古くからイギリスではクリスマスの時期にアガサ・クリスティー作品を楽しむという習慣があることから、毎年12月にこの“ミステリーの女王”を特集しているミステリーチャンネル。それに合わせて11月25日から期間限定で展開中の「クリスティー作品にインスピレーションを得たイブニングティー」を、海外ドラマNAVI編集部員が体験した。
ファン心をくすぐる仕掛けが随所に
訪れたのは、東京・神田にある「サロンクリスティ」。神田駅から徒歩3分、早川書房の本社ビル1Fにある“本好きが集まる場所”“本を身近に感じる場所”がコンセプトのベーカリー&カフェだ。落ち着いたシックな外観なので、初めて来る人は見つけにくいかもしれないが、その際にはすぐ近くにある郵便局を目印にするといいだろう。
入口の扉に書かれた「CHRISTIE(クリスティ)」のロゴは、この店オリジナル。冒頭のCの文字が隣のHとRに繋がっているのは、名探偵エルキュール・ポワロの口髭をイメージしているそうで、のっけからミステリーファンにとっては見逃せない。
そして店内も外観と同じく落ち着いた雰囲気。イギリスのパブに倣ったというカウンターをはじめ、向かい合ったテーブル席、4人でも座れるゆったりした半個室のテーブル席が用意されている。半個室のテーブル席はイギリスの列車のコンパートメント風のデザインで、クリスティーやシャーロック・ホームズの作品の登場人物になった気分を味わうことができる。
今回いただいたイブニングティーの内容は、以下の通り。
・ハムとチーズのサンドイッチ(『クリスマス・プディングの冒険』)
・マカロニグラタン ミスティー添え(『ABC殺人事件』)
・サヴォイホテルのシーフードカクテル(『死との約束』)
・ローストビーフ&ヨークシャープディング(『パディントン発4時50分』『ポケットにライ麦を』)
・マカロン(『クリスマス・プディングの冒険』)
・スコーン ―自家製ジャム、クロテッドクリーム、はちみつ添え―(『クリスマス・プディングの冒険』『ポケットにライ麦を』『ひらいたトランプ』)
・ラプサンスーチョンのマフィン(『殺人は容易だ』)
・クリスマスプディング(『クリスマス・プディングの冒険』)
・カモミールティー(『パディントン発4時50分』)
・ミックスベリーのスパークリングワイン
最近流行りのアフタヌーンティーでもよく見かけるスリーティアーズ(3段トレイ)に載った見た目からしてテンションが上がる。
まずは一番下の段にあるお食事系から。シーフードカクテルはエビや野菜がみずみずしい上、プリプリ、サクサクとした歯ごたえも楽しく、ピッタリの前菜だ。マカロニグラタンはソースやチーズがたっぷり。添えられたミスティー(ミステリーチャンネルの公式キャラクターである黒猫)は、紫いもをそのまま型で抜き取ったもので、火の通し具合がちょうどいい。メインのローストビーフには、別添えのソースをかけるのをお忘れなく。一枚一枚が分厚く、粒入りマスタードの効いたソースとのハーモニーで口の中が幸せになる。ヨークシャープディングの、サクサクの生地と野菜のゴロゴロ感もいい組み合わせだ。
続いては中央段に。ミニバーガーのような外見のサンドイッチは、チーズの分厚さがアクセント。素敵に腹割れしたスコーンは、クロテッドクリームやジャム、はちみつと相性抜群! そこに紅茶を合わせれば敵なしだ。クリスティーが好きだったお茶、ラプサンスーチョンを使ったマフィンは、中国版ほうじ茶のような香ばしい風味が特徴。スイーツながらも甘さ控えめなので、甘いもの好きでない人も食べやすいのではないだろうか。
最上段のクリスマスプディングは、中央段のマカロンと一緒にいただく。というのも、ルビー色をした香り高いラズベリーマカロンは、『クリスマス・プディングの冒険』に出てくるクリスマスプディングの中に入っていた宝石を模しているから。クリスマスプディングそのものにもオリジナルのような仕掛けがあるので、中身を楽しみながら食べてほしい。
料理に合わせて飲んだ食前酒のスパークリングワインは、ブルーベリーやラズベリーの風味がワインに溶け込み、フルーティーな味わい。林檎のような優しい風味のカモミールティーは、茶菓子はもちろん、料理にも合わせやすい。
写真は一人分だが、かなりのボリュームがあったので、お腹を空かせた状態で行くことをおすすめしたい。
なお、アペリティフ(食前酒)とドリンクは、一種類ずつ選択可能。また、ドリンクの一部がポットティーになっているのも、じっくりたっぷりお茶を味わいたい人には嬉しいポイントだ。飲み物は種類豊富で、例えばグラスワイン(赤・白)なら、薬に見立てたハッカ粉がパラフィン紙に包まれているのを、サラサラとワインに入れてから飲むといった、クリスティーファンのツボを突く工夫がなされている。飲み物は追加で注文できる(1オーダー500円)ので、気になるものはいくつか試してみるのもいいだろう。
ちなみにメニューには、それぞれの食べ物や飲み物がクリスティーのどの小説のどのページに登場したかも記されている。席に一緒に置かれた該当小説の数々には、その料理が載ったページの付箋も貼ってあるので、食べる合間に、もしくは食後に、ストーリーのどういう場面で出てきたのかを確認してみるのも楽しいはずだ。
赤い背表紙が目印のクリスティー文庫シリーズは、店内で購入可能。そのほかにも、クリスティー作品をモチーフにしたトートバッグやマグカップ、タンブラーグラス、ノート、クリアファイルなどが販売されている。例えばマグカップは、作品タイトルの原題のほかにポワロの口髭も描かれていたりと、ファン心をくすぐる仕様だ。クリスティーのほかにも、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ作品やジョージ・オーウェル関連グッズが置いてあるので、英国ファンはチェックしてみては?
ミステリーチャンネルとサロンクリスティがコラボした期間限定のイブニングティーは、12月26日(木)まで実施中。ただし、提供時間は17:00~19:00の間のご入店に限り(※利用時間2時間)、完全予約制のため、ご利用の2日前までに電話予約が必要だ(TEL:03-3258-3800)。詳細はこちら。一部の日はすでに予約でいっぱいとのことなので、行きたい方はお早目に! イブニングティーセットをご利用の方には、先着200名にミステリーチャンネルオリジナルコースターをプレゼント!
ラプサンスーチョンの引用元である原作を新たに映像化した『アガサ・クリスティー 殺人は容易だ』の独占日本初放送をはじめとしたアガサ・クリスティー特集は、ミステリーチャンネルにて12月22日(日)放送開始だ。
またミステリーチャンネルでは、アガサ・クリスティー検定も新たにスタート。問題は全15問で、正解数に応じて初級・中級・上級・マスターの認定バッジが出現する。マスターを目指してチャレンジしてみては? 詳しくはこちら。
(海外ドラマNAVI)