『アメリカン・ゴッズ』『グッド・オーメンズ』『スターダスト』などの原作者として知られるニール・ゲイマン。彼が1980年代に書き始めたコミック「サンドマン」の実写化シリーズが『The Sandman(原題)』改め『サンドマン』として8月5日(金)よりNetflixで独占配信がスタートする。配信前に知っておきたい作品の内容や魅力、キャラクターなどを紹介する。
『サンドマン』概要
1989年から1999年にかけてDCコミックスのヴァーティゴから出版された『サンドマン』。ヴァーティゴ初の海外ドラマ作品には『LUCIFER/ルシファー』や『iゾンビ』などがあり、世界中で楽しまれている。グラフィックノベル人気獲得の一翼を担った本作は、1991年にコミック史上初めて、ファンタジー文学における世界最高峰の栄誉、世界幻想文学大賞を受賞する偉業を成し遂げた。
『サンドマン』製作・クリエイター
Netflixオリジナルシリーズ『サンドマン』で製作総指揮も務める原作者のゲイマンは「実写化まで本当に長い道のりだった。私が描き始めたのは、はるか昔の1980年代だ。皆さんの多くが生まれる前だね。しかし数十年の準備期間はむしろ幸運だった」と2021年9月末に行われたNetflixグローバルファンイベント「TUDUM」で話した。
I am the Lord of Dream and Nightmare. pic.twitter.com/8t8NI9PZZd
— The Sandman (@Netflix_Sandman) September 25, 2021
『ワンダーウーマン』や『グレイズ・アナトミー』の脚本で知られるアラン・ハインバーグと、『ダークナイト』シリーズ原案で知られ、Apple TV+の『ファウンデーション』で製作総指揮を務めたことも話題のデヴィッド・S・ゴイヤーがクリエイターとしてゲイマンとタッグ。かつて熱心な読者であったクリエイターたちと共にゲイマンが気を付けたのは原作に忠実でありながらも、テレビ映えする作品を作ることだったという。
出来栄えについて大満足のようで「正直、当然の結果だと思うよ。かつて熱心な読者だったすばらしい俳優と制作チームが集結したからね。実写版サンドマンは愛情の結晶だ。私も最初から携わった。私たちが目指したのは、ファンに愛されてきた物語に忠実であること。でも同時に作品世界を広げたかった。熱心なファンでさえ驚く展開が待っているよ」と自信をのぞかせた。
TUDUMで解禁された特別映像でお披露目した地下聖堂などのセットを少し見るだけでも、かなりの再現度。「私自身、制作の過程で登場人物になった気分を何度も味わったよ。セットや衣装から特集効果まで。私のイメージどおり。原作で描かれたまま目の前に現れた」というゲイマンの言葉に、高まる期待を抑えきれない。
ゲイマンがもう一つこだわったのはキャスティング。「30年以上ファンに愛されてきた登場人物たちを誰が演じるか、キャスティングの重要性は私たちも理解していて、とても慎重になった。皆さんと同じくらい私も心配していたけど、ご安心あれ。最高の俳優が集まった。私の想像の中に存在した登場人物たちが息を吹き込まれ、目の前で活躍する」とコメント。
『サンドマン』キャスト
とりわけ注目が集まるドリーム役に決定したのはトム・スターリッジ(『オン・ザ・ロード』)。本作はベン・ウィショー主演の『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』、「STARZPLAY」配信中の『スイートビター 甘くて苦いニューヨーク・ライフ』に続き、彼にとってTVシリーズ作品への出演は3作目となる。
作品の出来を左右する重要なドリーム役に抜擢されたトムは「今日ここにいるのは、まず何より、僕がサンドマンの大ファンだからだ。原作コミックが大好きで、心の底から愛してやまない。この数か月作品の世界を生きて、俳優としてすごく光栄だった。オファーを受けてからドリームという存在の大きさに恐れを感じてきた。ファンの気持ちは僕もわかる。だからひたすら応えようと思った。ニールと皆さんの思いにね」とTUDUMでコメント。作品を心から愛する俳優が演じてくれることほどのファン孝行はない。
そしてもう一人、注目度の高いキャラクターといえばデス。ドリームの姉で7人兄妹の中で最も仲が良いデス役には『キリング・イヴ/Killing Eve』『グッド・プレイス』などで知られるカービー・ハウエル=バプティストが配役された。
カービーは「ニールやトムとここにいられて光栄だわ。私が演じたデスはとても奥が深い人物で人々を癒す存在。この役を演じられて光栄だけど、責任の大きさも痛感してる。デスは恐ろしいキャラだけど、本作では愛情深さも見せる。いっそう彼女が好きになったわ。この作品を皆さんにお届けするのが楽しみ」とTUDUMでコメント。ゲイマンも「カービーはこの役を完全に自分のものにした。デスの優しさや人間性は私が作品を描き始めた当初イメージしたものだ。彼女はそれを魅力的に演じてくれた」と大絶賛した。
その他のキャストにも海外ドラマファンに馴染み深い豪華キャストが集結。『ゲーム・オブ・スローンズ』からチャールズ・ダンス、グウェンドリン・クリスティー、『ザ・サーペント』『女王ヴィクトリア 愛に生きる』のジェナ・コールマン、『ナルコス』のボイド・ホルブルック、『埋もれる殺意』のサンジーヴ・バスカー、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を代表作に持ち『タイガーキング』のスピンオフ出演も話題のジョン・キャメロン・ミッチェルなど。
『サンドマン』配信情報
全11話構成のドラマシリーズでは、75話からなる原作のうち、最初の8話を描くという。ファンとしてはぜひ全話の映像化を見たいところだが、先は長そうだ。The Hollywood Reporterによると、「Netflixと権利所有者のワーナー・ブラザースが結んだ契約は、とても大規模で、DCエンターテイメント史上最高額のTVシリーズになる予定」だとか。
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ドラマ版『サンドマン』は、8月5日(金)よりNetflixで独占配信開始。(海外ドラマNAVI)
★『サンドマン』を見る★
Photo:
『サンドマン』公式Twitterアカウントより
トム・スターリッジ©NYKC/FAMOUS
カービー・ハウエル=バプティスト(C)JW/Famous