Netflix『ONE PIECE』、いかに悪魔の実のパワーを実写化したのか?

同名少年漫画をNetflixが実写ドラマ化した『ONE PIECE』では、原作に登場する悪魔の実を食べたキャラクターの身体に起こる変化が忠実に描写されている。そのシーンをどのように撮影したのか、エピソード監督が明かした。

ルフィ、バギーの特長を生かすための工夫

物語の主人公モンキー・D・ルフィは、悪魔の実の一つである“ゴムゴムの実”を食べたことで、身体をあらゆる方向に伸ばすことができるようになる。米Entertainment Weeklyの取材にて、最初の2話で監督を務めたマーク・ジョブストが、いかにルフィの身体の伸縮を見せるかが技術的に最大の課題の一つだったと語った。

「この件については何度もミーティングを繰り返して、その問題を解決するために何度もテストを行い、話し合いの場もたくさんもうけました」と振り返った監督によると、ルフィのゴムゴムの力を捉える鍵は、身体の伸縮に合わせてカメラを動かすことだったという。さらにジョブストはアルビダの戦いのシーンを例に挙げ、「ストレッチのスキルを見せるというよりは、彼が伸縮を楽しんでいる様子を見せることが重要で、彼が腕を伸ばすのに合わせてカメラを一緒に動かしました」と説明した。

また、ルフィとゾロが海軍大佐モーガンと一戦を交えるシーンについても言及。「モーガンの場合は、カメラを使って彼の動きのエネルギーを伝えることが鍵でした。ルフィのゴムゴムの鞭が炸裂するシーンでは、カメラをモーガンとゾロに合わせた状態でモーガンを可動式の板に載せておいて、カメラが近づくと同時に(鞭を食らった)モーガンがはじき飛ばされるようにしました」と、撮影テクニックを説明した。

そして、“バラバラの実”を食べた道化のバギーとの戦いでは、バギーが自分の四肢をバラバラにして、その身体の各部分を使ってルフィたちを個々に攻撃するのだが、そのシーンの裏話も披露している。「義肢装具士のヤコが、手を入れたらグリーンスクリーンで腕を隠すことができる白い手袋を思いついたんです。それを使うと他の四肢を見せずに手を操作することができました。その方法で少しの間やってみたんですが、リハーサルを始めると、常に人間の身長の範囲内での操作に限られてしまうことに気づきました。最近の観客は非常に目が肥えていてあのままではどういう仕組みかに気づいてしまうでしょうから、そこを乗り超えるのが非常に大切なことでした。僕たちは手脚を高い場所や低い場所、そしてあらゆる方向から動かす別の方法を見つける必要がありました」と、撮影で経験した苦労を語った。

なお悪魔の実については、原作者の尾田栄一郎から製作チームに宛てて「“悪魔の実”に関する変更は厳禁」とのお達しがあったことも明らかになっており、そのシーンを実写化するにあたっては細心の注意が払われたようだ。

実写版ドラマ『ONE PIECE』はNetflixにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly

Photo:Netflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』独占配信中