海外ドラマを見ない人でも知っている名セリフ【6選】

海外ドラマを見たことがなくても、なぜか耳にした覚えのあるセリフ、誰しも一つは思い当たるのではないだろうか。たった一言の名言が視聴者に強烈な印象を与え、それだけで作品の名が歴史に刻まれることも少なくない。

今回は、海外ドラマを普段見ない人でも知っているような、超有名なセリフを取り上げる。現代では、昔の名ゼリフがポップカルチャーの一部として受け継がれ、SNSや他作品のオマージュ、パロディといった形で今なお多くの人の目に触れている。そんな時代を超えて愛される名言の原文と、その背景にある意味や逸話を紐解きながら、もう一度その魅力を味わってみよう。

 

海外ドラマを見ない人でも知っている名セリフ【6選】

『X-ファイル』「真実はそこにある(The truth is out there)」


『X-ファイル』の象徴的なセリフ「The truth is out there」は、シーズン1の第1話「パイロット」から登場し、オープニング・クレジットにも登場する。

このセリフは、エイリアンやその他の超自然的なものが実在するというこのドラマのテーマにぴったりだが、スカリー捜査官(ジリアン・アンダーソン)がモルダー捜査官(デヴィッド・ドゥカヴニー)に「真実はそこにあるが、嘘もまた然り」と言うとき、このセリフの意味に深みが増す。

この名言は、さまざまな文脈に当てはめることができ、いろいろなシチュエーションで使われやすい。メディアや日常会話でも引用されるほど広まり、ポップカルチャーの一部となっている。

『ジ・オフィス』「彼女がそう言ってる!(That’s what she said!)」


本作はテレビ史上最も名言の多いシットコムとも言えるが、その中でもこれは何度も登場した名セリフだ。この意味は直訳すると「それ彼女が言ったことだ」になるが、『ジ・オフィス』での使い方はいつも性的な意味にもとらえることができる文脈に返す“大人のジョーク”だ。

例えば、シーズン2第10話で、「なんでそんなに大きいの!?」とクリスマスツリーのことを言っているのに、性的な意味で「(大きい)って、彼女も言ったよ!(笑)」と返したり、同シーズン第2話でパムが、「母が行くの!」というとそこもこのセリフで「彼女もそう言ったよ!(“イク”って!)」とにやけたり。

もちろん、このジョークは女性をターゲットにしているため、マイケル・スコット(スティーブ・カレル)は何度もトラブルに巻き込まれ、セクハラ問題になった。日常会話の中で簡単に使えるジョークであるが、責任を持って気をつけて使わなければならない。

『ゲーム・オブ・スローンズ』「冬来たる(Winter is coming)」


原作小説にも登場する「冬来たる」というキャッチフレーズは、同シリーズの象徴的なフレーズであり、単なる季節の話を超えた、シリーズ全体の核心を示す名台詞として広く知られている。

このセリフはパイロット版エピソードで初めて語られたもので、ネッド・スターク(ショーン・ビーン)が、困難な時代が間近に迫っていることを家族に警告するために言ったスターク家の家訓である。ネッドの言うとおり、スターク家は何年にもわたっていくつもの障害や困難に直面し、「冬来たる」という言葉は、どのシーズンでも死や戦争、災厄が起こることを示すメタファーとして機能する。

『フレンズ』「休憩中だっただけ!(We were on a break!)」


『フレンズ』は、テレビの歴史において特別な存在だ。個性的なキャラクターたちの魅力はもちろん、思わず口にしたくなるキャッチフレーズの数々が、作品をポップカルチャーの象徴へと押し上げた。

その中でも、とりわけ有名なセリフがある。ロス(デヴィッド・シュワイマー)の「休憩中だっただけ」だ。このフレーズは、シリーズを象徴する名言として長年語り継がれている。

シーズン3第15話で、ロスの嫉妬深さに嫌気がさしたレイチェル(ジェニファー・アニストン)は、「距離を置こう」とロスに告げ、一時的な“休憩”状態に入る。しかしその夜、ロスは別の女性と関係を持ってしまい、翌朝には何事もなかったかのようにレイチェルと元の関係に戻ろうとする。すべてを知ったレイチェルは当然激怒し、ロスは延々と「あれは“休憩中”の出来事だった」と言い訳を繰り返し、自分の行動を正当化する展開となった。

『スター・トレック』「長寿と繁栄を(Live long and prosper)」


「長寿と繁栄を」は、バルカン人の伝統的な挨拶であり、スポックの故郷である惑星バルカンの文化を象徴している。この言葉は、バルカン・サリュートと呼ばれるバルカン人の敬礼と共に言われるセリフで、「健康で、豊かで、安らかな人生を送れますように」という、非常に平和的でポジティブな願いが込められている。

このセリフは、1967年に放送された『宇宙大作戦』シーズン2の第1話「バルカン星人の秘密」で初登場。それ以降、今日に至るまでこの言葉は、バルカン文化と本作の重要な一部でありながら、SFファンの間にとどまらず、世界中のポップカルチャーや日常会話にも入り込んでいる。

『ブレイキング・バッド』「私がドアをノックする人間だ(I am the one who knocks)」


『ブレイキング・バッド』には数多くの名セリフと忘れがたいシーンがあるが、中でもウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)が放った「俺がノックする者だ(I am the one who knocks)」という言葉は、シリーズを象徴する決定的な一言として語り継がれている。

このセリフが登場するのは、シーズン4第6話「それぞれの不安」。妻スカイラーが、裏社会との関わりに怯え、「ギャングがドアをノックしてくるかもしれない」と心配する場面で、ウォルターは怒りを込めてこう返す「危険なのは俺だ。ドアを叩かれる側じゃない、叩く側の人間なんだ」と。

同じシーンで発せられる「I am the danger(危険なのは俺だ)」という宣言とともに、ウォルターは善人の仮面を脱ぎ捨て、“ヘイゼンバーグ”という悪の象徴として覚醒する。まさに、彼の変貌を決定づける瞬間だった。

この場面は、放送直後からSNSやGIF、動画で拡散され、瞬く間にネットミーム化。グッズやTシャツにまで登場するなど、『ブレイキング・バッド』の数ある名言の中でも、圧倒的な存在感を放ち続けている。

 

(海外ドラマNAVI)

Photo:『X-ファイル』© 1993 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.