『REBEL MOON』ぺ・ドゥナにインタビュー!「国境と言語を超えて人間の心の内側を表現したい」

ザック・スナイダー監督のSFスペクタクル映画『REBEL MOON』が動画配信サービスNetflixにて12月22日(金)より独占配信中。本作は、『ジャスティス・リーグ』で知られるザック・スナイダー監督が20年以上構想し、黒澤明監督の名作『七人の侍』からインスパイアを受け創造したSFスペクタクル巨編だ。今回、肘から先に機械の義手を装着した二刀流の剣士・ネメシスを演じるぺ・ドゥナにインタビューし、演じる際に意識していることや衣装のこだわりなどについて語ってもらった。

【インタビュー】『REBEL MOON』ネメシス役ぺ・ドゥナ

――『REBEL MOON』がいよいよ配信開始しますが、日本では今年ぺ・ドゥナさんが出演する『あしたの少女』という作品も公開されています。2作を比べると規模もジャンルも全然違って興味深いなと思ったのですが、俳優として撮影に臨む際にどのようなことを考えているのでしょうか?

私は基本的に好みや趣向が一つというわけではないんです。本当に小さい作品でも、人間の内面をきちっと表すようなそういう作品に惹かれることが私の趣向の中の一つ。反面ファンタジーという部分で、私達の頭の中で想像はしても一度も見たことがないようなものを具現化するという特別な場を提供するのは映画だと思っていて、これに対して美徳と考えます。

今回の『REBEL MOON』に関しては、企画もそうですが規模やCGIに惹かれるものがありますし、ハリウッドのSFXは歴史があるのでどうやって作られるんだろうという好奇心があって、近くで実際に覗き見たいという欲望もありました。

趣向は多種多様で、例えば前作品でちょっと憂鬱な暗い映画をやった場合、次の作品では活動的で楽しく楽しいものに惹かれやすくなりますし、とにかくいろいろとチャレンジしていきたいなと思っています。

映画の役は私が受けられる役しか受けません。心を伝えられる、そういう演技ができる役ですね。私は国境や言語、自分の言葉を超越して、心で通じ合える部分があると思っていて、そういう表現ができるものに惹かれます。

例えば過去に出演した日本映画の『空気人形』や『リンダ リンダ リンダ』は、日本語ですが私の拙い言葉であっても、皆様に私の感情というものを受け取っていただけて、視聴者の方に届いたのかなと思っています。

例えば一つのシーンで、全く感情が出ないようなものであれば、受けることはしないと思います。ネメシスもあまり感情のないように思う方もいるかもしれませんが、ネメシスはPART 1よりもPART 2で心の内というのを表現するシーンがたくさん盛り込まれています。本作でもやはり国境と言語を超えて人間の心の内側を表現するということを大切にして、いろいろな国の人たちに伝えられればと思っています。

『REBEL MOON』ぺ・ドゥナ

――ネメシスは戦士でありながら、敵の死を悼むというキャラクターです。矛盾にも感じられるようなネメシスの行動に説得力を持たせているのは演技力の賜物かと感じたのですが、その背景をどうやって解釈して演じられたのでしょうか。

実は私もPART 1の時点では視聴者の皆様にどうして復讐したいと思っているのかという背景が伝わらない可能性はあるなと思いました。ただPART 2まで見ていただければわかっていただけると思います。

例えば蜘蛛の戦士であるハーマーダは、人間のせいで子どもを産めなくなったという背景があって、復讐の化身になりながらも同情できる部分があると思うんです。このアイデンティティの部分でいうと、ネメシスもそういった背景を持っていてPART 2で詳しく描かれます。正義と復讐の狭間で揺られるハーマーダと共通した部分を見ることができるのではないでしょうか。

『REBEL MOON』ぺ・ドゥナ

――ネメシスの衣装やメイクがとても素晴らしいと思いました。記者会見で、歴史ドラマなどで見るような男性の衣装をモチーフにしているというお話しがありましたが、詳しく教えていただけますでしょうか。

初日にワードローブに入ったときに、朝鮮時代の伝統帽子「カッ」が用意されていて。これは両班(ヤンバン)のような貴族や学識のある方たちがかぶる帽子で、当時は女性がつけられないものだったんです。カーストの高い人しかかぶれない帽子を被ることが出来たので、何か超越したような感じですごい気持ちが良かったです。

また衣装については、メインで担当されているステファニーさんが、私がキャスティングされてから韓国的なポイントを探して取り入れてくださったようで。チョゴリ(上衣)の襟のところにデザインを入れていただきました。それがとても素敵なので私が意見を出した部分はないんですけど、パジ(袴)の方にはちょっと意見を出しました。

元々サイバーチックでかわいらしい短めの足首が見えるようなものだったんですけども、コムド(剣道)の道着の写真を見せて「こんな感じはどうですか?」と提案しました。足首が見えると、次どういう動きをしようかというのが見えちゃうじゃないですか。長くすることで、次どういうムーブメントをするか見えなくした方が、戦闘シーンにおいて本格的なような気がしたので、意見を出しました。

『REBEL MOON』ぺ・ドゥナ

Netflix『REBEL MOON』配信情報

Netflix映画『REBEL MOON — パート 1:炎の子』は12月22日(金)より世界独占配信(作品ページはこちら)。なお『REBEL MOON — パート 2: 傷跡を刻む者』は2024年4月19日(金)に配信予定。(海外ドラマNAVI)


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