ジョン・キューザックが演じたことがないほど強烈なキャラクター！『ユートピア～悪のウイルス～』インタビュー【1】

2020年10月30日 2020年10月30日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

鬼才デヴィッド・フィンチャー（『ハウス・オブ・カード　野望の階段』『セブン』）も惚れ込んだ英国ミステリードラマのリメイクとなるAmazon Original『ユートピア～悪のウイルス～』が10月30日（金）より独占配信中。カルト系コミック「ユートピア」に心酔する4人のファンが、地球上で起きる大災害を予見する原稿の存在を知ったことで、謎を解明し、悪のウイルスの蔓延を防ぎ、世界の終わりから人類を救おうとする...というストーリーだ。クリエイターを担うのはギリアン・フリン（『ゴーン・ガール』『KIZU－傷－（別題：シャープ・オブジェクツ）』）。キャストにはジョン・キューザック（『ハイ・フィデリティ』）、レイン・ウィルソン（『ジ・オフィス』）、コーリー・マイケル・スミス（『GOTHAM／ゴッサム』）らも名を連ねる。

そんな注目作のキャストたちのインタビューを5回に分けてご紹介！　今回登場するのは、世界の食糧事情を改善すべく奮闘する有名な博士を演じたジョン・キューザック（ケビン・クリスティー博士役）。初めてドラマでメインキャストを務めた経験や、作品にいくつもあるサプライズについて語ってもらった。

――あなたは主演映画『ハイ・フィデリティ』の脚色を担当されてもいますが、ギリアン・フリンとの仕事はいかがでしたか？

とても楽しんだよ。ギリアンの仕事は前から知っていたし彼女のファンだったからね。彼女から電話をもらって英国ドラマを元にした作品を作ると聞かされたんだ。声をかけてもらえて嬉しかった。脚本を受け取った時は、次に何が起きるのか知りたくてページを次々とめくらずにはいられなかったね。ギリアンのように優れたライターがいるおかげで、安心して作品に飛び込むことができたよ。

――脚本で直してほしいところはありませんでしたか？

もともと素晴らしい脚本なので特に直すべきところはなかった。でもギリアンは他人の意見に対してオープンなので、キャラクターの造形にこだわる僕が自分の役柄をもっとこういう風にしたらいいんじゃないかとアイデアを出した時にも快く耳を傾けてくれたよ。ただ、その詳細をネタばれすることなく伝えるのは難しいな。

――あなたが演じるキャラクターについて教えてください。

僕が演じるクリスティー博士は、なるべく多くの人が生きられる世界にすることに情熱を燃やしているんだ。そのために会社を設立し、休むことなく懸命に働いている。時には目的のために難しい決断を下すこともある。ストーリーが進むにつれていろんな面を見せるようになるので、楽しんでほしいね。

――演じる上で最も楽しかったことは？

さっきも言ったけど、ストーリーが進むにつれて彼の新たな面が明らかになっていく。詳しくは言えないけど、これまで演じたことがない役で、なかなか抜け出せないくらい強烈なキャラクターなので楽しかったね。

――本作には『ゲーム・オブ・スローンズ』のように驚きの展開がいくつもありますが、特に印象に残っている予想外のシーンはどこですか？

脚本を読んでいた時、第3話から第4話にかけての展開には驚いたな。あと、第8話にもビッグサプライズが待っているよ。それまでとは比べられないくらいにビックリするはずさ。ただし、そういう風に予想外の展開がいくつもあっても、ストーリーの構成がしっかりしているしキャラクターが魅力的だから、ビックリするまでの流れが不自然になることはない。それができるのは優れた脚本家だけなんだ。普通のプロットでは、誰が善人で誰が悪人なのかはすぐに分かるし、その後の展開もある程度予想できる。でも、ギリアンは誰も考えもしないような展開に無理なく持っていくんだ。その手腕は本当に見事だよ。

――本作にはパンデミックの流行や事実の隠蔽といった今の世界に通じるテーマがありますが、それについてどう思われますか？

なかなか難しい問題だね。映画やドラマというものはそもそも世界で今何が起きているかを映すものであり、地球温暖化や食糧危機を受けて、世紀末をテーマにした作品がここ15年から20年くらいにかけて数多く作られてきた。パンデミックがアメリカに与えた影響はショッキングだったよ。もちろんこの作品にはパンデミックやウイルス以外にも、真実の追求や人口増加、終わりなき闘争、資本主義など、様々なテーマが盛り込まれている。人口の1％しかいない超富裕層の強欲がゆえにほかの人々が被害をこうむるという構図はこれまでにも見たことがあるだろうけど、本作は元の作品を尊重しながらも優れたスリラーとして成立しているから、あまり深刻にとらえることなく楽しんでもらえれば嬉しいね。

――本作は英国版のリメイクになりますが、すでに一定のファンがいるものを作ることにプレッシャーはありましたか？

それは特に心配していないよ。これについてはギリアンがいいことを言っていたな。「同じことを繰り返すことに意味はない。やるなら、何か新しいものを足さないと」とね。英国版は素晴らしいけど、僕らは30％から40％くらい新しい要素を追加したり、一部を変更したりしているんだ。僕の役も含めてね。まったく同じものを作りたくはないから。だから、オリジナルが好きだった人も楽しんでもらえればと思うよ。