『ウォーキング・デッド』の視聴率ダウン、『NCIS』ら長寿ドラマと比べても深刻?

米AMCにて2010年にスタートし、現在シーズン9が放送中の大人気パニック・サバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』。全米でここ数シーズンの視聴率が右肩下がりになっていることについて、米Hollywood Reporterが他の長寿ドラマを引き合いに出して比較・分析している。

前シーズンからのクリフハンガーでスタートしたシーズン7の第1話が、放送当日としてはシリーズ史上2番目に多い1702万人もの視聴者を獲得(見逃しも含めると2150万人)したのは2年前。しかしそこから下り坂となり、シーズン9はシーズン7に比べて18~49歳の層でレーティングにして61%減(5.4→2.1)、視聴者数だと53%減(1135万人→535万人)。第2話と第3話はそれぞれ500万人前後と、シーズン1以来の低さをマークしている。

これを受けて、Hollywood Reporterは他の長寿番組のシーズン7とシーズン9のデータを比較。比較対象には、『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』『グレイズ・アナトミー』『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』『モダン・ファミリー』『アメリカン・アイドル』が選ばれた。

その結果、他の番組では18~49歳の層では平均して、レーティングが22%減(『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』は該当データが見つからなかったため除外)、視聴者数が16%減。ダウンが最も大きい『モダン・ファミリー』でもレーティングは38.5%減、視聴者数は28%減と、『ウォーキング・デッド』ほど大きな落ち幅を計測したものはなかった。

もちろん、ここ数年のプラットフォーム急増はドラマ界全体の視聴率低下を招いた。『ビッグバン★セオリー』のスピンオフである『Young Sheldon(原題)』や『グッド・ドクター 名医の条件』『殺人を無罪にする方法』なども25%程度ダウン。しかも、『ウォーキング・デッド』が放送されているケーブルではスポーツ番組やニュース番組、トーク番組が上位を占め、レーティングが1.0以上を記録するようなドラマ作品が全体の1%にも満たないことを考えれば、同作は十分な成績を上げていると言える。AMCの過去の作品と比べても、ファイナルシーズン後半までは視聴者数が400万人以上を超えることがなかった『ブレイキング・バッド』をはじめ、『MAD MEN マッドメン』も『ベター・コール・ソウル』も決して多くの視聴者を獲得しているわけではない。

過去の栄光がずば抜けていたがゆえに現状が際立ってしまう『ウォーキング・デッド』。今後の動向を気長に見守っていきたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:リック、マギーが去ることが決定している『ウォーキング・デッド』シーズン9。彼らが去った後に視聴率にもさらなる動きがあるか?
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