『X-ファイル』は『羊たちの沈黙』から影響を受けていた!

1993年から9シーズンにわたって放送された人気SFドラマ『X-ファイル』。映画版2本が公開され、続編リブートとして『X-ファイル 2016』と『X-ファイル 2018』も製作されたシリーズが、サイコ・サスペンス映画『羊たちの沈黙』から影響を受けていたことが分かった。

『羊たちの沈黙』クラリスがモデル!

『X-ファイル』は、全米各地で起こった科学では解明できない不可解な事件に、FBI捜査官のフォックス・モルダー(デヴィッド・ドゥカヴニー)&ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン)が挑んでいく姿が描かれる。UFOやエリアンの存在を信じるオカルト愛好家のモルダーと、医師で科学の教えに従うスカリーという凸凹コンビのケミストリーも大きな見どころの一つとなった。

The Wrapによると、ジリアン・アンダーソン演じるスカリーは、『羊たちの沈黙』(1991年)の主人公で、新米FBI捜査官のクラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)がモデルになっているという。クラリスは、連続殺人鬼ハンニバル・レクターから助言を受け、猟奇的な殺人を繰り返すバッファロー・ビルを追い詰めていく。

クリエイターのクリス・カーターは過去のインタビューで、「ダナ・スカリーが、『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリングのような赤毛なのは偶然ではありません」と語り、クラリスがスカリーのインスピレーションの源だと明かしている。

実際、ジリアンの出演契約には、「他の作品でFBI捜査官を演じることを禁じる」条項があり、『羊たちの沈黙』の続編映画『ハンニバル』(2001年)でクラリスを再キャストすることになった際、ジリアンは候補として除外に。その続編では、『アリスのままで』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたジュリアン・ムーアがキャスティングされた。

なお、ジリアンは映画でクラリス役を演じる機会は逃したが、ハンニバル・レクターを主人公にしたドラマ『ハンニバル』シーズン2&3で、番組のオリジナルキャラクターとなる精神科医のベデリア・デュ・モーリア博士を演じている。

また、『X-ファイル』の放送開始当時、医師で科学者でもある主人公の女性キャラクターは極めて稀で、「スカリーのようになりたい」と憧れた若い女性たちが科学やテクノロジー、工学や医学の分野を目指すケースが増加し、「スカリー効果」と呼ばれた。(海外ドラマNAVI)

Photo:『X-ファイル』(C)1993 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.