裏社会で育った怒れる一匹狼マヤ・ロペスの復讐>

全5話一挙配信される本作の主人公は、生まれた時から耳が聞こえなかったマヤ・ロペス。ある夜、事故に遭い母を亡くしてしまう。なんとか命は助かったものの片足を失い義足での生活を送ることになったマヤは父と二人でニューヨークへ。そこで町を牛耳る裏社会の帝王キングピンこと、ウィルソン・フィスクに出会い、多忙な父に代わり多くの時間を過ごすようになる。

こうして裏社会に足を踏み入れることになったマヤ。キングピンの傍で観察眼を磨き、格闘技に励み、強く生きる力を身に着けるが、ある日、キングピンが密かに差し向けた暗殺者ローニンによって父を殺されてしまう。「自分も父を殺され怒りを理解できる」と言っていたキングピンを信じてきたマヤだったが、衝撃の真実を知り狼狽。怒った彼女はキングピンへの復讐を実行する―。

その後、長らく疎遠だった家族のいる故郷に20年ぶりに戻るが、そこにもキングピンの力が及んでいた。キングピンに代わり新たに裏社会の女帝として君臨しようとするマヤだったが“帝王殺し”として賞金を懸けられ追われる身に。これまで孤独に生きてきた彼女が家族と再会し、見せ始める変化。彼女は何のために、誰のために戦うのか。本当に戦わなければいけないのか? これまで一匹狼のように生きてきた彼女だったが、その問いは自身のルーツにも遡り、周りを巻き込んでいく。

<キレ味鋭いハードアクションとルーツを辿るヒューマンドラマの黄金比>

MCUに属する作品ではあるものの、これまでとはまったく異なるスタイルを見せている本作の特徴のひとつは、ハードなアクション。耳が聞こえないマヤがどのように感覚を研ぎ澄まして戦っているのか、光を巧みに操ってマヤが見る世界観を描き出しながら、喧噪と静寂を交互に映し出すユニークなアクションシーンは圧巻。第1話冒頭に長回しで描かれる金網越しのファイトシーンでは静けさが緊張感を高め、息をすることも忘れてしまうほど。間違いなく本作の見どころのひとつと言える。

一方で、複雑な過去をもつマヤの人間ドラマもみどころ。父や母だけでなく親戚や近所まで大きな家族であることを大切にするコミュニティで育ってきたマヤが一体なぜ、故郷を離れ大都会の裏社会に辿り着くことになったのか。マヤの壮絶な人生が明らかにされていく。悲惨な事故や両親との別れを乗り越えるため、強く生きるしかなかったマヤ。唯一の理解者として信じてきた男に裏切られたことで、再び自分を見つめ直していくその姿に心が動かされる。

さらにキングピンのマヤに対する歪んだ愛情も、本作に欠かせないエッセンス。過去との対峙が重要なテーマになっていて自分がどこから来たのか、ルーツを辿りながらアイデンティティを模索する姿も共感なしでは見られない。点と点が結ばれてタイトルの“エコー”の意味が明かされる時、心が揺さぶられるに違いない。愛とは何なのか、そして家族とは何なのか、深く考えさせられるドラマとアクションのバランスが絶妙で、全5話とコンパクトながら鑑賞後の満足感は重量級。良質で重厚なクライムアクションは目の肥えた海外ドラマファンにこそ見てほしい一作だ。

<最強のファイター誕生を導いた新星アラクア・コックス>

海外ドラマ史上類を見ない最強のファイター、マヤ・ロペスを演じたのは新星アラクア・コックス。エコー役を演じるまで演技経験がまったくなかった彼女だが、役に対する熱い思いが実ってオーディションに合格した。「耳の不自由な先住民のオーディションを友達が教えてくれた。一度は断ったのだけど、他の友達二人にも勧められて応募することにしたの」ときっかけを明かしたアラクア。「俳優になるとは思ってもみなかった」と言う通り、センセーショナルなデビューになった。

マヤはレザージャケットで颯爽とバイクにまたがり、ちょっとの傷であれば自分で治療するタフな役どころ。映画顔負けの本格列車アクションシーンなど、難易度の高いアクションにも挑戦している。その戦闘スタイルにも、手話で使う手を守るために、拳を使ったパンチではなく肘鉄を使う、といったこだわりが詰まっており、リアリティのある描写にも注目したい。

オーディションで発掘され、キャラクターと運命的な出会いを果たしたアラクアの周りを固めるキャスト陣も個性豊か。キングピンことウィルソン・フィスク役はヴィンセント・ドノフリオが熱演し、映画「トワイライト」シリーズなどで知られるチャスク・スペンサーや『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』『フロンティア』などで知られるタントゥー・カーディナルなども勢揃い。さらにチャーリー・コックス演じるキングピンの宿敵デアデビルもカメオ出演を果たしている。全5話一挙配信でイッキ見にもおすすめな『エコー』。これまでにない新感覚クライムアクションドラマをぜひ堪能してほしい。

(Kanako)

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海外ドラマ好きにディズニープラスがおすすめな理由
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Photo:『エコー』ディズニープラスにて独占配信中©2024 Marvel