今年もゾンビがやってくる。米AMCで放送中のゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』は、アメリカでは現在シーズン2の第3話が終わったところ。日本でも11月5日(土)と、本国からわずか1か月足らずでシーズン2のプレミア放送が始まる。
そこで、今年の7月、米サンディエゴ市にて開催された「Comic-Con International:San Diego 2011(以下、コミコン)」と同時に、同市内のホテルで実施された海外記者向けの記者会見の模様をお伝えしよう。
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会場ではまず、本作で製作総指揮を務めるゲイル・アン・ハードと、ラウンドテーブルでインタビューする機会をもつことができた(ラウンドテーブルとは、スターやクリエイターがいくつかのテーブルをまわり、数人の記者を相手に行う形式のインタビューのこと)。彼女は、ジェームズ・キャメロンとともに『ターミネーター』シリーズや『エイリアン2』『アビス』などを手がけたベテランプロデューサーとあって、私たち記者もやや緊張ぎみ。
――あなたにとって昨年のシーズン1はどんなシーズンでしたか?
とにかく「信じられない」の一言に尽きましたね。番組立ち上げ時にAMCやFOXインターナショナル・チャンネルズから多大な支援をいただいて、パイロットエピソードだけでなく、6話分をまるごと製作することが決まりました。これはアメリカでは珍しいことです。さらに海外の100か国以上で放送することも決定しました。多くの国ではアメリカの放送から1週間以内に放送されています。本当に前例のないことだと思います。
もちろん同時に、ハードルも高かったですよ。原作コミックには大勢のファンがついていて、「忠実にドラマ化してくれるのか」「コミックで描かれる強烈な暴力シーンを放送できるのか」と心配の声があがりました。でも昨年のコミコン会場でプロモーション映像を上映したときに、「もしかしたら、ちゃんとやってくれるかも」と安心してもらえたようです。
――最近アメリカの映画やドラマでは"吸血鬼もの"が流行っていますが、そんななか、"ゾンビもの"を作るのは大変でしたか?
実は、CWでも新しくゾンビものをやるらしいですよ。
――そうなんですか。じゃあ競争相手ができるわけですね。
ええ。檻に入って一対一の決闘をしないといけないかも(笑)。でも私たちの作品は、キャラクターに根ざした物語なので心配はしていません。単に「今週のゾンビ」が呼び物になるのではなく、人間のサバイバルを描いています。取り返しのつかない変化に見舞われた異常な世界に生きる、平凡な人々の物語が視聴者を引きつけているのです。
――ファンの反応はどうですか?
コミックのファンの中には、「『ウォッチメン』みたいにコマごとに忠実に映像化しないのはなぜだ」と今でも文句を言う人がいます。でもコミックとドラマは、もともとまったく異なるメディア。耳は傾けますが、そうした意見は本当に少数派です。原作のロバート・カークマンが番組製作に参加することで、彼自身のビジョンが投じられていますし、映画『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』の監督として知られるフランク・ダラボンのビジョンとも融合している。これらのクリエイターが喜んで作っている作品に、「原作を台無しにしている」という批判は当たらないでしょう。
――原作コミックから変わった部分はたしかにありますよね。
ええ。例えばコミックでは、主人公リックの友人であるシェーンは早々に死んでしまいますが、ドラマではそうなっていません。このことについてロバート本人は「連続ドラマにすることがわかっていたら、コミックでもシェーンを死なせなかった」と言っています。そこがTVシリーズの素晴らしいところで、コミックで死んだキャラを生かし続けることができるし、反対に死なせることもできる(笑)。コミックには出てこなかった新しいキャラクターを導入することもできる。ロバートは「今後出すコミックにはTVシリーズで生まれたキャラクターを登場させるかもしれない」とも言っています。一種のシナジー効果が生まれているのです。
――撮影ではどんな苦労が?
日中のアトランタでの高温と湿度が、あんなにきついものとは誰も予想していませんでしたね。取るに足らないことのように思われるかもしれませんが、出演者の中には熱中症になる人もいたんです。夜になれば気温は下がるけれど、かわりに虫が大勢飛んでくるし(笑) でも撮影クルーと出演者の結束は固いです。どの番組でも耳にする言葉だけど、私が関わった作品の中でも一番団結しているのは確か。どんなに困難な状況でも助け合ってきました。俳優たちは才気にあふれていて、ドラマチックな場面もユーモラスな場面も、しっかりこなしてくれる。本当に恵まれていると思います。
――シーズン1ではトラブルメーカーだったメレルが行方知れずのままですね。ウワサでは、同役を演じたマイケル・ルーカーが、原作コミックのあるキャラクターとして再登場するということですが......?
ああ、○○○○のこと? それはイエスともノーとも言えませんね(笑)。
――シーズン1の最終話で、リックが何を耳打ちされたのか明らかになりますか?
今後、物語の中でその件が取り上げられるのは間違いないでしょう。ただし、シーズン2の序盤では焦点になりません。登場人物たちはもっと大きな問題で頭がいっぱいですから。
――シーズン2はどんなシーズンになりますか?
話数が全13話と、前シーズンの倍以上あるので、リック以外のキャラクターを掘り下げる余裕ができ、新しいキャラクターも導入されます。シーズンの大半はコミックにも出てきた"ハーシェルの農場"が舞台になり、ハーシェルという人物と、その家族が重要キャラとして登場します。それに加えて、才気にあふれ、いい意味で"病んでいる"脚本家チームが、コミックにはない素晴らしい場面を編み出してくれました。特殊効果担当/共同製作総指揮のグレゴリー・ニコテロは本当に心から仕事を楽しんでいたようで、今日もニコニコしているのはそのためです(笑)。
――シーズン3以降に向けてプランは練っていますか?
もちろん! シーズン更新の決定を待つ必要はありますが、作中で私たちがこれまでやってきたのは、衝突の種を底流にまくことなのです。その種が本当の意味で実るのは、シーズン3や4になってからでしょう。姿を消したキャラクターが戻ってきて、大きな役割を果たすかもしれないし(笑)。1話完結式と違い、連続ドラマでは「キャラクターがどこへ向かっているのか」とか「ドラマチックな衝突はどこから生まれるのか」といったことをよく考えておかないといけないのです。
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こうしてゲイルとのインタビューは終わり、製作陣や出演者が一同にそろっての記者会見が始まった。
出席者の口からどんなコメントが飛び出したのか...は次のページで!(後編に続く)
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Photo:『ウォーキング・デッド』(c)TWD productions LLC Courtesy of AMC.