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『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』ほかの戦争ドラマと一線を画す理由は?【レビュー】

2025年10月11日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

リチャード・フラナガンの同名小説を原作に、オーストラリアの監督ジャスティン・カーゼル(『オーダー』『マクベス』)が手がけた新作ドラマ『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』(原題:The Narrow Road to the Deep North)がU-NEXTにて10月10日(金)より全話一挙独占配信。

戦場のスペクタクルよりも、「戦争が人間にもたらす心の傷」を深く見つめる物語として海外メディアから高く評価されている本作。ここでは、The Guardianのレビューを一部抜粋して紹介する。

『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』(原題:The Narrow Road to the Deep North)
『メンタリスト』サイモン・ベイカー出演『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』 10月10日(金)より独占配信

2014年に英国ブッカー賞を受賞したリチャード・フラナガンの …

『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』レビュー

戦争映画とは一線を画す「静かな衝撃作」

『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』は他の戦争映画とは異なるアプローチをとっており、主人公は戦場ではなく、日本軍の捕虜収容所で過酷な労働を強いられるオーストラリア人軍医、ドリゴ・エヴァンス(ジェイコブ・エローディ)。派手な戦闘シーンはほとんどなく、痛みや喪失、そして人間の複雑な感情が描かれていく。

3つの時代をまたぐ、人間ドラマ
物語は戦前・戦中・戦後の3つの時代を行き来しながら展開する。名優キアラン・ハインズが演じる戦後のドリゴはシドニーの著名な外科医として尊敬を集めるものの、心の奥に深い闇を抱えている。

日本の捕虜収容所での出来事について、ジャーナリストから「日本人を“モンスター”と呼んだ理由」を聞かれるシーンも印象的。本作は戦争の複雑な倫理観に真正面から向き合っている。

日本軍の残虐さも、人間的な絆も描く
本作は日本軍による斬首シーンなど、観客が目を覆いたくなるような痛烈な場面もある。それと同時に、ドリゴと複雑な友情を結ぶ日本人少佐(笠松将)といった多面的な人物像も描かれる。

複雑な女性関係
ドリゴの女性関係もまた複雑だ。婚約者(オリヴィア・デヨング)がいながら、叔父(サイモン・ベイカー)の妻エイミー(オデッサ・ヤング)と激しい恋に落ちる。戦後には同僚の妻(エシー・デイヴィス)とも関係を持つ。カーゼル監督は彼を裁くことなく、人間の弱さや欲望をありのままに映し出ていく。

『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』はU-NEXTにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』U-NEXTで独占配信中© 2024 Curio Pictures Pty Ltd and Screen Australia.

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海外ドラマNAVI編集部

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