アメリカのセレブって一体何者?三大セレブ一家からそのパワーの秘密を探る!

「メディア王」と称される実在の人物、ルパート・マードック氏をモデルにしたと言われるドラマ、それが『メディア王~華麗なる一族~』だ。本作は、巨大メディア産業を束ねる富豪一族の長であるローガン・ロイと、その子どもたちを中心に、権力の座の後継争いを複雑な人間関係とともに、シニカルに描く注目のシリーズ。3月6日(水)からのDVDレンタル開始を記念して、ハリウッドから政治界まで、アメリカを騒がせ夢中にさせるセレブの情報に詳しいライター・長坂陽子のコラムを紹介しよう。日常的に話題に上り、羨望やゴシップの対象になるセレブたち。アメリカで暮らす一般の人々にとっての"セレブ"とはどんな存在なの? そのパワーや人気の理由をアメリカ三大セレブから探ってみよう。

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「セレブ」と一言で言ってもハリウッドに生息する女優たちからビジネス界を牛耳る実業家たちまで様々。ゴージャスな暮らしを明かして世界中をびっくりさせる「見せたがり」ファミリーがいる一方で、プライベートは見せない一族も。一体セレブとはどんな人たちなのか? 実際のセレブの事例を検証してみたい。

アメリカのセレブと言われて、まず思い出すのがカーダシアン家。有名弁護士ロバート・カーダシアンとタレントのクリス・ジェンナーとの間に生まれたキム・カーダシアンを筆頭とするカーダシアン三姉妹の名前は聞いたことがあるのでは? マスコミに登場しない日はないくらいの人気者だけれど、彼女たちのパワーはまさに「知名度」と「お金」。リアリティ番組に出演、お騒がせなニュースを振りまきゴシップ誌を賑わせて自分たちの名前を広めつつ、コスメ&ファッションブランドでしっかり稼ぐ。最近ではSNSも味方に自分たちの宣伝に余念がない。その分、本物のセレブに欲しい"気品""家柄"があるかと言うと...その点は大きな弱みと言えるかも。

家柄の点でカーダシアン家より優位に立てそうなのはヒルトン家。ご存知パリス&ニッキー・ヒルトンを生み出したヒルトン家は世界中にホテルチェーンを持つ実業家一家。20世紀初めからホテル経営に乗り出し今では老舗と呼ばれるヒルトンホテル。パリスのおかげでお騒がせ一家として有名になってしまったけれど、アメリカセレブに欠かせない「ブランド」力を誇っている。

セレブは実業界だけではない。政治界にも存在する。二人の大統領を生み出したブッシュ家や不幸な事件や事故に巻き込まれた歴史を持つケネディ家などがいるけれど、今一番注目を集めている政治系セレブといえばトランプ家。もともとは不動産王として財をなし、リアリティ番組『アプレンティス セレブたちのビジネス・バトル』の司会も務めていたドナルド・トランプ大統領。現在は、ホワイトハウスでアメリカだけでなく世界中を巻き込んで騒ぎを起こしているけれど、それも「影響力」があるからこそ。「影響力」もアメリカセレブに欠かせないパワーのひとつだろう。SNSの"インフルエンサー(影響力のある人)"がセレブとしてもてはやされるのもそう考えると当然かもしれない。

業界は違えども、この3ファミリーに共通している点がある。それは「マスコミ好き」ということ。それぞれリアリティ番組に出演したり、レッドカーペットに登場したり。プライベート動画の流出や警察沙汰、SNSでの炎上発言もマスコミの目を意識して積極的に起こしている気配が濃厚なのだ。彼ら、彼女たちがなぜそんな手を使うのか? それはズバリ、アメリカ人が求めているから。私たち日本人やイギリス人のようにロイヤルファミリーを持たないアメリカ人にとって、リッチでパワーのあるセレブたちはそれに代わる憧れの存在と言えるのかもしれない。とはいえ、ロイヤルファミリーに比べて品がなくて隙だらけなのがこれらマスコミ好きなセレブのいいところ(?)。憧れつつ、彼女たちがバカをやれば、からかったりつっこんだりできるというわけ。セレブたちはマスコミを賑わすことでお金や影響力を手に入れ、テレビの前の観客はセレブたちを見て笑ったり、怒ったり、ドキドキしたり...。つまり持ちつ持たれつなのである。

実際のセレブたちがこれだけ人気なのだから、そのセレブをカリカチュアしたドラマの中のセレブたちはさらに人気! アメリカのテレビ界ではこれまでも多くのセレブドラマが愛されてきた。

オイルマネーで大富豪になったユーイング一家が繰り広げる愛憎渦巻く人間関係を世代に渡って描いたドラマ『ダラス』と『DALLAS/スキャンダラス・シティ』、ニューヨークを舞台に家族間の確執やゴージャスなライフスタイルを暴く『ダーティ・セクシー・マネー』、セレブが暮らすニューヨーク州の南東の避暑地ハンプトンズでドロドロの復讐劇が繰り広げられる『リベンジ』などはその代表例。そしてそのセレブドラマ史に新たに名前を刻むこと間違いなしと言われる作品がこの『メディア王~華麗なる一族~』だ。

ドラマの主役ローガンのモデルとなっているのは実在のメディア王ルパート・マードック。マードック家は映画会社20世紀フォックスや出版社ニューズコーポレーションなどを所有するメディアコングロマリットを所有。メディアの力を武器に、政治やビジネスにも大きな影響力をふるっている。ルパートはプライベートでも注目を集める存在。4回の結婚歴を持ち、どの結婚も話題性ではドラマさながら。特に3人目の妻で中国出身のウェンディ・トンは中国共産党指導部のスパイだという噂が流れたり、ルパートと離婚後ロシアのプーチン大統領と交際したりと、いわくありげな人物なのだ。4人目の現妻ジェリー・ホールは25歳も年下で実はミック・ジャガーの元妻でもある。

こんなルパートとその一家がモデルになっているだけに、ローガンと彼を取り巻く家族の行動はドラマなのにリアル。また『ゲーム・オ ブ・スローンズ』の製作チームが手がけているため、リアルなのにとてもドラマティック!

巨大メディアを一代で築き上げたローガンは子どもたちに会社を譲ると言っていたが、ある日突然、前言撤回。これからもCEOとして牛耳っていくと涼しい顔で言い放つ――。後継者の座が欲しくてこれまで従順にしていた次男を始め、4人の子どもたちは愕然とする。腹の中、心の底に隠し持っていた恨みや怒り、欲望が一気に噴出。金と地位、権力を巡って一族が熾烈な争いを繰り広げる、そのなりふり構わない様子を見ていると、人間の欲望の滑稽さに笑ってしまうほどだ。

毎日マスコミを賑わせるセレブたちに慣れてきちゃった、もっと生々しいニュースが欲しい! と思っているセレブマニアにこそチェックして欲しい作品。刺激的なストーリー展開の虜になるはずだ。

『メディア王~華麗なる一族~』商品情報

・3月6日(水) DVDレンタル開始
<シーズン1>各巻2話収録/全10話収録/各話約50分
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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『メディア王~華麗なる一族~』
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