『NCIS:LA ~極秘潜入捜査班』クリス・オドネル&LL・クール・JのCBSジャンケット・インタビュー!

『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』のスピンオフドラマとして2009年にスタートした『NCIS:LA ~極秘潜入捜査』。スピンオフ作品としては異例の人気を誇り、本家『NCIS』に次ぐ全米第2位の視聴率を獲得している。今回のCBSジャンケットには、主人公コンビのカレンとサムを演じる俳優クリス・オドネルと、ラッパーで俳優のLL・クール・Jが二人そろって登場! クリスは監督業にも進出し、LLはグラミー賞の司会を4年連続で務めるなどそれぞれがマルチな活躍を見せている。インタビューでは、独自の路線を貫く本作への愛情や、作品を通して生まれた二人の友情について語ってくれた。

--ニューオーリンズ版が始まりましたが、LAチームとして負けない自信はありますか?

クリス:新しいスピンオフが始まるというニュースは、僕らをちょっとノスタルジックな気分にさせたよ。なぜなら、6年前、LA版がスピンオフとして始まった時に僕らが経験したことを彼らも経験するんだろうなって思ったからね。僕は今でも覚えているよ。台本の読み合わせを初めてした時のことを、初めてトッド(LL・クール・J)に会った時のことをね。こういう家族みたいなグループでこれから一緒に仕事をしていくのかな......って思った。あれから6年、僕らは親しくなれるだけなった。そして、ほかのスピンオフが始まり、彼らもまた、出演者同士、家族みたいになれるかなって思っているんだろうなって考えたんだ。

LL:LAはLAなりの味があって、それを追求している。ニューオーリンズ版が始まったとしても、オレらは何も変わらない。ベストを尽くし、できる限りダイナミックな演技をするだけさ。アクションとユーモアとおちょくり合いを入れ込んで、オレらができることをやる。オレらは、このドラマに出れること、人々が観てくれていることにワクワクし、楽しんでいる。犯罪捜査のドラマではあるけれど、その中に人間関係の複雑な絡み合いと、それぞれのケミストリーが混ざっているからLA版がユニークになっているんだと思う。ニューオーリンズ版が始まったとしても、LA版は大丈夫。みんな引き続き観てくれると思っているよ。

クリス:すでに沢山のファンを持っているドラマのスピンオフというのは、とても恵まれていると思ったよ。そして、競争相手になるというのも考えた。犯罪捜査ものに確実にうまくいくコメディーな要素を事前に入れ込むというのはできない。それが簡単にできるならみんなやっているだろ。僕らのドラマは、素晴らしいフォーマットとシェーン・ブレナンというクリエイター率いる素晴らしい脚本家チームとクルー、そして集まった出演者の素晴らしいケミストリーが作り上げたもの。こういうのは博打と同じで、正しいと思う要素を集め、最高のものを作るぞってやっても、実際に出来上がるまでは分からない。シーズン1の初めの方のエピソードで、トイレで口論するシーンがあったんだけど、その時、シェーンがこう言っていたのを覚えているよ。僕ら二人のケミストリーを見て、「『これは上手くいく』って確信した」ってね。

--クリスは監督業に進出しましたが、その経験はいかがでしたか?

クリス:隣に座っているヤツが、俳優兼ラッパー兼○○とマルチな肩書きを持っているから、僕も肩書きに何か加えなきゃと思って監督をやったんだ。

LL:マジ?

クリス:というのは冗談で、監督業は楽しいんだ。シーズン4でやったけど、今シーズン(シーズン6)でも監督したよ。将来的には、このシリーズだけでなく、ほかでも監督をしたいと思っている。このドラマでの仕事は、とても良い映画学校の授業と同じ。ロケハンやキャスティングなど、素晴らしい経験になっている。シーンをあれこれ考え、共演者と話し合って何がベストかを考えるというのは俳優としてやってきたことと共通しているけど、編集作業はこれまで立ち会ったことがなかったから、とても興味深いよ。脚本を読み、どんなシーンになるか頭の中でイメージし、俳優たちの演技を観て、どういう出来上がりになるかを想像する。それぞれのテイクを観ながら、全体の流れを考える。そして、繋ぎながら、考えていた通りのものに仕上げていく。とても楽しいよ。

--自分のキャラが過去に言ったこと、やったことをきちんと記録して、不一致が起きないようにしていますか? それとも脚本家任せにしていますか?

クリス:自分のキャラの言ったことや過去の出来事をしっかり記録しておかないと、演じる自分が混乱してしまうよ。「僕らはこれをやったっけ?」とか、「僕の母親は生きていたっけ?」ってことになるからね。

LL:オレは「何人の子持ちだったっけ?」っていうのが実際に起きそうだよ(笑)。

クリス:だから、そういう情報をしっかり記録しておく。LA版の脚本や監督を初めて担当する人でなければ大丈夫なんだけど、それでもみんな、僕らに確認を取るよ。僕ら以上に自分のキャラを知っている人はいないからね。通常、最初の数シーズンは、脚本家がキャラの設定をうまく確定できずにいるから、混乱しがち。「このキャラは絶対にこんなことは言わない」っていうのが出てくる。でも、こうして6年経つと、それぞれのキャラの声をみんなが理解しているからとてもやりやすくなるんだ。過去に言ったことや、起きたこと、やったことをきっちり一致させるのは大変だよ。でもやってきた。シェーンは常に、伏線となる種をあちこちに蒔いてきたから、今、それらの収穫の時期がどんどん来ている。「以前触れたあのネタだね!」っていう風にね。

--相棒役を長年やってきたことで友情はどんな風に深まりましたか? 私生活でも家族ぐるみの付き合いをしているのでしょうか?

