『スター・トレック』フランチャイズの制作チームが長年にわたって温めていたミュージカルエピソードが、ついに『Star Trek: Strange New Worlds(原題)』シーズン2でリリースされた。いかにして同エピソードが実現したのかについて、ショーランナーが明かしている。
囁きを受けて、撮影の半年前から準備
本国アメリカで8月3日にお披露目されたシーズン2第9話「Subspace Rhapsody(原題)」では、U.S.S.エンタープライズの乗組員であるキャプテン・パイク(アンソン・マウント)、ナンバー・ワン(レベッカ・ローミン)、ウフーラ(セリア・ローズ・グッディング)、スポック(イーサン・ペック)らが量子確率場と遭遇。彼らは、常に誰もが歌ってしまうパラレルワールドのルールに操られていることに気づき、ラアン(クリスティーナ・チョン)やナース・チャペル(ジェス・ブッシュ)といった感情を隠そうとする人にも問題が起き、その現象がほかの宇宙艦にも広がり始めると、さらに問題が大きくなっていく展開となる。
以前、『バフィー ~恋する十字架~』にインスパイアされてミュージカルエピソードを制作したいと述べていたショーランナーのアキヴァ・ゴールズマンが、シーズン2第9話で実現に至った過程を説明した。「シーズン2が始まった時、グレムリンのような小さな声が“音楽、ミュージカル、ミュージカル”と僕に囁き続けていたんです。(共同ショーランナーの)ヘンリー(・アロンソ・マイヤーズ)は“まだ、まだだ”と言い続けていましたが、僕たちはストーリーを試行錯誤していて、ある程度はキャラクターアークがどこにあるのか分かっていました。それから嬉しくも恐ろしくもあったのですが、第9話でエモーショナルな何かする必要があるいうアイデアとミュージカルのアイデアが一致したんです」
ミュージカルエピソードは撮影の6ヵ月前から準備に取り掛かったとのことで、キャストはダンスのリハーサルや歌のレッスンなどに時間を費やしたようだ。第9話を監督したダーモット・ダウンズも、かねてより同エピソードをミュージカルのように撮影したいと考えていたのだという。
マイヤーズは、「数多くの人が協力して仕事は大変でしたが、朝起きて、きっと誰もがミュージカルエピソードはバカバカしいものになると予想しているだろうと思ったのを覚えています。だから、みんなを驚かせて、胸が張り裂けるような感動的なものにしなくてはと思いました」と振り返っている。
また、スポック役のイーサンは歌のシーンをやり遂げる自信がなかったそうだが、マイヤーズは、「彼はかなり深い声のバリトンで、みんなを驚かせて最高でした」ともコメントしていた。
『Star Trek: Strange New Worlds』はシーズン2最終話が米Paramount+にて8月10日(木)に配信され、すでにシーズン3へ更新されている。(海外ドラマNAVI)
'Star Trek' producers Akiva Goldsman and Henry Alonso Myers explain how the franchise pulled off its first musical episode. And, yes, they looked to 'Buffy' as inspiration. https://t.co/wGbn7SPLsO
— Entertainment Weekly (@EW) August 3, 2023