『黒いジャガー』リチャード・ラウンドトゥリーが死去。サミュエル・L・ジャクソンらが追悼

1971年の映画『黒いジャガー』で主人公である探偵ジョン・シャフトを演じ、その後もTVシリーズなどで同役に扮したリチャード・ラウンドトゥリーが81歳で亡くなった。米Deadlineなど複数のメディアが伝えている。

初の黒人アクションヒーローでブラックパワーの象徴

リチャードは今月24日(火)の午後、ロサンゼルスの自宅で家族に見守られながら膵臓ガンのため息を引き取ったという。リチャードは1993年に乳ガンと診断され、男性の乳ガンの危険性を訴えていた。

1942年にニューヨーク州で生まれたリチャードは、モデルを経て俳優の道へ。映画デビュー作となった1971年の『黒いジャガー』が大ヒット。リチャード演じる初の黒人アクションヒーローはブラックパワーの象徴となり、アイザック・ヘイズが作曲した「黒いジャガーのテーマ」はアカデミー賞歌曲賞に輝いた。それを受けて、1972年の『黒いジャガー/シャフト旋風』、1973年の『黒いジャガー/アフリカ作戦』と映画3部作が作られたほか、1973年から1974年には米CBSにてTVシリーズが放送された。リチャードはその後、サミュエル・L・ジャクソンがシャフトに扮した映画2本にも特別出演している。

シャフト役が印象的なリチャードだが、その後も150本を超える映画やドラマに出演。ドラマでは『ROOTS/ルーツ』『エイリアス』『デスパレートな妻たち』『HEROES/ヒーローズ』『ファミリー・ストーリー ~これみんな家族なの?~』、映画では『セブン』『BRICK ブリック』『ハート・オブ・マン』といった作品に参加していた。

リチャードの訃報を受けて、サミュエルがコメント。Instagramに『シャフト』で共演した時の画像を載せ、「リチャード・ラウンドトゥリー、あなたこそが模範だ。これ以上ないくらいの!! 私たちが知るシャフトはこれまでもこれからも永遠に彼が作り出したものだ!! 彼を失ったことで、私の心だけでなくみんなの心にも大きな穴が空いていることだろう。愛してるよ、ブラザー。きっと今頃は天国の大通りをあの長いコートを風になびかせながら歩いていて、アイザック(※2008年に死去)があなたの曲を流しているんだろう」といったメッセージを添えていた。

2010年代にドラマ『Being Mary Jane(原題)』でリチャードと共演していたガブリエル・ユニオンは、「彼と一緒に働くのが夢だった。あのドラマで彼とともに過ごした時間はいつだって最高だったし、素晴らしいストーリーと笑いに満ちていた。彼はいつだって誰よりもクールで最高のバイブスの持ち主だから、文字通りみんなが彼に会いたがった。とにかく最高の人でみんなから愛されていたわ。どうぞ安らかに」と綴った。

『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』のクローデット役などで知られるシェリル・リー・ラルフは、憧れの存在だったリチャードと会った経験を振り返っている。「10代の頃、いつか彼に会いたいと夢見ていたわ。そしてついに会った彼は、本当に素晴らしい人だった」

映画スターにとどまらない多大な影響を与えたリチャード。その冥福を祈りたい。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline米People米Rolling Stone