ネタばれ【『SHERLOCK』名シーン15】その6:忘れられない名シーン! 編

多くの視聴者が心待ちにしていた『SHERLOCK シャーロック』の最新シーズンが、英米両国でまもなく放送スタートとなる。当サイトで年始から紹介してきた名シーン、最後に新たなシーズンを迎える上で忘れてはならないこちらを紹介しよう。

■シャーロック、死体に鞭打つ(シーズン1・第1話「ピンク色の研究」より)

シャーロックの初登場シーン。死体を乗馬鞭で打つという、とんでもない登場となっているが、これは元ネタとなった「緋色の研究」では、スタンフォードがワトソンに向かって「ホームズは"解剖室の中で死体を棒で叩く"奇行の持ち主だ」と忠告するエピソードが基になっている。実は、映像の中でシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの出会いが描かれているのは珍しく、ほとんどの作品で、すでに二人は知り合い不思議な関係性が出来上がっている状態で物語がスタートしている。しかしスティーヴン・モファットの手がけた第1話の脚本には、コナン・ドイルの珍しい側面が選ばれている。記念すべきシャーロックとジョンの出会いであるのはもちろんのこと、オープニングから本作のユニークさを感じさせる名シーンといえる。

■「サヨナラだ」(シーズン2・第3話「ライヘンバッハ・ヒーロー」)

これ以上ないほど衝撃的な、シャーロックとジョンの別れのシーン。モリアーティの策略により追い詰められたシャーロックが、自分の身近な人々を守るためにある決断をすることに...。そんな、緊張感ある切ないシーンでありながら、親友であるジョンにかけた電話でかわされる会話で、シャーロックがこれまでにジョンからお説教されてきたことをちゃんと覚えていた、ということが伝わる心温まる要素もふくまれている。その後の展開を知った今でも、このシーンの衝撃と悲しみを思い出すだけで胸があつくなる、まさに忘れられない名シーンの1つ。

■ジョン、シャーロックの墓の前に佇む(シーズン2・第3話「ライヘンバッハ・ヒーロー」)

シーズン2最終話のラストシーン。シーズン1第1話のオープニングで戦場のトラウマを抱えていたジョンは、その後、シャーロックと出会い、彼の捜査を手伝う中でイキイキとした自分を取り戻してきた。そんなジョンが今度はシャーロックの選択によって、心に傷を負うことになってしまったのだ。それでも、墓石に向かって語りかけるジョンの言葉には、シャーロックへの思いが溢れていて胸を打たれる。この後、視聴者には衝撃の真相が待ち受けているのだが、それを抜きにしてもジョンがこれまで口にしたことのなかったシャーロックに対する人間としての評価を明らかにする、重要なシーンといえるだろう。

米PBSの番組プロデューサー、レベッカ・イートンが「今までで最高のシーズン」と称する新シーズンにも名シーンが数々登場するに違いない。そして、英Digital Spyで紹介された15シーン以外にも、まだまだ過去2シーズンの名シーンが溢れている。これを期に、あなたにとっての名シーンを見直してみては?

『SHERLOCK シャーロック』シーズン3は、英BBC Oneにて2014年1月1日(水)から、米PBSでは1月19日(日)から放送スタート。日本での放送については未定だが、英BBC×角川書店のコラボレーション・ブランド"BBC Mystery"によればシーズン3の日本版DVDは2014年上半期にリリース予定とのこと。(海外ドラマNAVI)


Photo:『SHERLOCK シャーロック』
(c)2010 Hartswood Films