信頼の証...でなく探り!?『BULL/ブル 心を操る天才』東地宏樹、古谷徹、竹内順子インタビュー(前編)

全米CBSネットワークにて2016年にスタートすると、たちまち大ヒットした『BULL/ ブル 心を操る天才』のDVDが6月20日(水)にいよいよリリースされる。主演のマイケル・ウェザリー(『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』『ダーク・エンジェル』)が演じるのは、実在の人物をモデルとした心理学者ジェイソン・ブル。そのブルが創設したTAC(トライアル・アナリシス社)に集まるスペシャリストたちが、心理学と最新テクノロジーを駆使して、裁判だけでなく、事件そのものを解決していく新感覚の新作ドラマだ。

吹替を担当するジェイソン・ブル役の東地宏樹さん、元検察官の弁護士であるベニー・コロン役の古谷徹さん、ブルの右腕的存在のマリッサ・モーガン役の竹内順子さんに、本作の見どころや演じるキャラクターの魅力を語ってもらった。そのインタビューを2回に分けてお伝えしよう。

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――本作は法廷を中心としながらも、法廷内にとどまらず様々な場所が舞台となり事件を解決するという斬新な設定ですが、どんな点が見どころでしょう?

東地:最初に驚いたのは、アメリカでは陪審員制度がこんな風になっていたんだということですね。陪審員たちを操って、裁判だけでなく事件そのものを解決していくというストーリーは初めてじゃないかと思います。それでいて、事件を解決するだけではなく、人助けもするんですよ。そのために各分野のスペシャリストが集まって、みんなで力を合わせて解決していくところが見どころですね。

古谷:日本とはあまりにも裁判のシステムが違うよね。最初はビックリしました。

竹内:陪審員を選ぶための仕事があるというのをこのドラマで初めて知りました。それに必要な分野が多岐にわたっていて、そのためにスペシャリストが集まっているというのがすごいですよね。

――TACには個性豊かなスペシャリストたちが揃っていますね。

古谷:本当にすごいチームですよ。マリッサは国土安全保障省の元職員で、ほかにも元FBI捜査官のダニー、ハッカーのケイブル、検事局の検察官のベニーなどとエキスパートが揃っていて、彼らの活躍が面白いですよね。

東地:チャンクは元アメフト選手でゲイの一流スタイリストですしね。

古谷:彼も異色ですね。

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――天才たちが法廷だけでなくTACのオフィスといったいろいろな場所で活躍するというのは観ていて楽しいですね。

竹内:TACのオフィスって、カッコイイですよね。

古谷:モニターがいっぱいあるからね(笑)

竹内:モニターがいっぱいあって、「すごい! これ、どこにどんなスイッチがあるんだろう?」とかいろいろ考えちゃったりしています(笑)

――犯罪捜査ドラマの司令室みたいな雰囲気ですよね。

竹内:もっとエピソードが進んだら、空中に映像が映し出されて、その映像をタッチして操作しそう(笑)

古谷:SFみたいだね(笑)

東地:ブルもTACのオフィスにいろんな人を呼んで、自慢しているよね。

竹内:そうそう(笑)

古谷:裁判の判決をシミュレーションするための擬似陪審員が付けている時計もSFみたいで気になるよね。脈を測ったりするヘルスメーターみたいになっていてすごく面白い。

竹内:あと、難しい言葉をこんな風に日常で使う人間がいるんだと思うぐらい、一つひとつの言葉にビックリすることが毎回ありますね。私はハイテク用語が苦手なので、ケイブルがいて良かったです(笑)

――毎回、作品のテーマとなる題材もユニークですね。

古谷:現代のアメリカの娯楽やライフスタイルがテーマになっていたりするんですよ。eスポーツ、人格を持つAIの自動運転プログラム、医療ロボットなどがテーマで、すごく興味深いストーリーになっているんです。この作品は法廷ドラマではないですね。

東地:題材選びが斬新で面白いですよ。

竹内:だから、最初はネタ切れするのが早いんじゃないかと思いました。

東地:そこはちょっと不安だったけど(笑) でも心配ありませんでしたね。

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――テーマも斬新で、謎解きもありと、法廷ドラマの枠にとどまらない作品ですね。

東地:毎回、どういう話なのかと台本をチェックするのが楽しいです。

竹内:そういうストーリーの中で本作の良いところは、最後にちゃんと悪いと思われる人が浮き出されることですよね。

古谷:そう。法廷内でドラマが終わるわけじゃなくて、必ず真犯人を突き止める。

東地:裁判で勝つだけじゃなくて、その先があるというのも面白いですよね。

竹内:勧善懲悪な人情的なものを感じますね。何が正義かというよりも、その人の今後の人生が大事になるかというのを根本にしているんじゃないかなと思います。

東地:そうですね。人情がドラマの根本にありますよね。

古谷:ブルたちが、クライアントの人間性、生活環境、その人の未来まで考えてくれている感じはありますね。

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――主人公のブルについて感じる魅力や、吹替時の役作りをどのように考えていますか?

