『海の上のピアニスト』のティム・ロスと『リーシーの物語』のクライヴ・オーウェンが共演する極上の音楽ミステリー映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』。12月3日(金)公開となる本作より、主要キャストたちの衣装スケッチを公開。場面写真と比較して、衣装デザイン担当のイメージがどこまで具現化し、作品を彩っているのか見てみよう。
『レッド・バイオリン』『シルク』の名匠フランソワ・ジラールがメガホンをとる、映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』。
舞台は、第二次世界大戦下のロンドン。9歳で出会い、ともに育った同い年のマーティンとドヴィドル。やがて将来有望なヴァイオリニストとして成長したドヴィドルは、デビューコンサートの日に忽然と姿を消した―。35年の月日を経てその真相を追求するマーティンに待ち受ける衝撃の真実とは?
ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲 第1番」、バッハの「シャコンヌ」、ベートーヴェンの「6つのバガテル」、パガニーニの「24の奇想曲」などクラシック楽曲とともに紡ぐ、映画『ロード・オブ・ザ・リング』でアカデミー作曲賞を受賞したハワード・ショアの音楽と、そして21世紀を代表するヴァイオリニスト、レイ・チェンによる演奏に導かれて、ロンドン、ワルシャワ、ニューヨークを巡る極上の音楽ミステリー。
本作で衣装制作を担当したのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』を抜き、海外ドラマ史上最高評価を獲得したHBO製作のドラマ『チェルノブイリ』で、リアルなヴィジュアル作りに一役買ったスペインのペリス・コスチューム社。1930年代、1950年代、1980年代、そして現代と物語の広がる一大叙事詩に説得力とリアリティを持たせるべく、映画のオープニングシーンのために、様々な色合いの300以上の男性用トレンチコートを制作したという。
衣装デザイン担当のアン・ディクソンによるスケッチは、ラフな筆致ながらもポケットの数やボタンの数、帽子の柄、着こなしなどきわめて細かい所にまで意識が注がれている。場面写真からもわかるように、ディクソンのイマジネーションを忠実に再現。
また、時代によるファッショントレンドの変化もしっかりと取り入れており、例えば1930 年代と1940年代の舞台となるロンドンは温かい雰囲気で、1950年代は雨が降っている劇中の設定に合わせて、涼しいトーンに。1980年代は成人した主要キャラクターたちの社会的地位や落ち着きを表すべく、青系の色合いで、ウェットなイメージを押し出している。
たかが洋服、されど洋服。キャラクターの性格や嗜好、時代背景を衣装で表して物語に深みを与えているのは一目瞭然。美しきヴァイオリンの音色に耳を傾けつつ、こだわりのファッションにもぜひ注目を。
映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』は、12月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開。
(海外ドラマNAVI)
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『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』© 2019 SPF (Songs) Productions Inc., LF (Songs) Productions Inc., and Proton Cinema Kft
配給:キノフィルムズ