海外ドラマの歴史に残る最もエキサイティングなゾンビ・アポカリプスの一つである『ウォーキング・デッド』だが、その劇中には視聴者にとって到底受け入れがたいナンセンスな点も多かった。米CBRが本作の矛盾している点を紹介している。
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リックの昏睡からの生還
本作は、主人公リック・グライムズ(アンドリュー・リンカーン)が、昏睡から目覚めることで、長きにわたる旅路が幕を開ける。だが、もしもリックが重傷によって昏睡に陥っていたのだとしたら、彼はこんなにも長くどうやって生き延びられたのだろうか?
たとえ予備発電機によって電気が続いていたとしても、点滴パックの中に一か月分も薬剤が入っているはずがない。論理的に考えて、薬や電気が尽きた時点で、リックは死んでいたはずなのだ。そういった理由から、多くの視聴者が、本作の物語はリックの昏睡中の夢なのではないかと考えたが、その説は最終的に否定された。
彼らはどこでガソリンを入手しているのか?
こと燃料に関しては本作における疑問点として、しばしば挙げられている。
彼らは「どこで」「どのようにして」車、トラック、バイクにガソリンを補充しているのだろうか?ガソリンは通常一年ほどなら保存できる。そのため、荒廃から十年後にガソリンの金脈を掘り当てたとしても、必ずしもそれがまだ使えるとは限らないのだ。どこでガソリンを入手しているのかという疑問に対する回答は、“テレビの魔法”と言うのが適切なのかもしれない。
ウォーカーの血を身に纏う危険性について

(C)Gene Page/AMC
シリーズの序盤で登場人物たちが、あるトリックを思いつく。ウォーカーの血を塗り付けた服を着ていれば、その血が人間の匂いをかき消し、死者に気づかれずに歩くことができるのだ、と。
彼らは劇中で、腕、首、顔といった露出している肌に血を塗ることさえ厭わなかった。ウォーカーの血が血流に入ると、感染症を引き起こす可能性があることを考えると、ゲイブリエル以外の人間が一度もこの方法によって、感染症になったことがないというのは考えにくい。状況からして、誰かが一度くらいは露出した傷口を患っていてもおかしくないのだ。どんなに彼らがラッキーだったとしても、ほんの小さな切り傷からウォーカーの血が侵食してしまえば最後、発熱や感染症を引き起こす危険がある。そう考えると、きわめてリスキーな手段であることが伺える。
誰が芝生や木の世話をしているのか?
キャラクターたちが旅をしていると、芝生が伸びきっていたり、生い茂った木の葉で道がふさがれているような場面は出てこない。まるでこの世界を新鮮に保とうとする謎めいた造園家がいるかのようだ。
もちろんアレクサンドリアのように、芝刈り機を用いて、豊かな緑を保ち、水源を確保している場所もある。しかし広大な大地や個人が所有していた家の芝生は誰も手入れをしていないはずなのに…。なぜこんなにも美しいのか疑問である。
ウォーカーの腐敗の速度がおかしい?

(C)Gene Page/AMC
シリーズを通して、ファンはウォーカーの様々な形態を目撃してきた。変身したばかりのものから変身して何年も経過したもの、水で膨張したもの、火で焦げたもの、手足を失ったものまで様々だ。しかし、その腐敗の速度は現実にはあり得ないと言う。
法医考古学者の見解によると、ウォーカーの目は通常だと9か月以内に消失するのだという。さらに死体は最終的に肥大化し、皮膚は剥がれ落ち、3年以内に歩く骸骨と化すそうだ。ましてや、死後すぐに起き上がり、衣服を身につけ、皮膚や目の大部分を欠くことなく歩き回ることなど不可能なのだ。
おそらく、本作の世界におけるウィルスには、こういった腐敗現象を防ぐための防腐剤のようなものが含まれているのだろう。
フィクションにおける宿命と言えばそれまでだが、これらのような矛盾点を見つけながら楽しむのもまた一興かもしれない。
『ウォーキング・デッド』全11シーズンはDisney+(ディズニープラス)、Netflix、U-NEXT、Prime Videoなどで配信中。(海外ドラマNAVI)