マイケル・J・フォックス、病気で台詞が覚えられなかったことを告白も「いい人生だ」

1980年代のコメディドラマ『ファミリー・タイズ』やタイムトラベル映画の金字塔『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでブレイクし、2010年からは『グッド・ワイフ』で弁護士を演じたマイケル・J・フォックス。1998年にパーキンソン病であることを公表し、その後は闘病生活を送りつつ俳優業にも精を出しているが、病気が原因で台詞が覚えられないことで苦しんでいたことを告白した。米Peopleが報じている。

来年60歳になるマイケルは、「私はずっと自分の台詞を正確に暗記することに長けていた。ここ最近の仕事では、台詞が多い役柄もあったよ。だから暗記と言葉数の多さの両方で苦労した」と、パーキンソン病の影響で話すことが大変になっており、早口言葉を叫ぶように練習しなければならないことを告白。時間が経つにつれて暗記は難しくなってきたというが、今は自分の才能を執筆という分野で開花させている。2002年に発表した初の回顧録「ラッキーマン」が日本でもベストセラーになったことっを覚えている人もいるだろう。4冊目になる回顧録「No Time Like the Future(原題)」は全米で今月17日(火)に出版予定だ。

「執筆はいいね。ギターはうまくないし、絵もダメだ。ダンスは昔から下手だし演技も難しくなってきた。だから書くことにしたんだ。幸いなことに、書くのは楽しいね」

そう語るマイケルは、この2年間で感謝の力とその重要性を学んだという。2018年、パーキンソン病とは関連のない健康問題が彼を危機的な状況に追い込んだ。背骨にできた非がん性の腫瘍が急速に成長し、全身にひどい痛みを引き起こしたのだ。手術を受けた後、再び歩けるようになるまで4カ月間のリハビリを経験した。しかしその後すぐ、今度はひどい転落事故に遭う。「人生で最悪の時だった」そう話したマイケルは、楽観的でいることは、感謝の気持ちを源にしていると理解するようになったという。

「楽観主義は、感謝の気持ちを持ち続けることで維持できる。自分に起こったことを受け入れ、それが何のためなのかを受け入れることだ。自分を変える努力をしないといけないという意味ではない。罰や懺悔として受け入れる必要があるわけではなく、ただそれを適切な場で受け入れることが大事なんだ。そうすれば、生き甲斐となることができる人生がまだこんなにもあることに気がつくんだ。それで、前に進むことができる」

マイケルは、妻の女優のトレイシー・ポラン(『ファミリー・タイズ』)と子どもたちとできるだけ一緒に過ごすようにしているという。二人には息子サム(31歳)双子の娘アクイナとシューラー(25歳)、そして娘エズメ(19歳)がいる。

「昔は誠実でなかったわけではないが、最悪の時を経てから感謝の気持ちがより深くなっている」そう話す彼の俳優業への復帰は未定のようだが、マイケルは毅然とした態度を貫いている。「ここ2、3年は他の人よりも苦労が多かった。しかし、私には信じられないほど恵まれたものがある。人生は豊かだ。いい人生だよ」

12月4日(金)から12月6日(日)の3日間開催される、東京コミックコンベンション2020のバーチャルサイン会に参加することが発表されているマイケル。そこで元気な姿が見られることを楽しみに待ちたい。(海外ドラマNAVI)

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マイケル・J・フォックス
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