『グッド・ドクター』シーズン6、主人公ショーン役フレディ・ハイモアにインタビュー!

『チャーリーとチョコレート工場』のチャーリー役で天才子役と言われ、その後も映画やドラマで活躍するフレディ・ハイモア。そんな彼が主演・製作も務める大ヒットヒューマン・メディカルドラマ『グッド・ドクター 名医の条件』

大人気作品でありながらシーズン7で終了することが決定している本作のシーズン6(全22話)では、フレディの演じる主人公ショーン・マーフィーの医師としてのキャリアも、一人の人間としての人生も大きく動き出す。ショーンの物語と本作の今後について、フレディに直接話を伺った。

『グッド・ドクター』フレディ・ハイモア【インタビュー全文】

記念すべき100話目について

——まずはシーズン6への更新、おめでとうございます。

ありがとうございます。

——シーズン6の第6話「Hot and Bothered(原題)」で記念すべき100話目を迎えました。TV業界で100話達成というと、大ヒット作品と言われるわけですが、その撮影の日のことを教えていただけませんか。

1話ずつ毎回こなしていったらいつの間にか100話目になっていて、びっくりしましたし、「もう100話か」と不思議な気分になりました。スタッフとキャストと一緒にお祝いできたのも嬉しかったです。それに、監督もしていたエピソードでもあるので感慨深いです。

——ショーンとしての出番もたくさんあり、監督や脚本家も務めていてとても忙しいですね。この作品は、ショーンという一人の人間の成長物語としても十分成立していますし、メディカルドラマとしても完璧です。2つのドラマを1つにしたようなもので、どちらの観点からも楽しめると思いますが、その点に関してはいかがですか。

2つの作品という表現は面白いですね。いつも思っているのは、自閉症スペクトラム・サヴァン症候群を抱えるショーンがどのように社会で成長していくのかという点です。メディカルドラマなので、患者の生死を描くことも多いですが、そのこと自体が本質ではなくそのような瞬間を経験することでショーンがどう思うのか、どう変わるのかというのを描けていると思います。

ショーンや他のキャラクターにとっても、メディカルドラマというのは素晴らしいジャンルです。病院では常に色々なことが起こっていますが、実はそこ以外に重点を当てていると思っています。

「希望を持てるような物語」

——主演、監督、脚本、プロデュース、そしてドラマ内ではお得意のスペイン語も披露しています。本作で、他にやりたいことなどはありますか。

毎年大変だなと思っているのは、ショーンの変化を演じることです。シーズン5では、ショーンとリアは結婚しますし、それまでにも二人は色々なチャレンジを乗り越えてきました。他のメインキャラクターたちにも様々なこともありました。

そのような状況の中で、ショーンが成長していく姿を精一杯描き、演じようと思っています

——本作は世界中で大ヒット作となりました。成功の秘訣は何だと思いますか。

そうですね。ただただラッキーだったと思います(笑)理由はわかりませんが、視聴者の皆さんがそれぞれのキャラクターに親しみを持ってくれたのだと思います。

この作品はメディカルドラマで、悲劇的なことが起こることが多いです。でも、全体を通してみると希望を持てるような物語だと思うんです。特に今の現実社会、パンデミックもありましたし、世界的に暗いニュースを耳にする中で光を見出せるような作品です。

視聴者のみなさんは、それで毎週放送を楽しみにしてくれているのではないかと思います。でも実際のところわかりません。やっぱりラッキーだっただけかもしれないです(笑)

ショーンの役作り「5年間で変化しながら確立」

——5シーズン終わりましたが、ご自身はショーンと似ていると思いますか。

ショーンと私は全然違うタイプの人間です。でも、彼のことは大好きです。長く一緒に過ごしてきた親友のような感じがします。

1年のうち9ヶ月をロケに費やしているので、それを5年繰り返していくとやはりキャラクターに親近感は湧きますよね。

——この5年間、ショーンの役作りはどうやっていますか。

スタートする前に自閉症スペクトラムのことも研究しましたが、その勉強は継続して続けています。ショーンという人間もこの5年間で変化を遂げながら確立したと思います。

そんなショーンを演じられてとても幸せです。またショーンのようなキャラクターを演じる使命も感じています。

シーズン6の1話は忘れられない

——以前、ショーンが、人間の“善”の部分に注目する点を賞賛していました。シーズン6の最初のエピソードはショーンにとって非常にショッキングな内容になっています。人間の“善”の部分を信じていたショーンはどうなるのでしょうか。

あれはショーンにとって非常にインパクトのある出来事になります。特にリムとショーンに起こることは興味深いでしょう。現実を否定して閉じこもってしまうようなこともあるでしょう。

——シーズン6の第一話は深い感動的なストーリーになっていますね。俳優としても視聴者と同じようにそう感じますか。

第一話は、きっと誰もが忘れられないようなものになっていると思います。シーズン6全部を見終わった後でも思い出すような内容ですね。結婚式は素晴らしかったのに、いきなりあれですから。ショーンは人と違う視点から世界を見ています。

でも誰もが皆似ている部分とそれぞれ違う部分があるのです。私自身もショーンと同じだと思うこともありますしね。

自閉症の代表のような存在を演じる責任を感じていた

——この作品の前にサイコサスペンス『ベイツ・モーテル』でも主演し、殺人鬼ノーマン・ベイツを演じましたね。ノーマンとショーン・マーフィー、どちらが演じていて難しいですか。

どちらも全然違う役で、それぞれの難しさがあります。両方演じていてやりがいを感じるものです。ただショーンに関しては、初期のころは特に、自閉症スペクトラムのコミュニティの代表のような存在を演じる気がして、責任を感じていました。僕の演じ方が正しいか間違っているかは別としても。

両作品ともに同じバンクーバーでのロケですが、寒いのでほとんどの撮影が室内の『グッド・ドクター』の方がスタッフはきっと喜んでいると思います。『ベイツ・モーテル』では、寒い真夜中で死体の入った袋を引き摺り回したりしていたので(笑)

―−6年もメディカルドラマに出ていたら、多少なりとも医療の知識が身に付くと思いますが、いかがですか。6年前よりきっと色々知っていますよね。

皆そう言うんです(笑)でもそうじゃないから、もっと勉強するべきだったなと思うんです(笑)

——今の方が、病気や怪我に対して過剰に反応しますか。それとも大したことないと思うようになりましたか。

今の方が、気にならなくなりました。ドラマではものすごく大変な状態の患者さんがたくさん出てくるので、それに比べると大したことないですよね。普段は、“生きるか死ぬか”というような状態の病気や怪我はあまりしませんからね(笑)

(取材・文/Erina Austen)

『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン6、WOWOWにて10月25日(水)放送・配信

\洋画&海外ドラマ見るなら!/

>> 詳細

Photo:『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン6(c) 2023 Sony Pictures Television Inc. and Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved. THE GOOD DOCTOR – ABC’s “The Good Doctor” stars Freddie Highmore as Dr. Shaun Murphy. (ABC/Art Streiber)