『ウォーキング・デッド』ゾンビ・クィーンは日本代表に!! 闘いを勝ち抜いた大和撫子の正体とは!?(後編)

日本でBSの新チャンネル<Dlife>が産声を上げようとしている丁度その頃、アメリカでは10か国の代表達がFOX主催『ウォーキング・デッド シーズン3』の出演権を賭け、審査会場で呻き声を上げていた!

審査の結果、優勝は日本代表の神林あかねさんに決定!!
新潟県出身で、現在、東京の大学で英語を勉強する女子大生だ。
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彼女は今夏ジョージア州アトランタで撮影されるシーズン3に出演することになる。
画面に映るか映らないかのチョイ役では無く、そこそこ目立つポジションを与えられる筈だ。

日系アメリカ人でない、日本生まれ日本育ちのネイティブ日本人がプライム・タイム(ゴールデン・タイム)視聴率トップのドラマに、ニホンジンという役以外で出演することが過去あっただろうか!!
まぁゾンビ役なんだが。

こんな大それたことを軽々と成し遂げることになる神林あかねさん。
一体どんな女性なのか?!優勝発表の直後、インタビューを敢行した。

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――おめでとうございます!

ありがとうございます!

――やりましたね!すごいことですよ! 『ウォーキング・デッド』に出演出来るんですよ!

やりました! すっごい嬉しいです!

――さっきスティーブン・ユインにもハグしてましたね。

はい。アトランタで会いましょうって挨拶しました。

――ハリウッド・スター相手に次の撮影で再会を約束ですか! かっこえ~!!

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――私がモニターで審査会場の演技を観ていた限り、あかねさんのゾンビの演技は一番迫力ありました。ニコテロやスティーヴンが話している間、不安そうにされてたじゃないですか。でもいざ演技は始まると目がいっちゃってましたからね。

高校は演技部だったので、それが良かったのかなーと思います。

――他に何か特別にされたことはありますか?

グレッグ・ニコテロさんが何をゾンビに求めているか徹底的に研究しました。過去の作品『ホステル』などを観直しました。

――なるほど。マーケティングをして演技経験があると。勝算はそこだったんですかね。他に何かないですか?

う~ん...特に思い付かないですね。

各国で行われた予選は千人以上の規模だったと聞いている。
演技経験、ゾンビの研究なら他の出場者もやっていた筈である。何故、彼女が今回勝つことが出来たのか。
彼女のゾンビ演技はニコテロの言うように他を圧倒していた。
何が他者との違いを生んだのかが知りたくて色々な聞き方をしてみるが、或る程度まで聞くと急に言葉数が少なくなる優勝者。

――では質問を変えますね。どうしてこの大会に出場しようと思ったのですか?

優勝したら、本戦があるロサンゼルスに無料で行けるからです!

――理由はそれですか? どうしてそんなにロサンゼルスに来たかったのですか?

う~ん...何と言うか。

――日本の予選だって大変だったでしょう? 相当な競争率だったって聞いてますけど。

大変だったですけど、ロサンゼルスに来たかったんで頑張りました!

そこまでしてロサンゼルスに来たかった訳とは何だ。
その時ふと、 遠くで我々を見守る半笑いの外国人男性に気が付く。小さくこちらに手を振る。あかねさんも小さく手を振り返している。

―彼氏ですか?もしかして。

(初めて笑顔で)へへ。はい。

せっかくなので、彼氏にあかねさんの横に座ってもらうことにした。あかねさん、嬉しそう。

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――まさかロサンゼルスに来たかったのも、この彼氏に会いたかったからなんですか?

はい!

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ようやく初めて優勝者の本心を口にしてもらうことに成功した(笑)

――つまりロサンゼルスに住む彼氏に会うためには、日本の予選を突破しなければならなかったわけですか(苦笑)別にゾンビとかは好きではない?

いや、好きですよー! 私はホラー映画オタクです。

そう言うと急に彼氏の方を向き、ゾンビの真似をするあかねさん。
それに上手に合わせる彼氏。微笑ましい息の合ったカップルだ。
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――もしかしたら今回の勝因はその愛の力ってやつなのかもしれませんね! ゾンビの大会で唯一会場に恋人を連れて来た人が優勝しちゃった。皮肉が利いてて私は好きですね。ちなみに、彼氏とはどうやって知り合ったのですか?

ネットです。それで去年の夏に初めてロサンゼルスに来て会ったんです。

――そのときはゾンビとは全く関係なく?

はい。お母さんも来ましたし。

筆者は恋人に会う時に自分の母親を連れて行くという感覚が理解出来ず言葉を継ぐことが出来なかった。これが草食系というものなのか。あんなに迫力あるゾンビを演じることが出来たのに。
ゾンビって肉食でしょーよ!
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――では最後に、シーズン3に出演することについて、意気込みなどあれば聞かせてください!

すごい緊張しますけど、頑張ります!

――日本代表というより全世界の視聴者の代表として、ゾンビの爪痕残して下さい!

はい! ...あの、撮影場所はやっぱりアトランタなんですよね?

――そう聞いてますが、何か?

いや、ロサンゼルスが良かったなーと思って。彼氏がロスに住んでるもんで。アトランタだったら結局アメリカに来ても会えないなーと思って。

そう、あかねさんの日本予選のモチベーションは彼氏の存在であり、今回頑張ったのもきっと彼氏が応援に来てくれた、そういうこともあるだろう。
しかしシーズン3の撮影場所アトランタに彼氏はいない。

日本の芸能史に名を残すかもしれない、プライムタイム視聴率ナンバーワン・ドラマに日本人が出演する。
本人に自覚は全く無いが大変なことである。日本人としても名誉なことだ。
そんな折角の出演が腑抜けたものになっては困る!

――彼氏、アメリカ人なんですから、アトランタまで来てもらったらどうですか?

(顔が明るくなる)FOXさん、お金出してくれますかね?

――FOXさんが? それは...

やっぱり難しいですよね...TAKO社長さん、FOXさんに頼んでくれませんか?

――ええ!? 私は只のインタビューアーですから...

...ですよね。でも私からは頼めませんし...。

とっても日本人な優勝者である。
世界10か国の代表が集い、一流メイク・アーティストがメイクを施し、昨年のエミー賞受賞者と視聴率ナンバーワンドラマの主要キャストのひとりが審査する大舞台で、最高の結果を出した大和撫子。
ネットで彼氏を見つけ、初デートに自分の母親を連れてくる女の子。

いわゆる「ゆとり世代」にあたり、私の価値観では測りかねる、ちょっとゆっくりした感じがあるかと思えば、彼氏に会いたい一心でオーディションも受けるたくましい行動力・実行力を併せ持つ。

そんなあかねさんに今足りないもの。それは夏の撮影のためのアトランタまでの彼氏の渡航費!
あかねさんが頑張ったんだから、次は彼氏が何とかする番ですね。
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あかねさん、優勝おめでとうございました!!
OAを楽しみにしています!!