『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第1話レビュー、ターガリエン家が抱える問題

空前のメガヒットを記録した『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚を描く『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』がついにスタート。ジョージ・R・R・マーティン原作の「炎と血」を壮大なスケールで映像化した本作の物語はどのような道筋を辿っていくのだろうか? 第1話「ドラゴンの後継者」ですでに様々な伏線が張られている。

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の物語の舞台となるのは、“狂王”と恐れられたエイリス・ターガリエン2世の死と、のちに“ドラゴンの母”としてその名を轟かせることになるデナーリス・ターガリエンの誕生から、およそ172年前。

長きにわたるターガリエン王朝が続くウェスタロスにおいて、時の王ヴィセーリス・ターガリエン1世は自らの後継者問題に頭を悩ませており、“鉄の玉座”に座する次なる王は誰になるのかということを主題に覇権争いを描き出す。

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』

ここで、本作の時代設定を見てみよう。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は、『ゲーム・オブ・スローンズ』の物語から遡ること約200年前を舞台としている。“征服王”と呼ばれたエイゴン・ターガリエン1世が、3頭のドラゴンを率いて七王国を統一、キングズランディング(王都)を築き、鉄の玉座を作ってからおよそ100年が経過した頃である。この時代、ターガリエン家の中である内乱が起こる。それは後に「双竜の舞踏」と呼ばれ、ターガリエン家の衰退を招いた出来事だ。

(※ここからは第1話「ドラゴンの後継者」のネタバレを含みますのでご注意ください)

ターガリエン家の後継者問題

第1話「ドラゴンの後継者」では、すでに内乱の火種がくすぶっているように見える。ヴィセーリスは子を身籠る妻を犠牲にし、後継者となる男児を出産させるが、その息子も命を落としてしまい、正統な後継者である弟のデイモンを世継ぎにしようとするが、デイモンはシティウォッチ(王都の守人)である自らの地位を乱用しており、素行にいささかの問題を抱えていた。

さらには王であるヴィセーリスの妻と子が死したことへの祝宴をあげていたことが明るみになり、ついにはキングズランディングから追放されてしまう。この後継者問題にケリをつけるべくヴィセーリスは長女であるレイニラを世継ぎに選ぶ。女王が誕生することは、長きにわたる歴史において前例のないことであった。

しかし、鉄の玉座を狙うデイモンは赤いドラゴンに乗り颯爽と空を駆ける。良好な関係を築いていると見られるレイニラとデイモンの血で血を洗う争いを今後、目撃することになるのかもしれない。

ヴィセーリスの病

また、もう一つ気がかりなことがある。それはヴィセーリスが患っている病である。劇中でヴィセーリスの背中が鉄の玉座によって傷つき化膿している描写がある。

傷跡を見る限り、『ゲーム・オブ・スローンズ』でもジョラー・モーモントやシリーン・バラシオンを苦しめた灰鱗病(グレースケール)なのではないかと推測。灰鱗病は進行すると、全身が石のような皮膚に覆われ、正気を失った石化人となる。石化人はヴァリリアの遺跡へと送られ、死を待つしかない。

現時点ではヴィセーリスが灰鱗病なのかは定かではないが、鉄の玉座によって傷つけられると、あのような傷を負う理由なども大いに気になるところだ。

ラストでは「氷と炎の歌」への言及も成されるなど、『ゲーム・オブ・スローンズ』ファンを再び熱狂させる『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』。次回以降、どんな展開が巻き起こるのか? 気になることは数多い。ドラカリス! 第2話のレビューはこちら

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(文/Zash)

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(2022年9月時点での情報です)

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