『ニュースルーム 3』 吹替ボイスキャストにインタビュー  第2回「『ニュースルーム』の吹替、他のドラマと最も違うこと」

アーロン・ソーキンが手掛ける、報道の現場でニュースを伝える精鋭たちの姿を描いたエネルギッシュな社会派ドラマ『ニュースルーム』。多くの視聴者の方から「勇気を貰える!」という声があがっている本作品もいよいよファイナルシーズン!

『ニュースルーム 3』は、毎週土曜深夜0:00[二]、毎週水曜 夜11:00[字]、WOWOWプライムにて放送中です。

最終章となるシーズン3の吹替収録現場に、海外ドラマNAVI独占取材に行って参りました!その模様を、3回にわけてお届けします!

ウィル役の郷田ほづみさん、マック役の石塚理恵さん、ドン役の神奈延年さん、そしてスローン役のちふゆさん、豪華4名によるインタビューをさっそくご覧ください。
第1回目ではシーズン3の見どころについてお話を伺いましたが、第2回目の今回は『ニュースルーム』ならではだな、と思うことについてです。

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――他のドラマとニュースルームが最も違うな、と思う点は?

神奈:タブーに斬り込んでいるところですね。"愛国心"や、"アメリカのメディアが本当はどうあるべきか"という。「ただ報道すればいいのか」、「では人権は守らなくてもいいのか」、一見メディアという役割が果たすことって、ニュースを素早く報道することだったり、正確に伝えることだったりだと思うのですが、それにばかり一生懸命になり過ぎると、果たしてそれでいいのかと。『ニュースルーム』は、すごくハートフルなところがあり、他のドラマとは違いますよね。

石塚:リアリティがあって、この作品に参加していると、フィクション・ノンフィクションの境目が本当にどこにあるのか、わからなくなっている感覚がすごくあります。そこがやっていて面白いところでもあるし、自分の生活をふっと立ち返ってみた時に、"人間はどうあるべきか"ということをすごく問われていて、身につまされるというか。"考えていかなきゃいけないんだよ"ということを突きつけられる作品ですね。

『ニュースルーム 3』

ちふゆ:実際に起こった出来事や、実在の人物など、本当にあったことをテーマとして取り扱うので、世界情勢など、「ここで初めて知った!」ということも多く、本当に勉強になります。また、実際のニュースで、日本では坦々と報じられていたけど、アメリカだとこんなに大々的に報道されていたんだな、国によって違うんだなと、深く考えさせられます。

郷田:今、我々が考えなきゃいけないことを取り上げて、きちんとドラマにしているのがこの作品ならではですよね。インターネットと報道との関連とか、SNSも含めて、今までは一般に普及してなかったから、初めて直面している問題だと思うんですね。例えば、日本での川崎の事件があって、加害者の個人情報が拡散してしまったりとか、やっぱり社会全体で考えて行かないといけないことだけど、やはりそれが、今まだ発展途上の状態。インターネットはここ10年、20年くらいで急に広まったから、報道との関わり方もきっと重要で、そういうことを真っ向から本作では盛り込んでいますよね。それってインターネットを使う我々としても、考えないといけないし、一定のルール作りがまだ成されていないから、このドラマのクリエイターもこういった状況を懸念しているんじゃないかなと思いますね。

――はい。私たちも、この番組を観ると、社会でがんばるべきことなど友人や同僚と真剣に話し合わずにはいられなくなります。そのほかにも『ニュースルーム』ならではのことはありますか?

ちふゆ:はい。台詞の速さですね。それの一言です。

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――このドラマこそ、吹替がないと観られないというか、吹替がマストのドラマだと思います!

郷田:吹替をやっている我々からしてみれば、海外ドラマってもちろん原音で観るのもとてもいいと思いますけど、やっぱり吹替で観て欲しいなっていう気持ちがあります。この作品でそう言ってくださる方が多いので、"してやったり"というか、職業冥利につきますね。(一同笑)

――熱心なファンは、吹替えで観て、話の内容を理解して、その後で、もう一回字幕で観るという方もいるようです。

郷田:いや、僕はね、英語の勉強をしたほうがいいと思う。英語の勉強をして、原音で聞く。それが本当の原音ファンじゃないかなと思います。字幕じゃ情報量が足りないから。英語をまず勉強したらいいよ、と思います。

ちふゆ:そうですね。字幕版ではドンとスローンのシーンの後ろのニュースで、ウィルが何を言っているかも字幕には出ないですからね。

『ニュースルーム 3』

石塚:台本読んでいる時に、文字として情報を目で追って行くじゃないですか。ちゃんと本貰って読んでいるのに半分ぐらいしか理解できないんですよ。あれを字幕で観て、「みんなはわかるのかな」っていうのがあって。現場に来てはじめて、みんなの声を聴いて、「ああ」と納得することが多いんですよ。

郷田:それあるよね!(一同頷く)
それと、アメリカ人はジョークが好きだから、真面目なこと話しながらも、くだらないことをちょいちょいはさむじゃないですか。それもやっぱりちゃんと日本語に訳されて音になって、このスタジオで初めて僕たちも会話になると、そのジョークの雰囲気がようやくわかって安心できるんですよね。皆で合わせると、「ああ、こういうお話なんだなと」 わかり合えると。ただ、いかんせん速いから、本番はだいたい別録りになるんですけど(笑)。

石塚:そして、あまりにも聞き入ってしまうと、置いて行かれる(笑)。

神奈:そうだね。ニュースルームあるあるです。

ちふゆ:「聞き入ってしまうと、置いて行かれる」

――みなさん、楽しいお話をありがとうございました!
第3回へ続く

『ニュースルーム 3』 WOWOWプライムにて放送中(全6話)[第1話無料放送]
 毎週土曜深夜0:00[二]  毎週水曜 夜11:00[字]

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企画/製作総指揮/脚本:アーロン・ソーキン
出演:ジェフ・ダニエルズ(ウィル・マカヴォイ役/声:郷田ほづみ)
   エミリー・モーティマー(マッケンジー・マクヘール役/声:石塚理恵)
   サム・ウォーターストン(チャーリー・スキナー役/声:清川元夢)   
   ジョン・ギャラガー・ジュニア(ジム・ハーパー役/声:川中子雅人)
   アリソン・ピル(マギー・ジョーダン役/声:冠野智美)
   トーマス・サドスキー(ドン・キーファー役/声:神奈延年 )
   デヴ・パテル(ニール・サンパット役/声:逢笠恵祐)
   オリヴィア・マン(スローン・サビス役/声:ちふゆ)

Photo:『ニュースルーム 3』
ウィル(ウィリアム)・ダンカン・マカヴォイ[ジェフ・ダニエルズ]
マック(マッケンジー)・マクヘール[エミリー・モーティマー]
ドン(ドナルド)・キーファー[トーマス・サドスキー]
スローン・サビス[オリヴィア・マン]
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