アン・クリーヴスの小説シリーズをもとにした英BBCの人気ミステリー『シェトランド』でアリソン・“トッシュ”・マッキントッシュを演じるアリソン・オドネル。来たるシーズン11をもって降板する彼女がBBCのインタビューに応じ、自身にとって最後のシーズンや番組について語った。(※本記事は、シーズン10~11のネタバレを含みますのでご注意ください)
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『シェトランド』トッシュ役アリソン・オドネルが降板!
英BBCの人気ミステリー『シェトランド』でアリソン・“トッシ …
撮影最終日にスタッフが用意した素敵なサプライズ
シーズン11は、過去に起きた殺人事件が物語の中心となり、その事件が現代を生きる関係者たちの人生を永遠に変えることになる――。
水中から車が引き揚げられ、そのトランクの中から白骨化した身元不明の男性の遺体が発見される。車の所有者は、地元で信頼されていた開業医レイモンド・リンデンだった。彼は9年前にシェトランド諸島を去り、そのまま姿を消していた。
トッシュとルース・コールダー警部はまず、リンデンの身内――気丈で威圧感のある母マーサと、弟のエリック――に会う。マーサは、息子のレイモンドは何か恐ろしいことが起きたことから島を去らざるを得なかったのだと語る。一方、リンデンの元妻エミリーは、失踪した夫についてまったく異なる記憶を語る。コールダーとトッシュは、リンデンが問題を抱えており、そのせいでエミリーと息子ジョナの人生を地獄のようなものにしていたと知る。
その頃、サンディはドナルド・ピアースと出会う。彼は孤独で、過剰なほど熱心な年配の男性だが、知らぬ間にこの事件の捜査に巻き込まれていく。
車から見つかった遺体の身元を突き止めるため、さらに深く調査を進めるコールダーとトッシュ。二人はリンデンの精神状態や、彼が残していった愛する人々の人生にまで踏み込んでいかなければならない。真相を追い求めるうちに、捜査は予想もしなかったほど暗く、危険な領域へと彼らを導いていく――。

トッシュに関しては、シーズン10終盤に個人的な感情と職務上の立場との間で難しい葛藤に直面した。かつて警部補から賄賂を受け取っていたことが発覚したビリーの問題だ。ビリーはトッシュの助言を受け入れ、すべてを正直に打ち明けた。しかし、二人の間には今もわだかまりが残っている。
シーズン11の始まりでは、ビリーは自分の行動が招いた結果と向き合いながら、トッシュを避けるためにあらゆる努力をしている。トッシュは長年の友人とのわだかまりを解消することができるのだろうか?
――新シーズンの幕開けで、トッシュはどのような状況にいるのでしょう?
トッシュは、前シーズンの出来事によってギクシャクしてしまったビリーとの関係に気を取られています。
前シーズンの物語は、とても優しく、愛情と許しに満ちた場面でクライマックスを迎えました。しかし、ビリーが過去に犯した過ちと、その後の自白によって生じた現実的な影響は、今になって表面化しています。その影響はチーム全体に及んでおり、特に深く関わったトッシュは影響を強く受けています。
部署内におけるビリーの立場は、実務的な面でも感情的な面でも大きく変わってしまいました。そのことがすべてのバランスを崩してしまったんです。特にトッシュにとっては大きな変化でした。
向き合わなければならないことが本当にたくさんあります。彼女の罪悪感や居心地の悪さ、彼の恥ずかしさや後悔…。まったく厄介な感情の“カクテル”で、気まずさと緊張感に満ちています。それによって二人の長い歴史と、豊かで複雑な関係性が、さらに浮き彫りになっていくんです。
ビリー役のルイス・ハウデンのことが大好きです。私たちはもう何年も一緒にこの旅路を歩んできましたし、トッシュとビリーの間には長い時間をかけて築き上げてきた相性の良さがあります。だから、今回の展開にじっくり取り組めたことは本当に嬉しかったですね。
――ビリーとの関係は一時的に険悪になってしまいましたが、修復できると思いますか? それとも、もう取り返しのつかないところまで傷ついてしまったのでしょうか?
トッシュとビリーはこれまで一緒に多くのことを乗り越えてきました。だから、二人がお互いを見限り、関係を完全に壊してしまうようなことは想像できません。でも、今回の問題は本当に大きなものです。そして、どうすれば再び以前のような関係に戻れるのか、すぐには見えてきません。
ただ、シーズン11で起こる出来事によって、二人はともに極限まで追い詰められることになります。そして、そのことが逆に物事を違った視点から見るきっかけとなり、本当に大切なものは何なのかに気づかせてくれるんです。
――10年以上にわたって出演してきた『シェトランド』を離れることになりました。なぜ、このタイミングで降板を決めたのでしょう?
