『ホワイト・ロータス』ジェニファー・クーリッジ演じるタニアがまとう衣装のこだわり

米HBOのブラックコメディドラマ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』。このドラマで衣装デザイナーを務めたアレックス・ボヴェールが、ドラマを成功させるための衣装作りのこだわりについて語った。(米The Hollywood Reporterより)

※この記事は、『ホワイト・ロータス』シーズン2のネタバレを含みます。

「海の生き物みたいに見えるように」

ボヴェールが語ったのは、シーズン2の最終話でタニア(ジェニファー・クーリッジ)が命を落とす場面でまとっていた花柄のドレスのコーディネートについて。

プッチーニの曲が流れる中、海を漂うようなタニアの最期が描かれたが「クラゲや、海の生き物みたいに見えるようにしたかったのです」とボーヴェアードは衣装の狙いを説明。

思い描いた絵を実現するため、タニアの最期の衣装には技術的な要素が求められたという。「彼女が海に落ちるとき、ドレスが頭の上まで広がらないようにしたいと思っていました」と彼女は振り返る。「釣り用の重りを入れて、水の中に入ってもドレスが広がらないようにしました。そうしないとお世辞にも美しいとは言えないシーンになってしまいます。しかし、ドレスがエレガントに浮き上がるショットも狙っていたので、その重さを軽減させる必要があり、試行錯誤連続でした」

身に着ける小物にもこだわりが

ジュエリーはシチリア島のタオルミーナという町で「地元のアーティストから」購入したそうで、「誰もがバカンス中には何かを買う、というアイディアを取り入れたいと思っていたので、彼女が現地の店で購入したという設定のために用意しました」と明かしている。

花柄のドレスに合わせて、タニアはヴァレンティノのハンドバッグを持つが、これにももちろん意図があった。「彼女が注目すべきデザイナーのバッグを持つことは重要なことでした」とボヴェール。今シーズン、衣装チームはイタリアのブランドに傾倒していたため、ヴァレンティノは「ピッタリで、ロマンチックで、彼女はその鮮やかなピンクのハンドバッグをボディアーマーのように身につけているのです」

他にもケイト・スペードのカクテルリングやベッツィジョンソンの靴など、タニアが身に着けているものひとつひとつに注目して、彼女のキャラクター性と照らし合わせてみると面白い。

タニアは“クレイジー・レディ”ではない

シーズン2では、タニアが「私は母の着せ替え人形だった」と話す場面があるが、実はこの言葉を表現するようにタニアの装いは変化しており、ボヴェールは「私たちはそんな儚げなタニアを少しでも取り戻したいと思っていました。最後の数着はとてもベビードール的なものになっています」と説明する。

また、ボヴェールはジェニファーとタニアのルックスについて話し合ったといい、「ジェニファーは、タニアが“クレイジー・レディ”ではないことを確認していました」と明かして、エレガントさを持たせると同時に少し混沌としているようにも見せるという絶妙なバランスを狙ったことも明かした。

『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』シーズン1~2はU-NEXTにて独占配信中。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル』シーズン1© 2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc./シーズン2 © 2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.