"もし、ディズニー・キャラクター達に子孫がいて、10代だったら?"という驚くべき発想から誕生した、話題のディズニー・チャンネルオリジナルムービー『ディセンダント』。この度、本作のエグゼクティブ・プロデューサー兼監督のケニー・オルテガが緊急来日し、キャスティングの様子や撮影現場の雰囲気、今作に込めたメッセージについて語ってくれた。
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――『ディセンダント』の見どころについて教えて下さい。
たくさんの見どころがあります。アクション、冒険、ロマンス、音楽、ダンスなど、この作品にはディズニーの素晴らしい魔法がいっぱい詰まっています。
――本作の出演者はそれぞれ個性的で魅力的ですが、キャスティングはどのようなプロセスで行われたのでしょうか? どれくらいの時間をかけて、どれくらいの人がオーディションを受けられたのでしょうか?
オーディションはグローバルに行いました。ディズニー側のキャスティングヘッドのジュディー・テイラー氏と『ハイスクール・ミュージカル』のラパデュラ氏、ハート氏と5か月以上に渡り、まずロサンゼルスからニューヨークで探しました。ソフィア・カーソン(『白雪姫』の邪悪な女王の娘エビー役)はフロリダで見つけたのですが、それ以外にもイギリスやオーストラリア、カナダなど世界各地で候補者を見てきました。特に若い役者たちには何度もオーディションをしてもらい、違ったパートナーを相手にもう一度オーディションをする、ということを繰り返しました。例えばミッチェル・ホープ(『美女と野獣』のベルの息子ベン役)は王子役なのですが、オーストラリアのメルボルンで見つけ、かなり掘り下げたオーディションをして彼を選びました。それぞれの役で、演技はもちろん、歌と踊りとインタビューも行い、結果的に素晴らしい若者たちを起用することができました。彼らを誇りに思います。
――オルテガさんがこの作品で一番伝えたかったことは何でしょうか?
この作品の中でテーマはたくさんあるのですが、自分が一番心に感じていたものは、人生というのは出身や生い立ちということよりも、自分自身で決めたことによって、自分がどういう人になるかが決まっていくということです。マレフィセントの娘、クルエラ・デ・ヴィルの息子、『白雪姫』の邪悪な女王の娘や、『アラジン』の悪役ジャファーの息子は、とても良い親の元で育ったとは言い難いですが、そういったことを考えた時に、彼らはどういう選択をするのでしょうか? 人生は自分で決めたことに影響されるのだということを、若者にぜひ想像してほしいですね。
――オルテガさんと言えば『ハイスクール・ミュージカル』ですが、シチュエーションは違えども『ディセンダント』も高校生が主人公で、舞台も学校です。両作品の共通点は何でしょうか?
『ハイスクール・ミュージカル』と『ディセンダント』の共通点は、ディズニー・チャンネルの映画であるということはもちろん、どちらも特定の視聴者、若者や家族などを対象に作られた作品です。両作品ともストーリーの運び方がとてもイマジネーション豊かで、とてもワクワクするような内容になっています。またストーリーが力強く、音楽もダンスも力強く素晴らしく、内容も皆さんに共感してもらえると思っています。ご覧になるみなさんが応援をしたくなる物語です。
――『ディセンダント』の映像を観ていても、キャストのチームワークの良さが見えると実感しました。実際、撮影時はどのような雰囲気だったのでしょうか?
キャストは13歳からそれよりちょっと上くらいの、いわゆる10代の子どもたちが多くいて、彼らは若くてももう自分の人生をどうするかということ、やりたいことをすでに決めている特別な子どもたちです。とても積極的に情熱を持って仕事に取り組んでくれて、本当に素晴らしかったです。自分としては、そういう若者たちと仕事をする時の環境作りとして、彼らが楽しんで安心して演技に臨めるように、また彼らの勇気も発揮できる現場作りというのを心掛けています。役づくりに関しては、監督の私が「こういう役だから」と言ってその通りにやってもらうのではなく、役者のみんなにもそれぞれの役の色味づけを、いわゆるコラボレーションのような形で私と一緒にやってもらい、役を作り上げました。また脚本家の方々もそうですが、みなさん寛大な心とやる気と意欲に満ちた素晴らしい仕事をしてくれました。
――『ディセンダント』はお年寄りから孫までみんなが楽しめる作品になっていると思います。
何人かの方に観てもらっているのですが、若者だけでなく大人も大笑いできる楽しい作品になっています。大人がなぜ楽しめるかと言うと、いわゆる伝統的なキャラクターたちが子どもたちと一緒に新たなおとぎ話に登場するという点です。自分もマレフィセントとクルエラ・デ・ヴィルが小さい頃からお気に入りでした。
――オルテガさんはプロデューサーであり監督として有名ですが、ダンサーでもいらっしゃいます。
私が幼い時、姉と二人の従妹が通っていたダンス教室に母に連れられて行きました。もともとダンスは好きだったのですが、その時自分はステージのところに行って踊り出してしまい、母はそれを止めて連れ出そうとしたのですが、インストラクターの先生の方が「いいの、そのまま踊らせて」って言ってくれて、ずっと踊っていたんです。ダンスはその頃から大好きでした。
――『フィニアスとファーブ』にあなたが登場したサプライズに、ファンは歓喜したと思います。どのようないきさつで出演されることになったのでしょうか?これからもあのような嬉しいサプライズを見せてくれる機会はありますか?
実は電話をもらって『フィニアスとファーブ』に出演してもらえないかと言われました。番組の内容としては"テレビ番組のショーを作っている時にちょっと問題が発生して、じゃあ友達のケニー・オルテガに助けてもらおう"という内容でした。自分は声をあてる声優をやったことがなかったのですが、とても新しく楽しい作業でした。ファンの皆さんはもちろん、私の親戚からも「叔父さんが出てる!」ととても喜んでもらえました。
――この作品を楽しみにしているファンへ向けて一言お願いします。
日本の皆さん、この作品を紹介できて大変嬉しく思います。是非お楽しみ下さい。
全米では7月31日(金)に初放送された『ディセンダント』。日本ではこの秋11月開催の「D23 Expo Japan 2015」での初公開後、年内にディズニー・チャンネルにて放送が決定している。
Photo:
『ディセンダント』 ケニー・オルテガ
(C)Disney