『オリエント急行殺人事件』ジョニー・デップが演じる"小粒なマフィア"とは?

ミステリーの女王"として知られるアガサ・クリスティーの小説をベースに描かれる『オリエント急行殺人事件』が12月8日(金)に公開となる。クリスティーは、ギネス世界記録によると史上最高の20億冊以上が出版されたベストセラー作家で、同小説は現在までに世界各国で多数映画化やドラマ化されている。この度、そんな話題作でジョニー・デップが演じる乗客の実態が明らかになった。

エルサレムで教会の遺物が盗まれ、鮮やかな推理で犯人を突き止めた、名探偵のエルキュール・ポアロ。イスタンブールで休暇をとろうとした彼だが、イギリスでの事件の解決を頼まれて急遽、オリエント急行に乗車する。車内でくつろぐポアロに話しかけてきたのは、アメリカ人富豪のラチェットだ。脅迫を受けているため、ポアロに身辺の警護を頼むが、あっさりと断られてしまう。深夜、オリエント急行は雪崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生してしまう。そしてその車内では、ラチェットが12カ所も刺され、死体で発見されるのだった。

自称美術商で、ビギナーズラックで大儲けして富豪となったというラチェットを演じたジョニー。ジョニーといえば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジャック・スパロウをはじめ、全世界で愛されるキャラクターを演じ続けていることで知られている。

本作でポアロを演じ、監督も兼任したケネス・ブラナーは、ジョニーが演じたラチェットについて「ラチェットは実はマフィアで、しかも"小粒な"マフィアらしい。お金には困っていませんが、彼にはいつも不安が付きまとっています」と悪役キャラであることを明かす。続けて、「ジョニーは、このキャラクターに素晴らしく堕落的な魅力を注ぎ込んでくれました。彼の演技はダークで、危険な香りがし同時にとても面白いのです」とまたしてもクセのあるキャラクターを生み出したことをほのめかす。しかし、そんなクセが強いマフィアと世界一の探偵が「僕たちはデザートをたくさん食べるという素晴らしいシーンを共にしたよ(笑)」とケネスが明かしており、どのようなシーンなのか期待が高まる。

出演者が"全員名優"であることでも話題の本作で、ジョニー自身も「優雅な乗客たちのなかで、ラチェットのギトギトした虚栄心が交じり合い、目を離せない豪快なキャラクターを作り上げている。演じがいのあるキャラクターだね」と本作の登場人物のほとんどが善と悪の間で葛藤しているにも関わらず、ラチェットには善が無く、"悪オンリー"で非常にキャラクターが濃いことを明かす。「アガサ・クリスティー作品に期待するもの全てが満載だ。死、殺人、興味深いキャラクター、尋常ではないがグラマラスな設定、そういった様々な要素、素晴らしいロケーションや旅の過程など、全てが詰め込まれているよ」と作品の魅力についても明かし、殺されてしまう役どころながらもオファーを受けた理由が垣間見えるコメント。「もっと感心したのは、このストーリーが全然古臭くないこと。それどころか、さらに生まれ変わっている、まさに原作が真の意味で傑出したストーリーであることの証だね」とこのストーリーが現代にも通じるところがあり、新鮮であるところに惹かれたとも続ける。ミステリーの名作が全く新しいエンターテイメントに生まれ変わった本作でのジョニー演じる悪役にも注目だ。

『オリエント急行殺人事件』は、12月8日(金)全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

Photo:『オリエント急行殺人事件』
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