世界中で愛され続ける大ヒットドラマ『フレンズ』でチャンドラー役を演じたマシュー・ペリー。その波乱に満ちた生涯と知られざる舞台裏を紐解くNetflixのドキュメンタリー『マシュー・ペリー:ザ・ファイナル・イヤーズ』が配信され、大きな反響を呼んでいる。本作では、彼が長年直面していた深刻な依存症の苦しみとともに、支え続けた共演者たちとの揺るぎない絆が、妹ミア・ペリー・ボウィックをはじめとする親しい関係者の証言によって初めて詳細に明かされた。
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リハビリによる撮影中断と、抱え続けた強い罪悪感
メアリー・ロバートソン監督が手掛けた全3話からなるドキュメンタリーでは、2001年に『フレンズ』の制作が一時ストップした知られざる舞台裏が語られている。親友のロジャー・カスティーヨによると、当時マシューが抱えていた深刻な問題に向き合うため、撮影スケジュールを中断せざるを得ない局面があったという。
妹のミアは、当時の兄が周囲に対して極めて強い責任感と罪悪感を抱いていたことを明かしている。「兄は、多くのスタッフや関係者がこの作品で生活を成り立たせていると痛感していました。誰にも迷惑をかけたくないと苦悩していましたが、回復のためには治療に専念しなければならない現実も理解していたのです」。
マシュー本人も2002年のラリー・キングによるインタビューで、「ただ断酒に集中する時間が必要だった」と告白している。先の見えない状況にもかかわらず、製作陣やクルーは彼の復帰を信じ、シーンの調整を行いながら復帰を待ってくれたと感謝を口にしていた。
モニカとの結婚式の裏側で…リハビリ施設と現場を行き来した日々
シーズン6の最終話でチャンドラーがモニカ(コートニー・コックス)にプロポーズし、5カ月後にスタートしたシーズン7でマシューの体型が激変したことはファンの間でも大きな関心を集めた。後に彼は回想録の中で、「体重が増えている時期はアルコール、痩せている時期は薬物だった。あご髭を生やしている時期は薬の量が最も多かった」と記し、自身の外見の変化が依存症の深刻度をそのまま映し出していたと告白している。
ミアの証言によれば、シーズン7のハイライトであるチャンドラーとモニカの結婚式のエピソードを撮影していた当時、マシューはマリブのリハビリ施設から現場へ直接通うという極限状態にあった。家族が将来を案じ、依存症を抱えながら人間関係を維持することの過酷さに直面するなか、あの名シーンが誕生した。モニカがバージンロードを歩み、誓いの言葉を交わす場面を振り返り、ミアは「画面に映る彼の感情はすべて本物だった」と語る。マシューとコートニーの間には長年培われた深い友情があり、劇中のカップルとしてだけでなく、現実の世界でも特別な信頼関係で結ばれていたのだ。
棺を囲み手をつないで涙した5人
ドキュメンタリーの最終話では、2023年に行われたマシューの葬儀についても語られている。ミアによると、家族や親しい友人だけが参列した小規模な葬儀には、『フレンズ』の共演者たちも全員そろって出席したという。ミアは、「ジェニファー・アニストンが最初に私のところへ来て、強く抱きしめてくれました。そして、5人全員がそうしてくれました」と語っている。
さらに、ジェニファーとコートニー、リサ・クドロー、デヴィッド・シュワイマー、マット・ルブランの5人が一緒に棺の前へ歩み寄った時を振り返り、「5人は手をつないで彼の棺の周りに立ち、泣いていました」を回想している。
長年にわたり世界中のファンに愛された『フレンズ』の6人。ドラマ終了から20年以上が経った後も、6人が変わらない特別な絆で結ばれていたことが伝わるドキュメンタリーとなっている。
『マシュー・ペリー:ザ・ファイナル・イヤーズ』はNetflixで配信中。




