テレビに関するニュースを発信している米メディアTV Lineが2024年のワーストドラマ(リアリティ番組も含む)10作品を紹介している。日本未上陸も含め、全作品を見ていこう。
※リストはアルファベット順となり、ランキングではありません。
目次
- 1 『ゴート ~No.1リアリティスターは誰だ!~』(Prime Video)
- 2 『ラ・ブレア』(NBC)
- 3 『Orphan Black: Echoes(原題)』(AMC)
- 4 『Poppa’s House』(CBS)
- 5 『ザ・レジーム/壊れゆく政権』(HBO)
- 6 『RuPaul’s Drag Race Global All Stars(原題)』(Paramount+)
- 7 『アメリカン・ダンスアイドル』(FOX)
- 8 『Those About to Die(原題)』(Peacock)
- 9 『アンブレラ・アカデミー』(Netflix)
- 10 『Universal Basic Guys(原題)』(FOX)
『ゴート ~No.1リアリティスターは誰だ!~』(Prime Video)
Amazonによるコンペティション形式のリアリティ番組。コメディアンのダニエル・トッシュが司会を務め、『バチェラー』『ラブ・イズ・ブラインド ~外見なんて関係ない?!~』や『ル・ポールのドラァグ・レース』といった過去25年に放送されたリアリティショーでお馴染みの14人が参加し、「史上最高のリアリティショー参加者」の称号と20万ドルの賞金を目指し精神的、身体的、そして社交的なチャレンジに挑む。
ジャンルも放送局も違うリアリティショー出身のセレブたちが集まるということで、期待する声も多かったが、今年最も退屈な競争シリーズの一つになったとTV Line。挑戦として挟まれたお粗末なカーニバルゲームは退屈そのもので、脱落のセレモニーも劇的な展開を求めるファンの予想を裏切るものに。
『ラ・ブレア』(NBC)
シーズン3で今年幕を閉じた『ラ・ブレア』。
①もともと14話だったものを6話でまとめなくてはいけなかった
②主人公のイヴがたったの1話にしか登場していない
という2つの致命的な理由から不名誉なリストに載ることに。
ショーランナーによると、イヴを演じるナタリー・ジーのスケジュールによって、まずは彼女が登場できる最後のシーンの脚本を仕上げなくてはならず、残りはそのあと書くことになったという。そのため、もとの予定にはなかった終わり方をせざるを得ず、低い評価となったようだ。
『ラ・ブレア』はHuluにて配信中。
『Orphan Black: Echoes(原題)』(AMC)
2013年から5シーズンにわたって製作された米AMC『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』の続編となるスピンオフドラマ。
人気作の終焉から37年後の2052年が舞台の本作は、人間の存在を科学的に操作するというテーマを深く掘り下げた。主人公のルーシーを演じたのは『ジェシカ・ジョーンズ』や『ブレイキング・バッド』で知られるクリステン・リッター。
本家でのタチアナ・マスラニーの卓越した演技は、後任にとって常に大きな壁となることはわかっていたが、複雑すぎるストーリーラインと、オリジナルの「クローン・クラブ」とは比べ物にならないほど味気ないキャストにより、残念な結果に。
TV Lineの評価通り、シーズン1にて打ち切られている。日本未上陸。
『Poppa’s House』(CBS)
今年10月からはじまったばかりのシットコム。
『New Girl ~ダサかわ女子と三銃士』のコーチ役でお馴染みのデイモン・ウェイアンズ・Jrと、彼の実の父親で『リーサル・ウェポン』のロジャー・マータフで知られるデイモン・ウェイアンズが共演とあって、かなり期待できるコメディになるのではと思われていたが、全く笑えないという評価に。下品なユーモアと家族向けコメディを混ぜ合わせたアプローチは全く噛み合わず、シニアを時代遅れの年配者として描くのも完全に的外れだったそうだ。
日本未上陸。
『ザ・レジーム/壊れゆく政権』(HBO)
オスカー女優のケイト・ウィンスレット主演×『メディア王 ~華麗なる一族~』のウィル・トレイシーが脚本&企画×『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のスティーヴン・フリアーズが監督…であれば、面白くないわけがない!と思ってたら大間違い、とTV Line。