クリス:僕は6年経っても、ほかのラッパーの名前を挙げられないよ(笑)。

LL:そんなワケで(笑)、クリスとオレはとてもウマが合っているけど、二人はとても違うんだ。単に"黒人"と"白人"というだけでなくね。持っている文化が全く違う。クリスはゴルフが好きで、オレはボクシングを観るのが好きだ。クリスはジミー・バフェットの音楽を聴くのが好きだけど、オレはパブリック・エネミーを聴く。でも、撮影現場で生まれた友情はホンモノで、画面からもそれが滲み出ている。ただ、ほかの人同様にオレは朝はちょっとご機嫌斜めだったりするけどね......。

クリス:ちょっとだけな(笑)。

LL:オレらの友情は年月を重ねてさらに強固になった。視聴者がドラマを通してそれを感じる事を願うよ。

クリス:この6年で作り上げた合い言葉や内輪ネタがあって、それでお互い冗談を言って笑っているよ。

LL:"暗黙の了解"ってやつさ。

クリス:おまけにこの男は、僕の家族の物まねをするんだ。会ったこともないのに! そんなワケで僕らはお互い、ケリを入れたり、ツッコミを入れたりしているんだ。僕らは芸能界に長年いる仲間。この素晴らしいドラマに出演するというのは素晴らしいチャンスだとお互い思ったし、ベストを尽くして働く気持ちも同じだ。僕らは二人とも大家族の出身で、家族をとても大切にしている点も同じなら、違いを尊重するという点も同じ。人間としての根本的なところが同じなんだ。だからこそ、いいケミストリーがあるんだと思う。僕の大好きな娯楽の一つに、トッドをおちょくるというのがあるんだ。例えばそう......、ペーパーカットで殺そうとするとかね(笑)。

LL:そう、1000のペーパーカットでオレを殺そうとする(笑)。

クリス:トッドと楽しい時間を過ごすのが好きなんだ。でもそれは大きなクマやトラをならすのと同じ。「まだ噛まれてないから大丈夫。もっと近づいてみよう......」ってね(笑)。

LL:大丈夫。噛みやしないよ(笑)。このドラマの仕事は、オレらにとって素晴らしい旅なんだ。サムとカレンは、これまでにあったスピンオフの単なる相棒ではない。それを超えているよ。二人の関係はとてもユニークで、オレらはそれに感謝している。犯罪捜査ドラマだけど、できるだけクールに、ユニークに、そして楽しめるようがんばっているんだ。

--ファンとの交流で、興味深いエピソードはありますか?

LL:この前、雑誌の撮影でパリに行ったんだけど、そのときこんなことがあった。あるファンが、オレに気づいた途端タクシーから飛び降りて、どれだけこのドラマを気に入っているか話し始めたんだ。オレの音楽のファンもそれなりにいるけど、このドラマのファンの入れ込み具合は桁違いだよ。登場人物のことをものすごくよく知っている。まったくもってクールだよ。それから、フランス語の吹き替え版を観たんだけど、オレはすごくセクシーな声になっていた。セクシーでしかもフランス語を流ちょうにしゃべっているんだ!

クリス:ファンが興奮して話しかけてくる経験はとても嬉しいものだよ。トッドはこれまで、彼の曲について、出演した映画についてファンが話しかけてきた。僕も同じ。『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』でのアル・パチーノについてとか、『バットマン』シリーズとかね。でも、ドラマのファンは、ものすごく情熱的で、興奮しながら話すんだ。撮影がない長期の休みの時は家族旅行をすることが多いんだけど、そういうときにファンと交流する機会に恵まれる。空港とか、移動中とかにね。ロサンゼルスから外に出ると、人々との真の交流があるって感じだよ。このドラマのファンはサイコーだね。「素晴らしいドラマだよ。ものすごく好きなんだ」って言ってくれるし、好きな理由もあれこれ話してくれるんだ。

LL:そうそう。そして、時々、「あの小さな女性(へティのこと)はどこに行ったの? とても気に入っていたのに」とか、「祖母があなたの大ファンよ」とか言われる。特に、「あの小さな女性はどこに行った?」というのは、もう1000回くらい聞いた。みんなリンダ(・ハント/へティ役)がオレの内ポケットの中に隠れているんじゃないかって思っているんだ(笑)。へティはサイコーだよ。

--劇中では上司がいて、フラストレーションを感じる場面もありますが、私生活では帰宅すると自分がボスで、家族を仕切る気分を味わっているのでしょうか?

クリス:ボスのように振る舞っているけど、みんな従っているフリをしているのか、本当に従っているのかは分からないよ。

LL:家族を持つようになれば、「許可を与えているフリをする」というのを学ぶからね。一家を仕切っているように見えて、実はそうでなかったりする。妻がコートを着て「今夜は女友達と夕食に出かけようと思うんだけどいいかしら?」って言ったら、「いいよ」って言うしかないんだ。だって、コートの下にはすでに出かける服を着ているからね(笑)

(海外ドラマNAVI)

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