Amazon Prime Videoの人気ドラマ『ザ・ボーイズ』のスピンオフ、『ジェン・ブイ』シーズン2の配信が9月17日(水)にスタートした。シーズン1で主要キャラクターの一人であるアンドレを演じたチャンス・パードモの死が、どのように物語に反映されたのかについて製作チームが語っている。
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『ジェン・ブイ』チャンス・パードモが27歳で事故死…共演者や『ザ・ボーイズ』キャストが追悼
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仲間のために命を落としたアンドレを友人、父親が悼む
シーズン2は、撮影開始直前に大きな悲劇に見舞われた。アンドレ役のチャンス・パードモが、2024年3月のクランクインを目前に27歳の若さで事故死したのだ。突然の出来事により、製作陣は大きな決断を迫られることになった。
米Entertainment Weeklyのインタビューでショーランナーのミシェル・ファゼカスは当時を振り返り、「アンドレについては、すでに(シーズン2における)全体のストーリーを組み立てていました。それはアンドレとサムの物語でしたが、(チャンスの死によって)失われてしまったのです」と語っている。
残された選択肢は、役を再キャストするか、それともアンドレを劇中で退場させるかだった。ファゼカスは「選択するまでもありませんでした。再キャストを支持する人は一人もいなかったのです」と断言し、再キャストは検討すらされなかったと語る。
こうして、脚本は修正されることになった。ただし大幅な書き換えではなく、もともと予定されていた「エルマイラ収容所」や「オデッサ計画」の要素を残しながら、アンドレの死を自然に取り込む形を探ることに。ファゼカスは、「アンドレの死を描くにあたって、搾取的でなければ安っぽくもなく、不快でもない方法を見つける必要がありました」と説明している。
(※これ以降はシーズン2のネタバレを含みますので、ご注意ください)
本編では、アンドレ、マリー、ジョーダン、エマが収容所に送られ、脱走を試みる。しかし分厚い鉄の扉に行く手を阻まれたため、磁力を操るアンドレが力を振り絞って破ろうとし、その代償として命を落とす。仲間の目の前で犠牲になる展開によって、彼の退場が描かれることになった。
この改稿により、重要な役割を担ったのがアンドレの父ポラリティだ。演じるショーン・パトリック・トーマスは、「チャンスがいないことを実感させる責任が自分にはあると、個人的に強く思いました」と語り、俳優としてだけでなくチャンス本人への敬意からも、その不在を作品に刻み込むことを意識したという。劇中でポラリティはゴドルキン大学に教師として戻り、息子の死の真相を探る。その姿は、アンドレとチャンスを悼む存在として描かれている。
新シーズンを通じて、マリーやジョーダンがアンドレの思い出を語り合う場面も挿入されている。ファゼカスは、「私たちはチャンスを失ったことを悼むと同時に、アンドレというキャラクターも失って悲しんでいました。私たちは彼のことが大好きだったからです」と述べ、キャラクターと俳優本人に対する喪失感が重なっていたことを明かしている。
こうしてシーズン2は、アンドレの不在を隠すのではなく、彼の犠牲を物語に組み込み、キャストとスタッフの抱える喪失感を真摯に描き出す形となった。
『ジェン・ブイ』シーズン1~2はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)で配信中。(海外ドラマNAVI)
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