米AMCで2008年より5シーズンにわたって放送され、世界中で社会現象を巻き起こすほどの大ヒットとなったドラマ『ブレイキング・バッド』が映画化されるというニュースは当サイトでもお伝えしてきた通り。ただしその映画版は、劇場ではなくお茶の間で見られることになるようだ。米Deadlineなどが報じている。
関係者の話によると、この映画版はまず米Netflixで配信され、その後にドラマ版の放送局であるAMCにて放送されるという。両社の担当者、また製作側のソニー・ピクチャーズからは正式なコメントは発表されていない。
オリジナルの放送局を差し置いて先行配信されるというのは異例だろうが、今回の場合は意外でもないかもしれない。ドラマ版は2008年からAMCで放送されたが、地味な題材なこともあって当初は全米での視聴者数が100万人台。しかし放送後まもなくNetflixで配信されたことで徐々にファンを増やし、シリーズ最終話は1028万人がTVで視聴するほどの人気作へと成長した。2013年のエミー賞でついに作品賞を獲得した際、クリエイターのヴィンス・ギリガンはその受賞スピーチでNetflixに感謝している。
現在「Greenbrier」というコードネームで呼ばれているこの映画プロジェクトで主役になるのは、ドラマ版の主人公ウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)の相棒だったジェシー・ピンクマン(アーロン・ポール)。シリーズフィナーレで捕らわれの身だったが自由となったジェシーのその後の人生が描かれる。ギリガンがプロデューサーと脚本、そして監督も担当。製作総指揮にはギリガンのほか、それぞれドラマ版とスピンオフドラマ『ベター・コール・ソウル』で同職を務めるマーク・ジョンソン、メリッサ・バーンスタインも名を連ねる。
映画版は、『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』のロケ地であるニューメキシコ州のアルバカーキで昨年11月より撮影中。ジェシーを演じるアーロンは、『ブレイキング・バッド』ドラマ版終了後はヒュー・ダンシー(『ハンニバル』)共演の米Huluドラマ『THE PATH/ザ・パス』に3シーズンにわたって出演。現在は米HBOのSFサスペンス『ウエストワールド』のシーズン3、そして米Appleの新作スリラードラマ『Are You Sleeping(原題)』が控えている。
映画館ではなくお茶の間で視聴できそうな映画版『ブレイキング・バッド』。今後の動向にも注目したい。(海外ドラマNAVI)
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『ブレイキング・バッド』
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