作品のトーンは、まるで失敗した『サタデー・ナイト・ライブ』のスケッチを見ているかのように広がりすぎており、どっちつかずな印象を与えた。この企画でケイトの貴重な時間を無駄にした人々は、即刻辞職すべきだ、と独裁者がテーマの本作になぞらえたコメントをしている。
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『RuPaul’s Drag Race Global All Stars(原題)』(Paramount+)
今ではアメリカだけでなく、イギリス、カナダ、オーストラリアといった英語圏はもちろん、フランス、オランダ、メキシコ、イタリアなど世界各国版が人気を博している『ル・ポールのドラァグ・レース』。その最新のスピンオフとなる本作は、様々な国を代表して集まったクイーンたちが、世界一を目指して争うというもの。
長年望まれていた国を跨いたオールスターズだったが、「カリスマ、ユニークネス、ナーブ&タレント」を持つクイーンは少なく、言語の壁もあってかやはり英語圏のクイーンたちが有利になった印象。最初から勝者は明らかだったのも見応えに欠けた原因だろう。
日本未上陸。
『アメリカン・ダンスアイドル』(FOX)
18年も続くヒットシリーズとなった『アメリカン・ダンスアイドル』。過去には見事なダンスパフォーマンスや成功を収めた卒業生を輩出してきたため、このリストに入れるのは心苦しいとTV Line。
シーズン18は、かつての魅力を完全に失い、ライブパフォーマンスショーやアメリカ国民の投票など、このシリーズを“絶対に見逃せない番組”にしていた要素がすべて排除。さらに、今年の極端に短縮されたフォーマットのせいで、視聴者が参加者に感情移入する間もなく、優勝者が決定。全体を通じて、ダンスパフォーマー、審査員、そして視聴者への侮辱ともいえる内容だった。
『Those About to Die(原題)』(Peacock)
『フォーリング スカイズ』のロバート・ロダットによる壮大な歴史ドラマ。
ローマの歴史を描いた本作品は、『ゲーム・オブ・スローンズ』のようにたくさんのセックスシーンと暴力を詰め込むことで視聴者を引きつけようとしたが、空虚な見せ場ではプロットやキャラクターの不足を補うことはできなかった。無味乾燥な俳優たちが活気のない脚本をシェイクスピア風に演じようと奮闘するも、失敗に。それでもアンソニー・ホプキンスが皇帝を演じる姿を見る価値があるのではと思った方へ:期待しないで。彼は出演時間があまりに短く、ギャラを受け取るだけのために登場したかのようだったので、と酷評している。
日本未上陸。
『アンブレラ・アカデミー』(Netflix)
今年配信されたシーズン4で幕を閉じたNetflixシリーズ『アンブレラ・アカデミー』。
配信の1カ月前にショーランナーのスティーヴ・ブラックマンが12人のスタッフから現場での酷い態度を告発されており、作品のフィナーレにはすでに暗雲が立ち込めていた。そして、残念ながらシーズン4の全6話はこの問題を払拭するどころか、かえって印象を悪化させる結果に。無意味に思えるプロットや、がっかりするようなクリエイティブな選択が満載だった。そして、愛着を持って見守ってきたファミリーの最終的な結末は、この迷走した作品にさらに拍車をかける形となった。
全4シーズンはNetflixで独占配信中。
『Universal Basic Guys(原題)』(FOX)
今年9月からはじまった新作アニメーションシリーズ。
ニュージャージー州南部に住む工場労働者たちが主人公。AIロボットに職を奪われ、ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)の試験プログラムに登録。毎月の収入を受け取りながら、膨大な自由時間を手に入れた彼らが引き起こすトラブルを追う。
AIという今時の内容ではあるが、怠け者の男たちが政府からお金をもらって何もしないという設定の、バカげた上に予測可能で、非常に魅力に欠けるコメディだとTV Lineはコメントしている。たとえお金をもらっても、見る気にはなれないと極めつけの一言で締めくくっている。
日本未上陸。
(海外ドラマNAVI)
Photo:『ゴート ~No.1リアリティスターは誰だ!~』(C)Amazon MGM Studios
『Orphan Black: Echoes』©Sophie Giraud
『ラ・ブレア』シーズン3© 2024 Universal Television LLC. All Rights Reserved.