『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』から2年。累計世界興収1兆円を叩き出し、シリーズ映画史上ナンバー1の"ハリー・ポッター魔法ワールド"最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は絶賛上映中。11月23日から公開した本作は、7日間で興収20億円突破! 前作同様"ファンタビ"現象を巻き起こしている。パワーアップした本作から登場するマレディクタス(自らの意志と関係なく動物に変身してしまう"呪われた血")のナギニを演じるクローディア・キムに直撃インタビュー! 来日の感想はもちろん、自身の役柄やクリーデンス役のエズラ・ミラーとの撮影裏話を語ってもらった。
――11月21日(水)にジャパンプレミアが行われましたが、ファンのみなさんにお会いしていかがでしたか?
素晴らしかったわ。日本のファンの方はとても熱狂的だと聞いていたけど、実際すごかったわ。ファンのみんなの作品に対する情熱にもビックリしたし、作品を楽しみにしているということが伝わってきたの。
――日本食は食べましたか?
まだ外に出掛ける余裕がないので、ホテルの日本食なら(笑) アメリカで育ったんだけど(編集注:韓国生まれだが、子ども時代に6年ニュージャージーで暮らす)、当時は韓国料理がなかったから、和食をよく食べていたの。だから、日本食は元々好きなの。
――演じるナギニの魅力を教えていただけますか?
まず、ナギニは蛇に変身できるキャラクターなんだけど、『ハリー・ポッター』シリーズにおいて蛇というのは特別な生き物よね。『ハリー・ポッター』シリーズの背景を本シリーズで描く(原作者)J・K・ローリングは素晴らしいわ。天才よね。そういうところがファンにはたまらないんだと思う。
ナギニの物語は始まったばかりなの。彼女はたぶんこれからトム・リドルに会って、パーセルタング(蛇と話をできる者)になるのか、あるいは蛇にならない道を選ぶのか、という心の葛藤が描かれていくと思うわ。
ナギニはとても複雑なキャラクターだから、役者としてそういうところを掘り下げて演じていくことができるのは光栄よ。それに、蛇になる経験なんてそうそうないし(笑) そういう本能的な部分を探っていくような役はなかなかないから。
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――役作りをする上で、意識した点や工夫した点はありますか?
ムーブメントコーチから様々な所作を学んだわ。その人(アレックス・レイノルズ)は、(ニュート役の)エディ(・レッドメイン)が主演した『リリーのすべて』や、1作目(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)のダンスシーンも担当した人なのよ。彼に教わった理由は、(蛇に)変身するシーンや、ナギニがクリーデンスに抱き着く時とか、すがる際に、自分の中にある2パーセントの蛇を意識して動く必要があったからなの。デヴィッド(・イェーツ監督)から、このシーンでは5パーセント、ここでは2パーセント(の蛇を出すように)、といったふうに言われていたのよ。
ナギニは本当に繊細で、この先どうなるんだろうっていう不安を抱えているの。そして自分の中の本能が研ぎ澄まされていて、周りの危険を常に察知しようとしている。そういった彼女の感情に、所作で学んだことを活かしていたわ。
――ちなみにナギニが蛇に変身できるキャラクターということで、ご自身が変身してみたい動物や人物はいますか?
う~ん(少し考えて) 『X-MEN』シリーズのミスティークなんてクールよね。彼女は人間でもほかの動物でも好きなものに変身できるから。あと、『ハリー・ポッター』で出てくるポリジュース薬が欲しいかな。お互いに変身できる薬。とても面白いわよね。中身は一緒なのに、全く違う人間になっているっていうのって。
特定の人を挙げるなら...(少し考えて)悪い人たちに変身してみたいかな。悪人が好きなのよね。ベラトリックスとかヴォルデモートとか。きっと面白いわ(笑) とても印象的な人たちよね。
――ナギニの衣装について聞かせてください。以前インタビューで「あの衣装にはナギニの美しさと悲運が込められていると思う」と話されていましたが、悲運さはどこに表れているのですか?
