『ビッグバン★セオリ―』『ダーマ&グレッグ』生みの親、コメディを生み出す哲学

『ビッグバン★セオリー』やそのスピンオフ『ヤング・シェルドン』、ほかにも『ハーパー★ボーイズ』や『ふたりは最高! ダーマ&グレッグ』、Netflixオリジナルシリーズ『ハイ・ライフ』『コミンスキー・メソッド』など人気コメディシリーズを手がけているクリエイターのチャック・ロリー。業界で40年近く活躍しているロリーは、番組作りにおいて数字的な成績はあまり気にしていないという。人気コメディを生み出すヒットメーカーのこだわりとは?

2021年~2022年シーズンは、米CBSで『ヤング・シェルドン』をはじめ、『Bob Hearts Abishola(原題)』、『B Positive(原題)』、『The United States of Al(原題)』という4本のコメディシリーズを世に送り出しているロリー。

チャック・ロリーの長く愛されるコメディを生み出す秘訣とは?

全米No.1コメディを生み出した彼が今、数字よりも大切にしているのは、少数精鋭の信頼できる仲間が集う彼の制作会社Chuck Lorre Prodsで作る番組で何を語りたいのかということ。これまで以上にハイ・コンセプトに頼らず、ヒューマン・コメディを好むようになったという。

最近の米Varietyのインタビューでは、「この緊迫した文化の中で、どのように笑わせることができるか」とコメディの難しさについて聞かれると、「私の哲学は、“笑ってもらう前に登場人物に関心を持ってもらう”こと。気にかけて見ていれば、例え嫌いな相手でも好きになることがあるはずです」と返答。

「基本的には、番組を作ったり、パイロット版を書きはじめる前に、視聴者として登場人物がどのくらい気になるか、自分自身に正直にならなければなりません。私は作家であり、視聴者でもあるのです。それを大切にしたいのです」と作品作りにおける強いこだわりを明かした。

スタジオに観客を入れて撮影するシットコムでは、その場にいる観客の笑い声も作品の一つの魅力となるが、最近になり、(新型コロナウイルスのパンデミック以降)約2年ぶりに観客を入れることができたという。

「毎週、ライブオーディエンスの前で仕事をすることは、世界で最も素晴らしいトレーニングです。どんなに自分が頭が良くて面白くて素晴らしい才能があると思っていても、200人以上の観客が笑わなかったら…。笑い声が聞こえるはずの場面で、高速道路を走る車の音が聞こえることがあるんです。そうなると慌ててしまうし、屈辱的で、恐ろしくて、恥ずかしくて、傷つく。しかし、それが謙虚な気持ちを育てるのです。その場にいるお客さんに脚本の30パーセントがウケなかったら、自分が賢いとは思えないですからね。そんなストレスを抱えながらもここまでやってこれたことに、本当に感謝しています」

今年10月には70歳になるロリー。キャリアを積み重ねてヒット作を生み出してきた彼だが、「私一人で4つの番組を作る? それはありえません。そんなことはできない。それでは失敗します。大変すぎるから。毎週1話の放送を作ることは本当に大変です。賢い人たちに囲まれていなければ」と、今でも謙虚な気持ちで仕事に臨み、視聴者に笑いを届け続けている。

そんなロリーが手掛ける『ヤング・シェルドン』は最新となるシーズン4がU-NEXTにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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(2022年6月時点での情報です)

Photo:『ビッグバン★セオリ―』(C)Warner Bros. Entertainment, Inc./Netflixオリジナルシリーズ『ハイ・ライフ』シーズン1~2は独占配信中