この質問にどう答えればいいのか、自分でもよく分かっていないくらいです! 何か一つの理由があったわけではありません。いろいろな要素が重なった結果なんです。
私はこの作品に14年間携わってきました。その間、本当に様々なストーリーや挑戦の機会を与えてもらい、素晴らしい俳優たちと一緒に仕事をすることができました。とても恵まれていたと思います。
でも、今の段階ではもう十分にこの役を掘り下げてきたのではないかと感じています。
悲しさや寂しさが伴わない形で、この作品から離れるタイミングを見つけることは、きっとできなかったでしょう。でも、自分の中の何かが「飛び込んでみなさい」と言ったんです。それで、私は一歩を踏み出しました。
――トッシュの最後のストーリーでは、どのような展開が待っているのでしょう?
もの凄い展開になりますよ! 今回の撮影には、本作でこれまで経験した中でも最も大変なシーンがいくつかありました。
言えるのは、とにかく膨大な作業が必要だったということです。特別なセットの建設、素晴らしいスタントの参加、そして非常に深い感情を掘り下げる演技が求められました。これ以上話すと、ネタバレになってしまうかもしれませんね。
スリリングな展開もありますが、一方で物語にとって重要な人々と向き合う、より静かで思慮深いシーンもたくさんありました。必要な要素はすべて盛り込まれています。きっと記憶に残る最後になると思います。実際に見てのお楽しみですね!
――最後のシーンを撮影した時は、どんな気持ちでしたか?
今回のように人生を大きく揺るがすほどの出来事になると、撮影している最中にはその意味を十分に受け止めることができないんです。太陽を真正面から見ようとするようなものですね。あまりにも大きく、圧倒的なものなんです。
私はとにかく衣装を着て撮影現場に向かい、瞬間をできるだけ心に刻み、大好きな人たちと時間を過ごしながら、目の前のシーンに全力を尽くそうとしました。
最終撮影日には、多くのスタッフがトッシュの格好をして来てくれたんです。みんなフェアアイル柄のセーターを着て、髪をお団子にまとめていました。本当に楽しくて、心のこもったサプライズでした。
最後のシーンの撮影が終わった後、プロデューサーのアンガス(・シャープ)がスピーチをしてくれました。でも、残念ながら何を話してくれたのか、あまり覚えていないんです。泣いてしまい、感情があふれてきてしまったので。本当に圧倒されるような気持ちでした。この出来事を完全に受け止め、心の中で整理するには、何年もかかると思います。
――あなたはサンディ役のスティーヴン・ロバートソン、ビリー役のルイス・ハウデン、コーラ役のアン・キッドと並ぶオリジナルキャストの一人ですが、彼らに別れを告げるのは寂しかったですか?
一言で言えば、もちろん寂しかったです。でも、私たちは家族です。そのことはこれからも変わりません。
シェトランド諸島での最後の撮影日は、美しく晴れ渡った日でした。海を見渡せる、本当に素晴らしい場所で撮影していたんです。その日はビリー役のルイス、ドニー役のアンガス(・ミラー)と一緒に撮影していました。この場所で撮影するのはこれが最後になるのだと、二人に伝える機会もありました。
本当に特別な時間でした。二人とはとても深い絆で結ばれていますから。普段の生活ではなかなかできないような、心の奥底に踏み込む濃密な会話を交わすことができたんです。ああいう瞬間だからこそできる会話ってありますよね。あの日のことは、これからもずっと大切にしていくと思います。
それから、サンディ役のスティーヴンとは何度もお別れをしました! 彼は絶対的な支えになってくれた人です。心の導師のような存在でした! 私も彼にとってそういう存在でいられたらいいですね。いつかみんなでシェトランド諸島に集まれたらいいですね。
――シェトランド諸島での撮影で最も恋しくなるのは何ですか?
あの場所が持つ魔法のような魅力と、雄大さが恋しくなると思います。空気の感じ方が違うんです。自然や風景が、こちらを圧倒するほど謙虚な気持ちにさせ、畏敬の念を抱かせるような形で迎えてくれます。
それから、家族を連れてお気に入りの場所、ビーチや小さなお土産屋を巡ることも恋しくなるでしょうね。
そして、トッシュ自身のことも恋しくなると思います。彼女は10年以上にわたって一緒にいてくれた存在です。彼女の粘り強さやユーモアが大好きでした。気取ったところがなく、思いやりにあふれた人でした。彼女からは本当にたくさんのものをもらいました。
――将来、観光客として再びシェトランドを訪れるつもりはありますか?
もちろん、絶対に行きます。行かない理由なんてありませんよね? ただ、気持ちを落ち着かせるために、少し時間を置く必要はあると思います。
数年後に戻って、子どもたちを連れてお気に入りの場所を再び訪れ、何が変わっていて、何が変わらずに残っているのかを見るのがとても楽しみです。スティーヴンのところに立ち寄って、昔話に花を咲かせることもできますしね。今度は純粋に観光客として、あの場所にいられるのは素敵なことだと思います!
――最後に、もうすぐトッシュに会えなくなる『シェトランド』のファンにメッセージをお願いします。
長い間このドラマを見続け、温かく応援してくれたことに、心から感謝しています。トッシュを愛してくれ、私自身も深い繋がりを感じられるようにしてくれたこと、本当にありがとうございます。
このドラマがこれからも成功を続け、新たな魅力的な展開をたくさん見せてくれることを信じています。私にとって本当に素晴らしい時間でした。この作品を離れるのがとても寂しいです。






