ディズニーCEO、脚本家・俳優組合のストライキは「現実的ではない」「非常に不愉快」と発言

映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)は、全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)との新契約が合意に至らなかったため、7月14日午前0時をもってストライキに突入した。SAG-AFTRAは、すでに5月上旬にストライキを開始していた全米脚本家組合(WGA)とともにピケを張ることになる。その展開に、米ディズニーのボブ・アイガーCEOが懸念を示している。

久々のストライキはタイミングが悪すぎ?

米Varietyによると、米CNBCの番組『Squawk Box(原題)』に出演したアイガー氏は、ハリウッドでストライキを行っている脚本家・俳優の組合が抱く期待は「現実的ではない」と意見している。「私にとっては非常に不愉快ですね。我々はこのビジネスに対する破壊的な力と業界が直面しているすべての課題、新型コロナウイルスからの回復について話をしましたが、完全に元へ戻ったわけではありません。今は、その混乱をさらに加速するには最悪の時期です」

コロナ禍では映画やテレビ番組の制作延期や一時中止が相次ぎ、映画館での公開が見送りになるなど、ハリウッドのエンターテインメント業界は甚大な被害を受けた。そのダメージから完全に回復していない中で両組合が同時にストライキを行えば、さらなる打撃は避けられないため、アイガー氏は「ストライキを始めるにしても時期を見極めるべきだ」と言いたかったようだ。

さらに同氏は、「組合員のために最大限の報酬を得て、自分たちが提供する価値に基づいた報酬を公平に受け取りたいという、労働組合の要望は理解しています」とし、過去に全米監督協会(DGA)とうまく交渉できたことを例として挙げている。一方で、「我々は脚本家、俳優とも同じことをしたいと思っていました。彼らはある程度の期待を抱いていますが、それは現実的ではありません。彼らは、この業界がすでに直面している、率直なところ非常に破壊的とも言える一連の課題に、さらに追い打ちをかけているのです」と、AMPTPの方向性とは相容れないと語った。

またアイガー氏は、両組合のストライキがエンターテインメント業界だけでなく、その業務を支える企業や人々、地域社会に与える影響も懸念していると述べた。

SAG-AFTRAのストライキは1980年代が最後となり、さらに両組合が同時にピケを張ったのは1960年以来、63年ぶり2度目。SAG-AFTRAとWGAのストライキが早期解決となることを願いたい。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Variety