2004年より8シーズンに渡って放送された米FOXの大ヒットメディカル・ドラマ『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』。放送開始から今年で15年になる。かなりの変わり者だが優秀な医師ハウスを中心とした本作は、それまでの医療ドラマとは異なるアプローチで視聴者を魅了した。実は、本作には現在も様々な作品で活躍しているキャスト陣が勢揃いしている。そこで、『ドクター・ハウス』でブレイクした俳優たちの現在を追ってみよう。
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■ヒュー・ローリー(グレゴリー・ハウス役)
Not sure why I decided to conceal how happy I was at this moment. Love to the second line. #DrJohn pic.twitter.com/Oi8FLQkmGK
— Hugh Laurie (@hughlaurie) June 22, 2019
杖を突きながら歩きバイクに乗り、患者には毒舌で診療するという強烈な印象を残したハウス医師。そんなインパクトのあるキャラクターを演じたイギリス出身のヒューは、当時45歳だった。本国ではすでにある程度の地位を築いていた俳優だったが、本作をきっかけに世界中で大ブレイクする。本来のイギリス英語をアメリカ英語に変え、8年演じたハウス役によって、杖のせいで逆に足が本当に悪くなってしまったという気の毒なエピソードも。
そんな彼は、本作が2012年に終了したあとは俳優業を休み、共演者のジェシー・スペンサーや『ER 緊急救命室』のスコット・グライムスらと俳優で構成されるチャリティーカバーバンド「Band from TV」を結成し、ライブツアーやアルバムのリリースも果たす。そして、ジョージ・クルーニーと共演した2015年公開の『トゥモローランド』などにも出演し、映画業界でも躍進。2016年の英国ドラマ『ナイト・マネジャー』でTVシリーズ復帰を果たした。『ナイト・マネジャー』 では、製作総指揮を務めるとともにトム・ヒドルトン演じるジョナサン・パインに敵対する極悪非道なリチャード・ローパーを演じている。
またサスペンスドラマ『Chance(原題)』にも主演したが、残念ながらシーズン2で打ち切りが決定。米Huluオリジナルシリーズのダーク・コメディ『Catch-22(原題)』ではメインキャストの一人を務め、今年後半に欧州と全米で公開される映画『The Personal History of David Copperfield(原題)』にも姿を見せる。
さらに、米HBOによる新作SFコメディ『Avenue 5(原題)』 では主人公ライアン・クラーク船長を演じる。同作は今から40年後の未来を舞台に、宇宙旅行が当たり前になった世界での物語。すでにシリーズ化が決定しているため、今までにない面白いヒューの宇宙飛行士姿が期待できそうだ。
■ロバート・ショーン・レナード(ジェームス・ウィルソン役)
気難しいハウスの親友であり続けるウィルソン医師を演じたのは、子役時代から活躍するロバート。1989年の感動映画『いまを生きる』や、キーファー・サザーランドとの共演作『乱気流/グランド・コントロール』などの映画や舞台をメインに活躍してきたロバートだが、本作で初めてTVドラマシリーズに出演。
その後は、医療ドラマの金字塔『ER 緊急救命室』 のジョン・カーター役でトップスターとなったノア・ワイリー主演のSFドラマ『フォーリング スカイズ』にロジャー・カダル役で出演。その他『ブラックリスト』『グッド・ワイフ』『バトル・クリーク 格差警察署』『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』など数々のヒット作にもゲスト出演している。現在は、法廷ドラマ『グッド・ワイフ』で主人公アリシアを演じたジュリアナ・マルグリーズが主演する米ナショナル・ジオグラフィックの新作ミニシリーズ『The Hot Zone(原題)』にも出演中だ。
また、映画からは少し足が遠のいているようだが、元々舞台出身でトニー賞受賞歴もあるロバートは、シアターには頻繁に登場している。2017年にはジェイク・ギレンホール主演のブロードウェイ・ミュージカル『Sunday in the Park with George(原題)』に、2018年には演劇『Edward Albee"s At Home at the Zoo(原題)』で主役を演じている。
■リサ・エデルスタイン(リサ・カディ役)
Admittedly, I hammed it up at the @TheEmmys #scenestealers panel for @Netflix. BECAUSE IT WAS A SCENE STEALER PANEL. Anyway, it was super fun. Thx to @DEADLINE @petehammond for being a kick ass moderator. #kiastevens #michaelkelly #Charliebarnett #jharreljerome #christinekromer pic.twitter.com/v99iiZ0xkw
— Lisa Edelstein (@LisaEdelstein) June 1, 2019
病院長カディを演じていたリサは、シーズン7までハウスの良き理解者として登場。演技のキャリアは長く、『アリー・myラブ』シーズン4で、マーク(ジェームズ・レグロス)といい仲になる美女男性シンディ役で覚えている人も多いかもしれない。
そんなリサは、『グッド・ワイフ』『スキャンダル 託された秘密』『エレメンタリー ホームズ&ワトソンin NY』『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』などにゲスト出演。マイケル・ダグラスとアラン・アーキンが共演するNetflixオリジナルシリーズ『コミンスキー・メソッド』にフィービー役で出演中だ。また、『ドクター・ハウス』のクリエイターが贈る『グッド・ドクター 名医の条件』のシーズン2から医師役として登場。こちらではカディを思い起こす人も多いかもしれない。現在製作中のTV映画『Confessions of a Sociopath(原題)』では脚本と主演を担うなど、マルチな才能を発揮している。
■オマー・エップス(エリック・フォアマン役)
The #SwaggerSquad will never disband. Thanks for making #ShooterTV a part of your lives--you'll always have a place in ours. pic.twitter.com/ngSo5c1oef
— Shooter (@Shooter_USA) September 14, 2018
