大人気シットコム『フレンズ』は1994年に放送開始から30年近くの年月が経ったが、時代の変化に伴い、番組を不快に感じる人もいるようだ。レイチェル・グリーン役を演じたジェニファー・アニストンが、「コメディの進化」について語っている。
当時は今のような感受性はなかった
『フレンズ』は、ニューヨークに暮らす男女6人の恋や友情がユーモアたっぷりに等身大で描かれたシリーズ。当時は世界中で絶大なる支持を得ていたが、多様性が重視される現代では、主要キャスト6人全員に白人俳優がキャスティングされたことが批判の的となっている。
米APのインタビューで、そういった点を踏まえてジェニファーが、「『フレンズ』のエピソードを観て不快に思う世代の人々や若者がいるんです。(多様性の欠如が)決して意図的ではない場合もあれば、そうでない場合もありました…。よく考えるべきでしたが、当時は今のような感受性はなかったと思います」と、時代の感覚が違ったと発言。
昔のジョークは今は許されない
またジェニファーは、こう続けている。「コメディは進化しているし映画も進化しています。今は少し微妙な時代なので注意しなければなりません。それはコメディアンにとっては非常に難しいことなんです。なぜならコメディの美しさは自分をバカにして、自分の人生をネタに笑うことですからね。かつては偏屈であることをジョークにして笑いを取れたし、それが面白かったんです。そして、いかに人々が馬鹿げているかを教えるジョークだったはずが、今はそれが許されないのですから。誰にでもユーモアは必要です! 世界にもです! 自分たちのことをあまり深刻に取ってはいけないと思います。特にアメリカでは。みんながあまりにも分断されすぎていますから」
以前には、共同クリエイターを務めたマルタ・カウフマンが「多様性の欠如に対する周囲の批判は正当」だと認め、「この20年で多くのことを学びました。罪悪感を認めて受け入れることは容易ではありません。鏡の中の自分を見るのは辛いです。25年前の自分に配慮が足りなかったことを恥ずかしく思っています」と述べていた。
なお、『フレンズ』は放送開始から25周年を記念し、主要キャスト6人が同窓会番組『フレンズ:ザ・リユニオン』で集結した。『フレンズ:ザ・リユニオン』と『フレンズ』シーズン1~10はU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『フレンズ』(C)Warner Bros. Entertainment Inc