『キャッスル』の製作陣が贈る『Take Two』、落ち目の女優と探偵がタッグを組む!

米ABCで放送中のクライム・コメディー『Take Two(原題)』は、反発しあう男女の探偵コンビの活躍が魅力のシリーズだ。落ち目のTV女優が探偵の役に厚みを付けるべく、本職の私立探偵とペアを組んで難事件に挑む。スキャンダルにまみれたスター女優が踏み出す、人生の「テイク2」の成否は果たして――。

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♦ドラマ出身者は探偵業に最適!?
刑事ドラマのスター女優サム・スウィフト(レイチェル・ビルソン)は、立て続けに不幸に見舞われる。フィアンセから婚約を解消された上、8年間続いたTVドラマは打ち切りに。記憶を無くすまで飲み続け、全裸で発見されるスキャンダルを起こしてしまう。そんな彼女にインディ映画の探偵役としてのオファーが舞い込むが、探偵としての演技が磨かれていることが絶対条件。

幸運にも、彼女のマネージャーの元カレは、現役の私立探偵。彼の下で探偵業のトレーニングを積めば、映画の配役を射止めたのも同然。連絡を受けた探偵エディ・ヴァレティック(エディ・シブリアン)は女優のお守役を押し付けられ激昂するが、どうやら元カノには相当な借りがあるらしく、渋々サムのトレーニングを引き受ける。

お荷物と思われたサムだが、いざエディと事件の調査に乗り出すと、意外にも探偵として優れた資質が。役者だけあって被疑者の表情の微妙な変化を見抜くほか、かつてシナリオに登場した粉塵爆発にも詳しい。反発し合う凸凹コンビの事件調査がスタートする。

♦いがみ合う二人に恋の予感
軽快なタッチの本作は、事件そのものの複雑さというよりは、キャラクターの魅力がPRポイント。楽天的な女優サムと本職の探偵エディは、両極端なようでいて互いを補い合う名パートナーだ。米TV Guideは、事件の解決を重ねるにつれ、二人が徐々に好意を抱いていく様子に注目している。

両者とも元恋人の姿が画面に登場するが、それでもサムとエディの間に恋が芽生えるのでは、と米CNNはレビュー記事の中で期待を寄せる。サムは刑事ドラマでの知識を実戦で見事役立てる反面、ドラマの知識と現実との違いに気付かず危険な目に遭うことも。その危うさも含めて、好感の持てるキャラクターになっている。

子守役を押し付けられたエディはサムを邪険に扱うが、決してシリアスで険悪な雰囲気になることはない。互いにしかめっ面を向けつつも、気楽なトーンを醸し出している。

♦プロデューサー陣も名コンビ
本作の製作陣は、同局の看板番組『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』を世に送り出した、テリー・エッダ・ミラーとアンドリュー・W・マーロウ。脚本家としても活動する二人は、1997年に結婚している夫婦のコンビだ。

両氏が贈る本作についてTV Guideは、美男美女、笑える皮肉、そして頭をひねるミステリが43分間に凝縮された、気軽に観られるシリーズだと表現。それ以上の重厚さを求めることはできないが、夏の暑い日をエアコンの効いた部屋で過ごすには、打って付けのお供だ。

米Los Angeles Timesは、プロデューサー両名の手がけた前作『キャッスル』との類似を指摘する。犯罪捜査のプロが素人と渋々ペアを組むが、素人の意外な能力が発現する、というプロットがどちらの作品にも共通している。驚くような展開もあれば少々既視感を感じる部分もあるが、それも含めて一緒に観る友人とあれこれ言いながら楽しむのがオススメだ。

クライム・コメディー『Take Two』は米ABCで放送中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『Take Two』
(C)ABC Studios.