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『ザ・ピット』は『ER』の盗作か?ワーナーが模倣作ではないと訴訟棄却を要求!

2025年11月4日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

『ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室』

ワーナー・ブラザース・TV(WBTV)は、『ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室』がエミー賞受賞作『ER 緊急救命室』の盗作であるという主張を阻止するため、新たな動きを見せている。先週提出された控訴により、ノア・ワイリー主演のこのシリーズに対する法的追及、そして裁判に発展する可能性を阻止しようと試みているのだ。

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『ザ・ピット』は『ER』の模倣作ではない

10月28日(火)にWBTV、ノア・ワイリー、ジョン・ウェルズ、R・スコット・ジェミルらが提出した控訴人の冒頭陳述書は、以下のように述べている。

「『ザ・ピット』が『ER』を模倣したり、その要素を使用したりして制作されたという証拠はない。したがって、『ザ・ピット』が『ER』の模倣作であるという証拠もありません」

ジェミルが制作し、『ER』出身のウェルズが製作総指揮を務める『ザ・ピット』は、2024年8月に故マイケル・クリクトンの未亡人であるシャーリ・クリクトン氏が代表を務める遺産管理団体によって契約違反で提訴された。

提訴側の主張は、ペンシルバニア州ピッツバーグを舞台とする同シリーズが、『ER』のリブート交渉が金銭的な問題で失敗に終わった後に生まれたものであり、事実上『ER』の要素を流用しているというものだ。故マイケルは『ER』のほか、『ジュラシック・パーク』『ウエストワールド』『ツイスター』などの制作者としても知られる。

これに対し、被告側は当初から、『ザ・ピット』は独自の作品であり、リブート交渉が決裂した後、クリエイターたちが単に次へ進んだ事例であると主張してきた。しかし、今年2月、ロサンゼルス上級裁判所(LASC)のウェンディ・チャン裁判官は、被告側のアンチSLAPP(スラップ訴訟阻止法)申立てを却下。「原告の主張が全く根拠がないとは認められない」との判断を示し、訴訟は混乱が予想される裁判へと向かう可能性が高まっていた。

「表現の自由」に対する攻撃!WBTVが控訴で訴える決定的な相違点

WBTVは、この訴訟はアンチSLAPPが存在する典型的な理由を示す好例であるとし、今年初めのLASCの判決を覆すか、あるいは訴訟全体の棄却を強く望んでいる。

ギブソン・ダン法律事務所の弁護団による控訴趣意書では、「原告は、『ザ・ピット』が『ER』の保護された要素を一つも使用していないにもかかわらず、重要な言論を封じ込めるために司法制度を誤用している」と厳しく指摘。さらに、今回の訴訟は「生涯にわたるアーティストたち、すなわち被告として指名された脚本家、プロデューサー、そして俳優が、今日の最も差し迫った問題のいくつかに直接的に言及する、画期的なテレビシリーズを公開することを禁止しようとする試み」であり、「自由な表現に対する露骨な攻撃」だと主張した。

そして、「この訴訟は根拠がないものです。『ザ・ピット』は、他のいかなる病院ドラマと同様に、『ER』の焼き直しではありません」と付け加え、ストーリー構造やテーマにおいて決定的な相違点があることを強調した。

「『ザ・ピット』は、異なるキャラクター、異なるプロット、異なるテーマ、異なる舞台設定、そして異なる物語の手法を伴う。両番組の唯一の類似点は、他の数十の番組と同様に、両方とも救急部門を舞台にした医療ドラマであること、そして異なるキャラクターを演じる一人の俳優、ノアを共有していることだけである」

ノアが演じるキャラクターは『ER』とは異なるとし、「『ザ・ピット』のエピソードはリアルタイムで進行し、新型コロナウイルスの余波に対処するなど、リブート脚本のトリートメントとアイデアを共有しているが、これらは『ER』が最後に放送されてから10年以上後にジェミルが提案した新しいアイデアであった」と主張。頓挫したリブートのアイデアを別のプロジェクトに組み込むことに法的な問題はないとの立場を改めて示した。

法廷闘争の行方と『ザ・ピット』の今後

WBTVからの今回の申立てに対し、クリクトン・トラスト側の弁護士ロバート・クリーガーは「ワーナー・ブラザースからの今回の申立てには、何も新しいことはない」「既に裁判所が断固として却下した主張の焼き直しに過ぎない」と、強気の姿勢を崩していない。

『ザ・ピット』は2025年1月にプレミア公開、2026年1月にはシーズン2の開始が予定されているが、裁判や控訴の審理日についてはまだ予定されていない状況だ。大物プロデューサーや人気俳優を巻き込んだこの法廷闘争は、カリフォルニア州の映画およびテレビ業界にとって大きな前例となる可能性を秘めている。

『ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室』U-NEXTで独占配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:Deadline

Photo:Photograph by Warrick Page/Max

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海外ドラマNAVI編集部

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