まずは色ね。いわゆる"ナギニ"の緑色ではないのよね。分かりやすい色じゃないんだけど。衣装を担当したコリーン(・アトウッド)がなぜこの色にしたのかは分からないんだけど、人間としてのナギニを象徴しているんだと思うの。
そして形はとてもグラマラスなんだけど、よく見ると破れているの。彼女が毎日毎日サーカスで着ていたから。レースで出来ているんだけど、彼女にとっては皮膚をもう1枚まとっている感覚なの。ちなみに、その下には下着も何も着けていないから、本当に皮膚をまとっているような感じなのよ。
だから、あのドレスはグラマラスで美しさを象徴しているけれども、ナギニにとっては重荷なの。ナギニは初登場のシーンでドレスに触れているけど、それは彼女にとって蛇の皮を触っているような、そこから逃れたいということを象徴したシーンなのよね。
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――ナギニは主にクリーデンスと行動を共にしていますが、同役を演じるエズラ・ミラーさんとの撮影はいかがでしたか? また、撮影の合間などで印象に残っていることはありますか?
彼は本当に面白い人で、とてもエネルギッシュなの。『ハリー・ポッター』シリーズに出られるという情熱にもすごいものがあって。彼がいて本当に助かったの。何か知りたいことがあれば、エズラに聞いたらすぐ分かるから(笑) 彼の集中力はすごいの。ハイテンションな状態から一瞬で集中できるのよ。
エズラとはいつも本当にお互いを頼っていたの。屋根の上での撮影は本当に寒くて、お互いに体を寄せ合って温め合っていたの。ロンドンはすごく寒かったのよ。特に私はご存じの通り、あの薄い衣装だから(笑)
それから、予告映像でしか見られないけれど、ナギニが屋根の端、ギリギリのところを歩いているシーンがあるの。しかもヒールを履いて、上を見ながら。本当にあのシーンはパフォーマーにならないといけなかったわ。
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あと、グリンデルバルドとクリーデンスと一緒にいるシーンも大変だったわ。そこでグリンデルバルドが話しているんだけど、とても傾斜のきつい場所だったから私はどんどん滑り出してしまって(笑) (グリンデルバルド役の)ジョニー・デップが"大丈夫?"って気にしちゃったくらい(笑) あのシーンではクリーデンスと二人でしがみついていたの。冷静に見えるんだけど、足元では必死で頑張っていたのよ。
――文字通り、支え合っていたんですね。
そうなの。周りからは"大丈夫? もし落ちたら絶対支えるからね"っていう状態だったわ(笑)
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――本作を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
本当にいろいろなものを見てもらえると思う。視覚的にもエンターテインメントを楽しんでもらえると思うわ。1920年代のパリっていうのは素晴らしいのよ。エズラがいつも言っていたの、"パリには本当にマジカルな歴史があるんだ"って。登場するニコラ・フラメルは実在した人物なので、そういった事実をちゃんとJ・K・ローリングが物語に取り入れて、映画の中でさらに膨らませているなんて素敵よね。それから美しくて大きなビーストが見られるわ。
そして、本作ではいろいろな複雑な感情が絡み合うわ。1作目はみんなの紹介的なところがあったと思うの。"ニフラーってかわいい""ビーストがいる""ニュートがいる"みたいな感じだったけど、今作はもっと深く掘り下げた物語で、みんなが自分たちのアイデンティティを探しているところなの。旅路の途中なのよ。
そして、友情とか愛といったものの大切さが描かれているわ。自分自身を見つめることもね。みんなそれぞれに"選択"という自由が与えられているの。白黒つけられるような単純な善悪ではないのよ。
――ナギニに関して注目してほしい点は?
ナギニの中に渦巻いている、複雑な感情を見てもらいたい。クリーデンスに一縷の望みを持っているところとか。彼女は自分自身の旅路を進むだけの力強さを持っていると思うわ。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は全国で大ヒット上映中!
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Photo:
クローディア・キム
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
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