米HBOで1999年から2007年まで続いた『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』のクリエイター、デヴィッド・チェイスが自身の犯した失態について語った。米Deadlineが伝えている。
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『ザ・ソプラノズ』クリエイター、CIAの洗脳実験を描くスリラードラマを制作
HBOの大ヒットシリーズ『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』の …
ドラマ内で語られていたのとはまったくの別人に
エミー賞をはじめ数々の賞に輝いた『ザ・ソプラノズ』終了後、20年近くほとんど作品に関わっていなかったチェイス。しかし、水面下では仕事をしていたという。
「いろいろ脚本は書いていたんです。でも、どれも買ってもらえなかっただけのことですよ。単純に運がなかったんです。HBOでどうしてもやりたい企画があったんですが、向こうは乗り気じゃありませんでした。結局、予算の問題で立ち消えになり、ほかの会社も手を挙げませんでした」
「その後、『ザ・ソプラノズ』の前日譚と呼ばれた作品を作りました。でも、私は最初からあれを前日譚だとは思っていませんでした」とチェイスが語るのは、2021年公開の映画『ソプラノズ ニューアークに舞い降りたマフィアたち』。1960年代から1970年代のニュージャージー州ニューアークを舞台に、トニー・ソプラノの叔父ディッキー・モルティサンティ(クリス・モルティサンティの父親)を主人公にした作品だ。

チェイスは当初、この作品を単なる『ザ・ソプラノズ』誕生秘話ではなく、一部だけがオリジンストーリーとなる作品にしたいと考えていたが、その意識が強すぎて大きな失敗を犯してしまった。「残念ながら、その要素が作品全体を支配してしまいました。はっきり言いましょう。私たちは失敗しました」
「クリストファーの父親であるディッキーというキャラクターについては、『ザ・ソプラノズ』の中でずっと話題にしてきました。麻薬とアルコールの依存症で、気が狂った人物として話題にしていたんです。ところが映画に出てきた本人は、ドラマで紹介していたような人物ではなくなっていました。その人物設定をどうして忘れていたのか、自分でも分かりません。当時私たちが気にしていたのは、とにかくディッキーとトニー・ソプラノを似たような人物にしたくないということでした。トニーのように怒りっぽい愚かな男に見えてしまうことを避けたんです」
そんなチェイスだが、現在は『ザ・ソプラノズ』以来となるドラマシリーズ――HBOのリミテッドシリーズ『Project: MKUltra(原題)』を企画・開発中。ジョン・リズルのノンフィクションノベル「Project Mind Control: Sidney Gottlieb, the CIA, and the Tragedy of MKULTRA(原題)」をもととするこの作品は、1950〜1960年代にCIAが極秘裏に実施した洗脳・精神操作計画「MKUltra」の実態を描く。主人公はCIAの化学者・工作員シドニー・ゴットリーブ。“黒い魔術師”とも呼ばれた彼は、冷戦時代に幻覚剤LSDを用いた危険な人体実験を指揮し、多くの被験者に取り返しのつかない被害を与えた人物として知られる一方、LSDカルチャー誕生の知られざる立役者ともされている。

なぜLSDを題材に選んだのかを尋ねられたチェイスは「多分、若い頃にLSDをやったからでしょうね。中毒だったわけではありませんが、8、9回は使いました。あれは私の人生を変えたと思いますし、いまだによく理解できない体験です。そんなものをアメリカ政府が兵器にしようとして、結局、大失敗に終わった。LSDは兵器なんかじゃありません。精神的・霊的な体験なんです。だからこそ、これは題材になると思いました」
チェイスは現在、この題材をHBOのリミテッドシリーズ、長編映画という二つの形で進めている。当初は映画化することしか考えていなかったが、代理人から「HBOと包括契約を結んでいるのだから、まず許可を取るべき」と言われ、HBO側に企画を説明すると「ぜひやりましょう」と即答されたため、ドラマと映画の両方で描くことにしたという。
また、今後は再びイタリア系アメリカ人を主人公にした作品も作りたいと語る。「イタリアでは、過疎化した町の家が驚くほど安く売られています。アメリカでの将来に不安を感じる人も多く、こうした家を買って移住する人が増えているんです。そんなイタリア系アメリカ人4人が祖国へ戻り、思いもよらない出来事に出会う――そんな映画を作ってみたいですね」
『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』全6シーズンと『ソプラノズ ニューアークに舞い降りたマフィアたち』、『ザ・ソプラノズ』ドキュメンタリーは、U-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)










