『CSI』ウィリアム・ピーターセン、引退後の日々を語る

大ヒットドラマ『CSI：科学捜査班』の主任ギル・グリッソム役で知られるウィリアム・ピーターセンが、引退後の日々を語った。米Peopleが伝えている。

エージェントは15年、出番なし

米CBSで2000年から15シーズン続いた犯罪捜査ドラマ『CSI：科学捜査班』に、最初の9シーズンにわたり出演したウィリアム。2009年に同作のレギュラーを降板して以降は、最終章『～終わらない街ラスベガス』や続編『CSI：ベガス』のシーズン1でグリッソムを再演したり、マンハッタン計画を描いたリミテッドシリーズ『Manhattan（原題）』に出たりと、短期の仕事を何本かこなした程度だが、そんな状況を楽しんでいるようだ。

今年2月に72歳となったウィリアムは先日、1985年の出演作『L.A.大捜査線／狼たちの街』の公開40周年を記念した上映会に登場。2023年の『CSI：ベガス』出演を最後に俳優業から身を引いたことに満足していると語った。

「私のエージェントはここ15年、何もやることがないんだ。気の毒なことにね。というのも、私が“いや、何もするつもりはない。この仕事もお断りだ”という風な態度だからなんだが。何もしたくないのは本心だよ（笑）！　私は40本ほどの舞台に立ったし、映画にも出たし、ドラマもやった。俳優としてできる3つの表現の場すべてに関わることができたんだ」

ハリウッドで俳優・プロデューサーとして活動していた彼だが、今は俳優としてのキャリアをスタートさせた街、シカゴで家族や友人との時間を過ごすことに専念しているという。20代前半で結婚した最初の妻との間に娘、2003年に再婚した現在の妻との間に双子をもうけている彼は、祖父であり10代の子どもを育てる現役のパパでもある。「まだ子どもがいるし、孫の中には私の下の子どもより年上の子もいるよ」

「今は準備期間みたいな感じの日々を送っている。友人、そして家族の多くが年を重ねてきたから、自分の周りにいる人生の終わりに近づいている人たちを見守っているような状況だ。そうしていると、もはやカメラの前に立ちたいというエゴはなくなったんだ」

ウィリアムにとって今では用のないエージェントだが、彼らがいたことの恩恵も認める。「最初の4本の映画まで、私にはエージェントがいなかった。その場その場で契約をまとめただけで、何も分かっていなかった。だから、エージェントがいなければ今の家にも住めなかっただろうし、子どもたちも今の学校には通えていなかっただろうね」

「面白いもので、探していない時にこそチャンスが舞い込むんだ。もともと私はロサンゼルスに住むつもりなんてまったくなかったし、映画やドラマに出るつもりも一切なかった。すべては、舞台俳優になろうとした、いい俳優になろうとした結果、偶然ついてきた副産物なんだ。だから、私は信じられないくらい幸運だった。若い俳優に聞かれるといつもこう言うんだ。“私に起きたことは再現できないよ。万に一つの偶然なんだから”ってね」

友人でありシカゴの舞台仲間でもあったゲイリー・シニーズ（『CSI：ニューヨーク』）の紹介がきっかけで、ウィリアム・フリードキン監督の映画『L.A.大捜査線』の主役に抜擢され、スターとしての道を歩み出したウィリアム。きっかけは偶然だったかもしれないが、舞い込んだチャンスを生かすことができたのは彼の実力だろう。

『CSI：科学捜査班』をはじめとした『CSI』フランチャイズはHuluにて配信中。（海外ドラマNAVI）

参考元：米People