超優秀だがハウスと対立することも多い、アフリカ系アメリカ人の部下。1992年のラップ・ミュージック青春映画『ジュース』に主演し、その後も映画『メジャーリーグ2』や『スクリーム2』などに出演。突出すべきは、『ドクター・ハウス』より前に北野武監督・主演映画『BROTHER』で北野武の演じる山本と交流あるデニーを演じていることだ。
『ドクター・ハウス』で一気にお茶の間に名前を広めたオマーは、『よみがえり ~レザレクション~』のJ・マーティン・ベラミー役で主演を務め、ライアン・フィリップ主演のアクションドラマ『ザ・シューター』ではシーズン1からレギュラーとして出演している。現在製作中のホラー映画『Trick(原題)』では刑事役を演じ、SF映画『3022(原題)』ではケイト・ウォルシュとの共演が決まっている。
■ジェシー・スペンサー(ロバート・チェイス役)
本人と同じくオーストラリア出身で、イケメン医師チェイスを演じたジェシーは、『ドクター・ハウス』終了直後から始まったシカゴシリーズの大ヒット作『シカゴ・ファイア』でマシュー・ケイシー役を務めている。クロスオーバーも多い本シリーズでは、『シカゴP.D.』『シカゴ・メッド』にも同役で出演することもある。『シカゴ・ファイア』は、米国では9月25日(水)にシーズン8が放送スタートする。
『ドクター・ハウス』と同じ8年を『シカゴ・ファイア』に費やしているジェシーだが、ヒューのバンド「Band from TV」にも参加し、ギターやピアノの才能も惜しげなく披露している。ジェシーが出演するドラマは長寿ドラマになる法則もできそうな安定ぶりだ。
■ジェニファー・モリソン(アリソン・キャメロン役)
I miss our #vancouver dinners. So good to see you @dpanabaker #kansascitycomiccon #planetcomicon https://t.co/LO8ZKsPzQK pic.twitter.com/JfdqZ7YoJJ
— Jennifer Morrison (@jenmorrisonlive) March 31, 2019
ハウスに淡い恋心を抱く部下キャメロンを演じたジェニファーは、モデル出身。13歳の時に撮影し、リチャード・ギアとシャロン・ストーンと共演した1994年公開の映画『わかれ路』で女優デビューを果たす。
6シーズンにわたり出演した本作の後は、ファンタジードラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』に主演。シーズン5までヒロイン、エマ・スワン役として新たな一面を見せた。また映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』でジェームス・T・カーク船長の母親ウィノナ・カークを演じている。また、大ヒットヒューマンドラマ『THIS IS US』のシーズン4への出演も決定している。
■オリヴィア・ワイルド(レミー・ハドリー医師/"サーティーン(13番)"役)
シーズン4からハウスの部下として登場した通称"13番"役のオリヴィア。本作の後は、ダニエル・クレイグ主演映画『カウボーイ&エイリアン』(2011)や、ブラッドリー・クーパー主演映画『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(2012)、クリス・ヘムズワース主演映画『ラッシュ/プライドと友情』(2013)など立て続けに人気俳優とビッグスクリーンで共演。2016年にはマーティン・スコセッシとミック・ジャガーがクリエイターに名を連ねる『VINYL‐ヴァイナル‐ Sex,Drugs,Rock"n"Roll&NY』でTVシリーズに復帰した。
また、2018年には歌手ドレイクのミュージックビデオ「Drake: Nice for What」ではゴージャスなドレスでダンスも披露している。『THIS IS US』のクリエイターが手がけ、『スター・ウォーズ』シリーズのオスカー・アイザックと共演した2018年の恋愛映画『Life Itself(原題)』ではブロンドヘアで主演している。
■ピーター・ジェイコブソン(クリス・タウブ役)
And these from our first ComicCon #colony pic.twitter.com/yUUp8BzV91
— Peter Jacobson (@Official_PeterJ) July 28, 2018
シーズン4からハウスの部下として登場したピーターは、最終話までレギュラーとして活躍。本作と同時期に『救命医ハンク セレブ診療ファイル』にも出演していた。
その後は、『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』『COLONY/コロニー』『マダム・セクレタリー』など数多くのドラマに出演し、現在FOXチャンネルで放送中の『NCIS:LA ~極秘潜入捜査班』シーズン10では、検察官ジョン・ロジャーズ役で準レギュラーとして出演中。今年9月に全米公開される映画『The Goldfinch(原題)』ではニコール・キッドマンと共演している。
■カル・ペン(ローレンス・カトナー役)
From last night"s Big Bang Theory! Congrats to this funny team on being the longest running multicam sitcom! Thanks for having me, this was so much fun. pic.twitter.com/oZCqBsRCHb
— Kal Penn (@kalpenn) May 3, 2019
ハウスの部下カトナー役で、シーズン4から2シーズンだけレギュラー出演(シーズン8でゲスト出演)したカルは、オバマ前大統領政権でホワイトハウスでの勤務を理由に本作を降板。
務めを果たした後、『ママと恋に落ちるまで』や『バトル・クリーク 格差警察署』などに出演。『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』の最終シーズンでは、ケヴィン・キャンベル博士役で同作に花を添えた。またNetflixに救済されたサスペンスドラマ『サバイバー:宿命の大統領』では、シーズン1よりセス・ライト役でキーファー・サザーランド演じるカークマン大統領を支えている。
いかがだっただろうか。どうやら『ドクター・ハウス』出身のキャストは、見事なまでに全員がその後も素晴らしいキャリアを積んでいるようだ。彼らのさらなる活躍に期待したい。
(文/Erina Austen)
Photo:『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』(C) 2004 Universal Network Television LLC. All Rights Reserved.