『コンコルディア/Concordia』でA.J.オオバとして海外ドラマに初主演した中島健人さんにインタビュー! 役作りや現場での様子、共演者・プロデューサーとの交友関係についてなど語ってもらった。
『コンコルディア/Concordia』中島健人さんインタビュー
――本作でA.J.オオバを演じていますが、役作りはどのようにしましたか?
俳優として向こうでは新人なので、現場で足を引っ張らないように、まずはセリフの発音をしっかり練習しました。かつ、ストーリーもしっかり把握しておくよう努めました。
というのも、アイルランド、スウェーデン、ドイツ、カナダ、サウジアラビアと、世界各国の役者がそろい、英語だけでなくそれぞれの言語が飛び交う環境だったので、指示をすぐに100パーセント理解できるかというと、なかなかに難しい。作品に対しての解像度をちゃんと高めた上で現場に入るよう心掛けました。
――監督のバーバラ・イーダー(『THE SWARM/ザ・スウォーム』)とはどんな話をしましたか? 特に覚えているエピソードがあれば教えてください。
現地入りしてすぐ「ホテルのロビーで少し会えないか?」と連絡がありました。いざ会うと、いきなり台詞の読み合わせが始まって、実質的には最後のオーディションみたいな感じだったと思います。「私のアドリブに対してあなたは反応できる?」っていう。非常に緊張感のある読み合わせだったので印象に残っています。
――グローバルな現場だったかと思いますが、撮影現場はいかがでしたか。日本との違いを一番感じたことは?
撮影時間がちゃんと9時17時で終わるんです。そして、土日が休みなんですよ! 週末、監督のバーバラが「ピザパーティー開くからみんなワイン持ってきなさいみたい!」って言って、でも監督自身が体調崩して中止とかありましたね。撮影とプライベートの時間が確立された、健やかな現場でした。
共演者と一緒にこのローマの街へご飯を食べに出かけることもありました。キャスト・スタッフ含めて、チーム全体が家族みたいな感じでしたね。
――買い物中に共演者とばったり会ったりも?
全然ありましたね。キャスト以外にも、脚本家の方と駅で偶然会っちゃったり。あとは、ホテルのロビーとかで脚本の話をすることもありました。プロデューサーのジェイコブ・グラスや他の共演者と一緒に役について話すみたいなことを日々していて。クリエイティブな話し合いがカジュアルに行われる、その時間がすごく楽しかったですね。
――街中でチームの方と遭遇する機会があるとなると、役との切り替えが難しいようなこともあったのでしょうか。
A.J.はかなり性格が悪い子なので、僕は多分ヨーロッパで嫌われると思います(笑) というのもあって、結構のめりこんで演じたところもあったんですが、意外と役に侵されることはなかったです。
――特に仲良くなった共演者はいますか?
A.J.と意見が対立する、ライバル的なノアを演じたシュテヴェン・ゾヴァーというドイツの役者さんとは、週末日本酒を飲みに行く? みたいな感じでいろいろ交流させてもらいました。
主演のルース・ブラッドリー(『ヒューマンズ』)は「あなたは日本でどういう曲を歌っているの?」っていろいろ聞いてくれて。現場では、Sexy Zoneの曲を流してみんなに覚えてもらう、なんてこともありました。
A.J.の助手役のジョセフィン・ジュベールとは、ローマでいろんなお店を巡りましたね。連絡先も知っているので、お互いの近況報告をすることもあります。東京ドームでライブやった時はリハの写真送りましたよ。
あとは、プロデューサーのトビアス・ゲルギノフ。彼と僕と日本側のプロデューサーの長澤さんで寿司に行くって話をしていたんですけど、結局トビアスは行けなくて。長澤さんと二人で行ったら、トビアスが落ち込んじゃったらしいんです。それで、トビアスが来日したときに、六本木の寿司屋さんに連れて行って、日本文化紹介みたいなこともしました。そういう交流が今も続いているのはうれしいですね。
――ちなみに、本作のその先の話などもあったりするのでしょうか?
『コンコルディア東京』をやれたらいいよねって話はしました。本作はAIサスペンスであり、社会派ドラマでもあり…インターナショナルな国籍の人々が集まって作り上げたので、広がりがすごいんですよ。僕は日本の大使として、本作を広げていけたらいいなって思っています。
――以前から海外進出を視野に入れていたのでしょうか? グローバルに活躍する日本人も増えてきていますが、本作への参加にあたってどなたかにアドバイスを求めたことなどあれば教えてください。
まず、先ほども触れた長澤さんがインターナショナルに動き回る方なんですよ。それに触発されて、もっとこう外交的にならないといけないと思い、共演者やプロデューサーとの距離を縮める意識をしました。
直接的な演技については、誰かにアドバイスを求めることはなかったですね。まっさらな状態で挑戦したかったんです。逆にワクワクするじゃないですか。何も知らない状態の中で現場に入ってみたらどういう風になるのか。期待と不安が50:50の状態で、最初の一週間を過ごしました。
ローマ入りしたときに「今ローマです」って写真を山P(山下智久)に送ったくらいですかね。そしたら「俺、今ミラノ」ってイタリア返しされるという(笑) いつまでも先を歩くかっこいい人だなって感じですね。福士蒼汰とも仲いいんですけど、海外ドラマの話はしませんでした。
――最後に、配信を心待ちにしていたファンの方へメッセージをお願いします。
誰よりも僕が配信を待っていました(笑) 2年前の東京ドームのライブから番宣してるんですよ!「いつ始まるかわかんないけどお楽しみに」って。そうするうちに2回目のドーム公演を迎えて。そこでも、「見てください! いつ始まるかわかんないけど」って。
『コンコルディア』って作品名が入った名刺もあって。この2年間で参加した海外の現場…たとえばアカデミー賞のときに、その名刺を渡してました。
このたび、本当にようやく配信になりました。ファンの皆様の熱量が僕と同じぐらいあったら嬉しいし、この作品に僕は本当に自分の感情、情熱っていうものをかけているので、それが伝わったらうれしいです。
本作の面白さが徐々にこう、世界に解き放たれてくこのプロセスを皆さんと今度一緒に楽しんでいければいいなと、A.J.役として思います。
――ありがとうございました!
『コンコルディア/Concordia』はHuluで独占配信中。(海外ドラマNAVI)
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Photo:©Hulu Japan