『キリング・イヴ』フィオナ・ショウ、主人公の過去を唯一知る人物役で出演『アンモナイトの目覚め』

映画『ゴッズ・オウン・カントリー』でその手腕を高く評価されたフランシス・リーがメガホンをとる『アンモナイトの目覚め』が4月9日(金)より公開。本作で物語の鍵を握る女性エリザベス・フィルポットを演じたフィオナ・ショウ(『キリング・イヴ/Killing Eve』)のコメントが到着した。

2020年のカンヌ国際映画祭にはじまり、トロント国際映画祭など数々の映画祭でオフィシャルセレクションに選ばれた『アンモナイトの目覚め』。

舞台は1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジス。人間嫌いで世間とのつながりを絶ち暮らす古生物学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)は、かつて発掘した化石で一世風靡するも、女性であるメアリーの名はすぐに世の中から忘れ去られ、今は土産物用のアンモナイトを発掘しては細々と生計をたてている。ある日彼女は、ひょんなことから裕福な化石収集家の妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を数週間預かることに。美しく可憐、何もかもが正反対のシャーロットに苛立ち、冷たく突き放すメアリーだが、次第に自分とはあまりにかけ離れたシャーロットに惹かれていく―。

映画『ハリー・ポッター』シリーズのペチュニア・ダーズリー役や、英国ドラマ『キリング・イヴ/Killing Eve』のベテランエージェント・キャロリン役で知られるフィオナ・ショウは、本作でライム・レジスに小さな店を構える薬屋の主人エリザベス・フィルポットを演じる。

エリザベスは、メアリー・アニングが高熱を出したシャーロットのために軟膏を買いに行くシーンで初めて登場するが、二人のぎこちない会話から過去に何かがあったことをうかがわせる。メアリーの過去を唯一知る人物であるエリザベスの登場によって、さらに物語に厚みが出てくるという物語の鍵を握る女性だ。また、メアリーと同様に彼女も実在した人物で、化石コレクターとしてメアリーと友情を育んでいたことで知られている。リー監督は独自の解釈でこの人物をアレンジし、とても重要な役どころに仕立て上げている。

フィオナは本作の魅力について、「この作品に惹かれた理由はたくさんありますが、そのうちのひとつは監督のフランシスです。彼は文学的な天才です。主人公の二人の女性の間に私が演じる役も入ってきて三角関係を匂わすストーリーも面白いですが、何よりすごいのは、映画の舞台は19世紀で時代劇なのに現代的な思考で描かれているということ。だから現代に生きている私たちにも響く物語になっているんです」と語る。続けて、「そういった歴史と現代がうまく調和するような映画はこれまであまりないと思うので、今後増えてくるといいですね」と、本作のように過去の出来事が現在に通ずる作品が増えていくことに期待を寄せた。

心を閉ざし、人との交流を避けて生きる孤独で不器用なメアリーを陰ながら見守るエリザベス。彼女とメアリーがじっくりと向き合うシーンは、静かながらも観る者の心にグッと迫る見逃せないポイントのひとつだ。

社会や孤独に埋もれた自分を、自らの手で発掘していく女たちの物語を繊細かつ大胆に描く『アンモナイトの目覚め』は、4月9日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他 全国順次ロードショー。(海外ドラマNAVI)

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『アンモナイトの目覚め』© The British Film Institute, The British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited 2019