東地:ブル役はあまり格好良くならないように、と言われていたんです。ブルは頭が良いし、軽妙な感じではあるんですけど、そこで格好良くなりすぎないようにと言われてスタートしました。

竹内:ブルはお茶目ですよね。

東地:そうですね。ブルは人と接する時に何かを食べながら話したり、無茶なことを言ったりするんですけど、その裏には父親からひどい目に遭わされた辛い過去があるんですよね。TACというチームを組む以前は一人で仕事をしていたんですけど、ある失敗で考えを変えて仲間を作るんですよ。そのチームの中でとにかくベラベラ話すんです(笑)

古谷・竹内:(笑)

東地:そのベラベラ話すことがうまく作用して、ブル自身がいろいろな面を持つ人に見てもらえたら良いなと思って演じています。

――ブルはよく話す一方で、物静かに思考する知的な大人の面もありますね。

東地:仕事をしている時はそういう面もありますね。陪審員の誰を選ぶか考えている時は、冷静沈着に物事を進めていく感じです。

古谷:ブルって女性にモテモテでずるいですよね(笑)

東地:出てくる女性と必ず絡みますね(笑)

古谷:しかも、みんな美人じゃないですか。それで、必ず口説くけど、最後まではいかないんですよ(笑)

東地:結構、ひどい目に遭ったりしますね。お酒を飲んだ翌朝にズボンがなくなっていたりとか(笑)

竹内:ブルは、そこはかとなくイタズラ心があるキャラクターですよね。東地さんが演じているからなのか、本人がそうなのか分からないですけど。

東地:いや、ブル本人がそうです(笑) 演じているマイケル・ウェザリーさんご本人も、自分でこの企画を持ち込んだというか、これをやりたいと言っていたそうで、この作品に相当気合いが入っていますよね。

古谷・竹内:そうなんだ。

東地:『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』という長寿シリーズのレギュラーを降りてまでの出演ですから、この作品に賭けているんじゃないでしょうか。

竹内:えー! そうなんだ。

古谷:相当この作品に入れ込んでいるんだね。

東地:それが演技にも表れていると思いますよ。

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――そのブルと元義理の兄弟という設定のベニーは、どのようなキャラクターでしょう?

古谷:ベニーはブルほど軟派じゃなくて、すごく正義感が強くて真面目なキャラクターなんです。でも、クールなだけではなくて、やっぱり熱くなる時は熱くなるのが魅力ですね。敏腕検事だったんだけど、検事局を辞めて、それからは弁護士として元義理の兄であるブルのところでお世話になっているんです。

――女性の竹内さんから見て、ブルとベニーのどちらに魅力を感じますか?

竹内:ベニーです!

東地:回答が早い(笑)

古谷:(笑)

竹内:ブルはあのイタズラ心とお茶目さで自分の心を隠しているというのが、ちょっと女性からすると敬遠したくなるかな。マリッサもそう思っているんじゃないでしょうか。ストレートに誠実さを見せてくれる男性の方が女性は惹かれると思います。

古谷:それは竹内さんの好みでしょ(笑)

竹内:(笑)

――ブルは、第1話のラストで陪審員の一人と話すシーンでも、心を隠しているという感じがありましたね。

東地:何か本音を隠しているようなところがありますけど、彼の根本には人助けというか正義感があるんだと思います。ブルは曲がったことは引き受けないというか、この人が無罪であると確信しないと引き受けないので。まあ、たくさん報酬をいただける事件とかも引き受けますけどね(笑)

古谷・竹内:(笑)

東地:そういう高額報酬事件も扱う一方で、一銭にもならないこともやったりするからメリハリがあって面白いですね。

何が信頼の証でなく探りなのかも明かされるインタビュー後編は明日お届け。お楽しみに!

Photo:『BULL/ブル 心を操る天才』
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